脊椎すべり症(せきついすべりしょう)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
背骨は「椎骨(ついこつ)」という骨が積み重なってできています。脊椎すべり症は、この背骨の一部が隣の骨に対して前や後ろにずれてしまう病気です。ずれることで神経が圧迫されると、腰痛や脚のしびれなどの症状が現れます。
重要な事実
- 背骨の一部が隣の骨からずれる病気です
- 腰痛のほか、脚のしびれや痛みを起こすことがあります
- 多くの場合は、手術をしない保存的な治療でよくなります
比較的よく見られる病気で、特に10代のスポーツ選手と高齢者に多いとされています。
成長期の体操選手やラグビーの選手など、腰をよく反らすスポーツをする子どもに起こります。また、加齢や女性の場合には妊娠・出産をきっかけに起こることもあります。
症状
- 急に脚に力が入らず立つことができない
- 尿や便が出にくい、または漏れてしまう
- お尻や脚の内側の感覚がなくなる
- これらの症状が一つでもあれば、直ちに119番に電話してください
- ⚠脚の痛みやしびれが急に強くなった
- ⚠歩くときに脚を引きずるようになった
- ⚠これらの症状があれば、その日のうちに医療機関を受診しましょう
一般的な症状
- 腰痛(特に長時間立っているときや腰を反らせたときに強くなる)
- お尻や太もも、ふくらはぎの痛みやしびれ
- 脚に力が入りにくい
- 前かがみになると楽になる感覚
子供の症状
- スポーツ中の腰の痛み
- 太ももの裏側が張るような感じ
- 腰を反らすと痛みが増す
高齢者の症状
- 歩くと腰や脚が痛む(休むと楽になる)
- 脚のしびれや冷え
- 姿勢が前かがみになりやすい
原因
主な原因
- 長年のスポーツなどによる背骨の疲労骨折(分離症)
- 加齢による椎間板や関節の衰え
- 先天性の背骨の形の異常
- 事故や転倒などのけが
リスク要因
- 腰を強く反らすスポーツ習慣
- 加齢による骨や関節の老化
- 女性、特に妊娠・出産後の女性
- 腰痛を繰り返している人
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- しびれや痛みが悪化している
- 脚の力が徐々に弱くなっている
- 排尿・排便に違和感がある
定期受診を予約すべき場合:
- 腰痛や脚のしびれが1週間以上続く
- 市販の湿布や安静でもよくならない
- 腰痛で日常生活に支障がある
診断
まず医師が症状の経過を聞き、背中や脚を診て神経の状態を確認します。そのうえで、画像検査で背骨のずれや神経の圧迫を調べます。
行われる可能性のある検査
- X線検査(背骨のずれの有無や程度を確認)
- MRI検査(神経の圧迫を詳しく確認)
- CT検査(骨の形をくわしく確認)
診察で予想されること
診察と画像検査をあわせて行うため、初診から診断までは数日から数週間かかることもあります。必要に応じて整形外科の専門医を紹介される場合もあります。
治療
治療は症状の程度や原因によって異なります。多くの場合は、痛みが強い時期に安静にし、その後はリハビリや運動療法で腰の筋肉を鍛えながら、薬で症状をコントロールします。
自宅でのセルフケア
- 痛みが強いときは無理をせず、横になって休む
- 腰を反らせすぎないようにする
- 椅子に座るときは背中をしっかり支えて、腰に負担をかけない
- 重いものを持つときは、膝を曲げて持ち上げる
医療治療
医療機関では、炎症や痛みをやわらげる薬や、筋肉の緊張をほぐす薬が処方されることがあります。また、リハビリテーション(理学療法)や、腰を固定する装具(コルセット)の着用指導も行われます。痛みが強い場合には、神経ブロック注射などの処置が行われることもあります。
手術が検討される場合
強く脚のしびれや筋力低下がある、排尿や排便に問題が出ている、保存療法を十分に行っても症状が改善しない場合には、手術が検討されます。腰椎を固定する手術などがあり、医師とよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
背骨のずれを悪化させないためには、腰に負担のかからない動作を意識することが大切です。長時間同じ姿勢を続けず、こまめに休憩や姿勢の変更をしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 体重を適正に保つ(増えすぎた体重は腰への負担になります)
- 禁煙する(喫煙は椎間板や骨に悪影響があります)
- 腰まわりの筋肉を鍛える運動を続ける
食事と運動
骨や筋肉の健康を保つために、カルシウムやビタミンDを含む食品を適度に取り入れましょう。運動は、ウォーキングや水中歩行など、腰に負担の少ないものを選ぶとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
長く続く痛みやしびれは、気分の落ち込みや不安につながることがあります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話すようにしましょう。精神的な危機を感じた場合には、自治体や医療機関の相談窓口を利用することも選択肢です。
予防
完全に予防することは難しいですが、腰に負担をかけない習慣を身につけることで、発症や悪化のリスクを下げられます。厚生労働省の資料でも、腰痛予防には適度な運動と正しい姿勢が大切だとされています。
合併症
治療しない場合
- 背骨のずれが進んで神経圧迫が強くなり、脚のしびれや麻痺が続く
- 歩行が不安定になったり、立っていられなくなったりする
- まれに、排尿・排便の障害が残ることもある
長期的な見通し
適切な治療と自己管理を行えば、多くの場合、症状の改善が期待できます。手術が必要になっても、多くの人は日常生活を取り戻せます。一人で悩まず、医療者と一緒に治療を続けましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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