腸回転異常症
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腸回転異常症は、赤ちゃんがお母さんのおなかの中で成長するときに、腸が正しい位置に回転して固定されずに生まれてくる先天性の状態です。そのため、腸がねじれたり、通り道が詰まったりすることがあります。
重要な事実
- 腸がおなかの中で正常な位置に固定されていないために起こります。
- 多くの場合、生後数か月以内に症状が出ますが、大人になってから見つかることもあります。
- 命にかかわる合併症を防ぐため、早期の発見と治療が大切です。
まれな病気です。正確な頻度ははっきりしませんが、およそ数千人から1万人に1人の割合で見つかると考えられています。
主に新生児や乳児に発症します。また、男女比に大きな差はありません。一部の先天異常症候群を持つお子さんでは、やや多いという報告もありますが、多くの場合は特に原因のない健康な赤ちゃんに起こります。
症状
- 突然の激しい腹痛
- 繰り返す緑色の嘔吐
- 腹部の著しい膨らみ
- ぐったりして顔色が悪い
- 便やガスがまったく出ない
- これらの症状がある場合は、すぐに119番に電話してください
- ⚠激しい痛みではないが続く腹痛
- ⚠吐き気や嘔吐を繰り返す
- ⚠発熱がある
- ⚠おなかを触ると痛がる
- ⚠腸の調子が悪い状態が続く
一般的な症状
- 腹痛(おなかが痛む)
- 嘔吐(吐き戻し)
- 腹部の膨満感
- 便に血が混じる
子供の症状
- 胆汁性嘔吐(黄色や緑色の吐き戻し)
- 腹部が張って触ると痛がる
- ぐったりして機嫌が悪い
- 哺乳力の低下や体重増加不良
- 血便(便に血が混じる)
高齢者の症状
- 慢性的に繰り返す腹痛
- 吐き気や嘔吐
- 腹部膨満感
- 便秘や下痢を繰り返す
原因
主な原因
- 胎児の成長過程で、腸が正しく回転して固定されないために起こります。
- 正確な原因はまだ完全にはわかっていません。
- 先天的な状態であり、親の育て方や生活習慣が原因ではありません。
リスク要因
- ダウン症をはじめとする一部の先天異常症候群
- 先天性横隔膜ヘルニア
- 腹壁の形成異常
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 赤ちゃんが胆汁性嘔吐(黄緑色の吐物)をした
- 激しい腹痛や血便がある
- おなかが張って便やガスが出ない
定期受診を予約すべき場合:
- 慢性的に腹痛や吐き気を繰り返す
- 体重の増えが悪い
- 便秘や下痢が続く
診断
医師が問診と腹部の診察を行い、画像検査で腸の位置やねじれの有無を確認します。特に上部消化管造影検査が診断の参考になります。
行われる可能性のある検査
- 腹部超音波検査(エコー)
- 上部消化管造影検査(バリウムを飲んでレントゲンを撮る検査)
- CT検査
- 血液検査
診察で予想されること
検査中の不安をやわらげるため、小児では保護者の立ち合いや鎮静が行われることもあります。検査の結果は、小児外科の専門医がわかりやすく説明してくれます。
治療
治療の基本は手術です。腸がねじれる合併症を防ぐために、腸を正しい位置に戻して固定します。症状が穏やかであっても、合併症のリスクがあるため手術が勧められることがあります。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従い、食事や水分を控える
- 安静にして、おなかの状態を観察する
- 痛みや吐き気が強くなったら、ためらわずに医療機関へ連絡する
医療治療
手術では、癒着や膜を取り除き、腸を正しい位置に置いて固定します。場合によってはねじれた腸を戻し、壊死した部分を切除することもあります。術後は数日間の絶食と点滴を行い、腸の回復を待って食事を再開します。
手術が検討される場合
腸回転異常症と診断された場合、たとえ症状がなくても、将来の軸捻転(腸のねじれ)を防ぐために手術が検討されます。特に軸捻転による急な症状があるときは、緊急手術が必要です。
この病気と共に生きる
手術後は、多くの子どもが普通に近い生活に戻れます。定期的に小児外科の外来で経過を観察し、問題がなければ成長に合わせて通常の生活や食事ができます。
生活習慣のアドバイス
- 水分をしっかりとり、排便のリズムを整える
- 便通が悪いときは、医師や栄養士に相談する
- 術後、運動を再開する際は医師の許可を得る
- 学校生活や遊びは通常通り行えます
食事と運動
退院後は、バランスの良い食事をとり、便秘にならないよう心がけましょう。激しいスポーツも、医師が問題ないと判断すれば可能です。ただし、手術直後は体をひねる動きや強い圧迫を避ける必要があるため、医師の指示に従ってください。
精神的健康と心の健康
長期の入院や手術は、子ども本人だけでなく家族にも大きな不安を与えます。その気持ちは自然なことです。必要に応じて、心理の専門家や医療ソーシャルワーカーのサポートを受けながら、無理せず治療に取り組みましょう。
予防
腸回転異常症は胎児期の発生過程によるもので、予防することはできません。しかし、症状を早く見つけてすぐに治療することが、重大な合併症を防ぐ最善の方法です。
ワクチン
腸回転異常症に特に関連するワクチンはありませんが、一般的な予防接種は医師と相談しながら受けることが大切です。
検診プログラム
この病気だけを対象にした新生児のスクリーニング検査はありません。日常的に腹部の症状があれば、早めに医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 腸軸捻転(腸がねじれて血流がとだえる)
- 腸閉塞(腸の通りが完全にふさがる)
- 腸壊死(腸の組織が死んでしまう)
- 敗血症(全身に感染が広がる)
長期的な見通し
早期に発見して手術を行えば、多くの赤ちゃんは健康に育ちます。手術後も長期的な経過観察が必要になることがありますが、ほとんどは日常生活に問題がありません。もし腸の広い範囲を取り除いた場合でも、専門医の指導のもとで栄養管理を行うことで、十分に成長や生活の質を保つことができます。希望を持って治療に取り組みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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