壊死性腸炎(NEC)について|赤ちゃんの腸の重い病気
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
壊死性腸炎(ネクロタイジング・エンテロコライティス)は、主に生まれたばかりの赤ちゃん、特に未熟児に起こる、腸が傷ついたり壊れたりする重い病気です。腸の壁に細菌が入り込んで炎症を起こし、ひどくなると腸の組織が壊れてしまいます。早く見つけて適切な治療を受けることがとても大切です。
重要な事実
- 主に未熟児や低出生体重児に発症します。
- 腸を休ませる治療が基本で、ひどい場合は手術が必要になることもあります。
- 母乳栄養が発症のリスクを下げる可能性があるといわれています。
まれな病気です。小さく生まれた未熟児のうち、100人に数人程度の割合で起こるとされています。
特に在胎週数が短く、体重がとても軽く生まれた赤ちゃんに多く見られます。満期産で健康に生まれた赤ちゃんにはほとんどありません。
症状
- 突然のおなかの強い張りや痛み
- 便に大量の血が混じる
- ぐったりして意識がぼんやりする
- 呼吸が止まりそうになる(無呼吸)
- 上記のような症状がある場合は、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。
- ⚠おなかが張り続けて触ると嫌がる
- ⚠嘔吐を繰り返す
- ⚠便に血が混じる
- ⚠体温が高すぎる、または低すぎる
- ⚠ミルクをまったく飲まない
一般的な症状
- おなかが張る
- ミルクの飲みが悪くなる
- 嘔吐する
- 便に血が混じる
- 元気がなくなる
- 体温が不安定になる
- 呼吸が止まりそうになる(無呼吸発作)
子供の症状
- 幼児や学童ではほとんど見られません。
- 心臓の病気や免疫の弱さなど特別な背景がある場合は、おなかの張りや痛み、発熱などが現れることがあります。
高齢者の症状
- 成人ではまれですが、腸への血流が極端に減る状態が続くと、似たような腸の障害が起こることがあります。
- その場合は、急な強い腹痛、おなかの張り、血便、発熱などに注意が必要です。
原因
主な原因
- 未熟な腸は細菌に弱く、傷つきやすいこと
- 腸への血流が不安定になること
- 細菌が腸の壁に入り込んで炎症や壊死(組織が壊れること)を起こすこと
リスク要因
- 早産・低出生体重
- 人工乳(ミルク)栄養
- 腸の血流を減らす病気
- 輸血を受けたこと
- 新生児集中治療室(NICU)での感染
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- おなかの張りが強く、触ると赤ちゃんが激しく泣く
- 嘔吐が続く
- 便に血が混じる
- ぐったりして反応が弱い
定期受診を予約すべき場合:
- ミルクの飲みがいつもより弱い
- 何となく機嫌が悪い
- うんちの回数や色がいつもと違う
- おなかが張っているように見える
診断
医師が赤ちゃんの状態を診察し、おなかの張りや便の様子、全身の状態を確認したうえで、画像検査や血液検査を行って診断します。
行われる可能性のある検査
- 腹部X線(レントゲン)検査
- 腹部超音波(エコー)検査
- 血液検査
- 便の検査
- 場合によっては造影検査
診察で予想されること
診断や治療は、主に新生児集中治療室(NICU)で行われます。赤ちゃんの状態を注意深く観察しながら、必要な検査や治療が進められます。
治療
基本的な治療は、赤ちゃんの腸を休ませることです。ミルクを一時的に止め、点滴で水分や栄養を補いながら、腸の炎症が落ち着くのを待ちます。
自宅でのセルフケア
- 家庭での自己判断はせず、医師の指示に従ってください。
- ミルクや母乳の量・方法は、医師や看護師の指示に従ってください。
- おなかの張りや便の状態など、気になる変化を記録して伝えましょう。
医療治療
入院して、腸を休ませるためにミルクを止めて点滴で栄養を補います。感染に対しては抗菌薬(こうきんやく)を使い、おなかの張りに対してはガス抜きの管を入れるなどの対応が行われます。薬の種類や量は、赤ちゃんの状態に合わせて医師が決めます。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
腸に穴が開いたり、壊死した部分が広がっている場合は、その部分を取り除く手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
退院後もしばらくは、体重の増え方、おなかの張り、便の状態などを注意深く観察します。何か気になることがあれば、かかりつけの小児科医に相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 定期的に健診を受ける
- 感染予防のため、家族は手洗いをしっかり行う
- 赤ちゃんの機嫌やおなかの状態を毎日記録する
- 医師の指示がない限り、市販薬を使わない
食事と運動
ミルクや離乳食は、医師の指導に従って少しずつ進めます。母乳が可能な場合は母乳を中心にするとよいといわれています。運動や遊びは、赤ちゃんの発達に合わせて通常どおりで問題ありません。
精神的健康と心の健康
赤ちゃんの入院や治療はご家族にとって大きな不安と負担になります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、パートナーや医療者に相談してください。
予防
確実な予防法はありません。未熟児では、母乳栄養がリスクを下げる可能性があるほか、医療現場での感染対策や腸の血流を保つケアが行われています。
ワクチン
壊死性腸炎を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
特別な検診はありませんが、新生児集中治療室では赤ちゃんの様子を注意深く観察し、早期発見に努めています。
合併症
治療しない場合
- 腸に穴が開く(腸穿孔)
- 腹膜炎(おなかの中の膜に炎症が広がる)
- 敗血症(細菌が血液に入って全身に広がる)
- 腸が狭くなる(腸管狭窄)
- 腸の大部分を取り除くことによる短腸症候群
長期的な見通し
早く見つけて適切な治療を受ければ、多くの赤ちゃんは回復します。壊死が広範囲だった場合は長期的なフォローアップが必要になることもありますが、医療の進歩により治療成績は以前より良くなっています。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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