疝痛(せんつう)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
疝痛(せんつう)は、おなかに起こる強い痛みのことをいいます。腸(ちょう)や胃(い)などの筋肉がギュッとけいれんすることで起こり、指で押すような痛みが、波のように来たり消えたりするのが特徴です。赤ちゃんに多いですが、大人にも起こることがあります。
重要な事実
- 乳児の疝痛は病気というより、赤ちゃんが理由なく激しく泣く状態を指します。
- 赤ちゃんの疝痛は、多くの場合、生後3~4か月になると自然に治まります。
- 疝痛そのものは重症になることはまれですが、ほかの病気のサインであることもあるため、観察が大切です。
とてもよくある症状です。特に赤ちゃんの約2~3割に乳児疝痛が見られると言われています。大人でも、お腹の不調や消化器の病気のサインとして起こることがあります。
生後2週間から4か月ごろの赤ちゃんに最も多く見られます。大人では、胃腸(いちょう)の働きが弱っているときや、消化器の病気があるときに起こりやすいです。
症状
- 突然の激しい腹痛が続く
- 血を吐いた
- 便が真っ黒(下血)
- おなか全体がカチカチに硬い
- 発熱と激しい痛みがある
- 胸が痛い、息が苦しい
- ⚠痛みが何時間も続く
- ⚠痛みがだんだん強くなる
- ⚠嘔吐が続く
- ⚠痛みと一緒に発熱がある
- ⚠水分がとれない
一般的な症状
- おなかが波のように痛む(来たり消えたりする)
- おなかが張って苦しい
- 痛みのあいだは普段どおりに動ける
- げっぷやおならをすると楽になることもある
子供の症状
- 理由がないのに激しく泣き続ける
- 顔が赤くなり、拳を固く握る
- 足を曲げたり伸ばしたりする
- おなかを触ると少し張っている
高齢者の症状
- おなかの痛みが強く、繰り返す場合は要注意
- 痛みと一緒に吐き気や嘔吐がある
- 便やおならが出ない
- 痛みが長引く場合は、ほかの病気が隠れていることがある
原因
主な原因
- 乳児:腸の筋肉が未熟で、空気を多く飲む、ミルクや母乳のとり方、食物アレルギーなどが関係する
- 大人:便秘や下痢、腸の炎症、胆石、腎臓結石などが原因になる
- いずれも特定できないこともある
リスク要因
- 赤ちゃんの月齢(生後2~4か月)
- 早産で生まれた
- 親の子育てストレス(乳児の場合)
- 大人では、暴飲暴食、脂っこい食事、冷え、ストレス
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- おなかが硬く張る
- 便に血が混じる
- 激しい痛みでじっとしていられない
- 意識がもうろうとする
定期受診を予約すべき場合:
- 乳児の場合は、月齢に応じて定期健診で相談
- 大人の場合は痛みが週に数回以上ある
- 食事やトイレの後に症状が出やすい
診断
医師が問診(しつもん)と診察を行い、必要に応じて血液検査や超音波検査などで、ほかの病気がないかを調べます。
行われる可能性のある検査
- 問診(痛みの場所、時間帯、きっかけなど)
- おなかの触診(しょくしん)
- 血液検査、尿検査
- 超音波(エコー)検査
- 場合によってはX線(レントゲン)検査
診察で予想されること
診察では、痛みの特徴や始まった時期、食事や排便の様子を詳しく聞かれます。赤ちゃんの場合は、泣き方や授乳の様子も大切な情報です。検査は必ずしもすべてを行うわけではなく、症状に応じて必要なものだけ行います。
治療
疝痛そのものを特効薬で治すことはできません。原因を調べ、それを取り除くことが治療の基本です。赤ちゃんの疝痛は自然に治ることが多いので、保護者が安心して対処できるよう支援します。
自宅でのセルフケア
- 乳児:ゆらゆらと抱っこする
- 乳児:おなかを時計回りにマッサージする
- 乳児:白湯やお茶は医師の指示で与える
- 大人:温かいタオルでおなかを温める
- 大人:ゆっくり休む、横向きに休む
- 大人:水分を少しずつとる
医療治療
医療機関では、腸の動きを整える薬や、痛みを和らげる薬が処方されることがあります。また、乳児の場合はミルクの種類を変えて様子を見ることもあります。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
疝痛の原因が腸のねじれやくっつき、胆石や腎臓結石などで、そのままでは治らない場合は、手術が必要になることがあります。ただし、多くの疝痛は手術をせずに治ります。
この病気と共に生きる
乳児の疝痛は、親がゆったりと構えて、泣きが続く時期を乗り越えることが大切です。大人の場合は、自分のおなかの状態を観察しながら、痛みのきっかけを避けるよう心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい睡眠
- ストレスをためない時間づくり
- カフェインやアルコールを控える(大人)
- タバコを吸わない(特に乳児の周囲)
食事と運動
消化に良いものを少しずつ食べるようにしましょう。炭酸飲料や脂っこい食事は控えめに。軽い運動は血行をよくし、おなかが動きやすくなるのでおすすめです。
精神的健康と心の健康
特に赤ちゃんの疝痛では、親が疲れや不安を感じやすいものです。ひとりで抱え込まず、家族や保健師、小児科医に相談してください。
予防
乳児の疝痛は完全には予防できませんが、授乳後にげっぷをさせる、タバコの煙を避けるなどの工夫で減らせることもあります。大人の場合は、暴飲暴食を避けることで予防につながります。
合併症
治療しない場合
- 乳児の疝痛では、親の疲れやストレスが積み重なり、育児に支障が出ることがある
- 大人の場合は、原因となった病気が悪化する可能性がある
- 便やおならが出ないまま激しい痛みが続くときは、腸閉塞(ちょうへいそく)など危険な状態の可能性がある
長期的な見通し
乳児の疝痛は、多くの場合、生後3~4か月には自然に治ります。大人の場合も、原因に合わせて適切な治療を受ければ、症状はおおむね改善します。安心して医師に相談してください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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