インフルエンザの10の誤解
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で起こる呼吸器の感染症です。突然の高熱やのどの痛み、筋肉の痛み、強いだるさなどが特徴で、風邪とは原因が異なります。この記事では、インフルエンザに関するよくある10の誤解をとり上げ、正しい知識をわかりやすく解説します。 誤解1:インフルエンザはただの重い風邪 誤解2:予防接種でインフルエンザにかかる 誤解3:インフルエンザには治療薬がない 誤解4:抗生物質が効く 誤解5:健康な人はかからない 誤解6:寒いとインフルエンザになる 誤解7:かかったらもうかからない 誤解8:手洗い・うがいは効果がない 誤解9:検査しないと診断できない 誤解10:妊婦はワクチンを打てない これらについて、以下の章でくわしく説明します。
重要な事実
- インフルエンザは風邪とは別の病気で、重症化することがあります。
- インフルエンザワクチンは、発症を防ぐだけでなく重症化を防ぐ効果があります。
- 治療薬やワクチンについては、医師や薬剤師に相談することが大切です。
インフルエンザは毎年冬に流行し、日本では1シーズンに何百万人もの人がかかると推定されています。
年齢や健康状態にかかわらず、誰でもかかる可能性があります。特に子ども、高齢者、妊婦、持病のある人、免疫力が低下している人は重症化しやすいため注意が必要です。
症状
- 呼吸が苦しそう、息ができない
- 胸の痛みが続く
- 意識がもうろうとしている
- けいれんを起こした
- 小さい子どもがぐったりして呼びかけに反応しない
- これらの症状があれば、すぐに119番に電話してください
- ⚠高熱が3日以上続く
- ⚠せきがひどく、食事や水分がとれない
- ⚠高齢者や持病のある人で症状が悪化している
- ⚠妊娠中にインフルエンザのような症状がある
一般的な症状
- 突然の高熱
- のどの痛み
- 全身の筋肉痛や関節痛
- 強い倦怠感
子供の症状
- おう吐や下痢などの消化器症状が出ることがある
- 高熱によりまれにけいれんを起こすことがある
- ぐったりして元気がない
高齢者の症状
- 熱があまり高くないことがある
- 意識がぼんやりする
- せきや息切れが続く
- 食欲が落ちる
原因
主な原因
- インフルエンザウイルス(A型・B型など)
- 感染者のせきやくしゃみのしぶきを吸い込む飛沫感染
- ウイルスのついた手で口や鼻、目を触る接触感染
- 寒さそのものが原因ではなく、乾燥や換気不足が感染を広げやすくします
リスク要因
- 冬の時期(12月~3月ごろ)
- 換気が悪く密閉した空間
- 睡眠不足や疲労
- 高齢、妊娠、持病(糖尿病・心臓病・呼吸器疾患など)
- 免疫力が低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しい、息切れがあるとき
- 意識がうすれるとき
- けいれんがあるとき
- 高熱が続くとき
- 持病が悪化したと感じるとき
定期受診を予約すべき場合:
- 流行期に突然の発熱や全身の痛みがあるとき
- 家族や職場でインフルエンザが出たとき
- 受診するか迷ったときは、まず電話で相談するのもよいでしょう
診断
インフルエンザは、医師の診察と必要に応じた迅速検査(のどや鼻の粘膜をこする検査)で診断されます。流行期で典型的な症状があれば、検査をしなくても診断されることもあります(誤解9を参照)。
行われる可能性のある検査
- 迅速抗原検査:約15分で結果がわかります
- PCR検査:正確ですが、結果に時間がかかります
- 症状と流行状況を合わせて診断されることもあります
診察で予想されること
医師がからだの状態を確認し、必要に応じて鼻やのどから検体を採取します。検査は少し違和感がありますが、数十秒で終わります。結果に基づいて治療方針や自宅での過ごし方の説明があります。
治療
インフルエンザの治療は、からだの免疫力を助けながら症状をやわらげることが中心です。重症化しやすい人には、症状が出てから48時間以内に抗インフルエンザ薬が処方されることがあります。抗生物質(抗菌薬)はウイルスには効きません(誤解4)。
自宅でのセルフケア
- 十分な休養と睡眠をとる
- こまめに水分補給をする
- 部屋を加湿し、換気もおこなう
- 熱があがってつらいときは、医師や薬剤師に相談して市販の解熱剤などを適切に使う
- 家族にうつさないようマスクを着用する
医療治療
抗インフルエンザ薬はインフルエンザウイルスの増え方を抑える薬で、医師の処方によって使われます。すべての人に必要というわけではなく、高齢者や持病のある人、重症化リスクの高い人が中心です。薬の種類や使い方は医師が判断するため、自己判断での使用はやめましょう。
この病気と共に生きる
インフルエンザと診断されたら、医師の指示に従い、学校や職場は出席停止になります。熱が下がってからも、ウイルスを排出することがあるため、せきエチケットと手洗いを続けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 手洗いをまめにおこなう
- せきやくしゃみはティッシュで覆い、捨てる
- マスクをつける
- 室内の換気と湿度を適切に保つ
- 高齢者や赤ちゃんのいる家庭では接触を避ける
食事と運動
熱がある間は、無理に食べずに水分を優先しましょう。食欲が出てきたら、消化のよいおかゆやうどん、ゼリーなどから少しずつ食べ始めます。運動は熱が下がってから数日待ち、体調を見ながら再開します。
精神的健康と心の健康
長く休むことや周囲にうつしてしまう不安から、気分が落ち込むこともあります。無理をせず、家族や友人に相談したり、オンラインの心の健康相談などを利用したりして、ひとりで抱え込まないでください。
予防
インフルエンザは、予防接種と日頃の感染対策によって、かかるリスクや重症化のリスクを減らすことができます。完全に防ぐことはできませんが、効果は期待できます。
ワクチン
インフルエンザワクチンは、流行前の10月~12月ごろの接種が推奨されています。ワクチンにはウイルスの病原性をなくした成分が使われているため、接種によってインフルエンザにかかることはありません(誤解2)。また、妊婦でも接種できる時期があります(誤解10)。接種を受けられるかどうかは、医師に相談してください。
検診プログラム
定期的な健康診断のようなスクリーニングは一般的ではありませんが、毎年の予防接種が最も重要です。流行期に症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 肺炎(ウイルス性または細菌性)
- 気管支炎
- ぜんそくなどの慢性呼吸器疾患の悪化
- まれに脳症や心筋炎
- 高齢者は脱水や転倒なども起こりやすい
長期的な見通し
ほとんどの人は1~2週間で回復します。重症化しやすい人でも、早めの受診と適切な治療で回復が期待できます。また、インフルエンザが終わった後も、誤解せずに毎年予防接種を受けることが次の感染を防ぐことにつながります。
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- 厚生労働省 ↗ · 日本
- 国立感染症研究所 ↗ · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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