アタマジラミ
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アタマジラミとは、髪の毛や頭皮に住みつく小さな昆虫です。人から人へうつりますが、衛生状態とは関係ありません。
重要な事実
- アタマジラミは飛んだり跳ねたりしません。頭と頭を直接触れ合わせることでうつります。
- シラミは血を吸うため、頭皮がかゆくなります。
- 厚生労働省も、学校や保育園でアタマジラミへの注意を呼びかけています。
- 治療せずに放っておくと、かきこわしによる皮膚の細菌感染が起こることがあります。
とてもよくある病気です。特に保育園や幼稚園、小学校で集団発生することがあります。
子どもに多く見られますが、大人や高齢者でもなることがあります。髪の長さや清潔さに関係ありません。
症状
- ⚠頭皮にかきこわしができ、赤みや腫れ、膿(うみ)が見られる
- ⚠発熱がある
- ⚠首や耳の後ろのリンパ節が腫れている
一般的な症状
- 頭皮のかゆみ(特に耳の後ろや首の後ろ)
- 髪の毛に小さな白い卵(シラミの卵)が付いている
- 髪をとかすと、ごま粒ほどの小さな虫(成虫)が見えることがある
- かきすぎて頭皮が赤くなる、傷になる
子供の症状
- 頭をかく動作が増える
- 夜になるとかゆみが強くなり、眠れないことがある
- 後ろ頭の首に近い場所をかくことが多い
- いらいらしたり、集中力が落ちたりすることがある
高齢者の症状
- 高齢者はかゆみを感じにくいことがあるが、頭皮の赤みやかさぶたが見られることがある
- 介護施設などで寝具やくしの共用を介してうつることもある
- かゆみよりも、頭皮の炎症や皮膚トラブルに気づくことが多い
原因
主な原因
- 頭と頭を直接接触させること(遊ぶとき、写真を撮るとき、枕を共用するときなど)
- くし、ヘアブラシ、ヘアピン、ゴム、帽子、タオル、ヘッドホンなどを共有すること
- シラミが落ちた枕カバーやシーツに触れること
リスク要因
- 保育園・幼稚園・小学校など子どもの集団に入っている
- 家族の中にアタマジラミの人がいる
- 寝具やヘアケア用品を共用する習慣がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 頭皮が化膿(かのう)して、赤みが広がったり痛みがある
- 発熱を伴う
- 市販の治療をしても、2週間以上たっても改善しない
定期受診を予約すべき場合:
- 頭皮のかゆみが続き、シラミや卵を見つけたとき
- 家族や周囲にアタマジラミの人がいるとき
- 確かめたいが、自分で見分ける自信がないとき
診断
医師または看護師が、頭皮と髪を肉眼でくまなく確認します。必要に応じて、専用の細かいくしを使い、髪の毛をとかしてシラミや卵を探すことがあります。
行われる可能性のある検査
- 特別な血液検査や画像検査はありません
- 髪の毛を一本ずつ調べて、卵や成虫を確認します
- 場合によっては、ぬれた髪にくしを当てる「ウェットコンビング」で取り出して確認します
診察で予想されること
診察では頭皮を観察し、シラミや卵が見つかれば診断がつきます。痛みを伴う検査はなく、数分で終わります。
治療
治療は、頭皮についた成虫と卵を両方取り除くことが大切です。薬を使う方法と、くしで物理的に取り除く方法があります。どちらも、指示どおりに繰り返し行うことが必要です。
自宅でのセルフケア
- 専用の細かいくしを使って、ぬれた髪を丁寧にとかす(ウェットコンビング)
- とおした後に、くしやブラシを熱湯(60℃以上)に数分つける
- 帽子、枕カバー、タオル、ヘアゴムなどは、洗濯機で熱いお湯で洗う
- 洗えないものは、ビニール袋に密封して2週間以上保管する
- 家族や同居者も一緒にチェックし、見つかった場合は同じように対処する
医療治療
医療機関では、シラミを殺す成分を含むローションやシャンプーが処方されることがあります。頭皮に塗って数分置いてから洗い流す方法や、経口薬を使う場合もあります。使い方は必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。市販の製品を使うときも、添付文書をよく読んで正しく使うことが大切です。
この病気と共に生きる
治療中も登校・登園・仕事はできます。学校や保育園では、周りの人にうつさないように、頭と頭を触れ合わせる遊びを避けるなど、無理のない範囲で注意しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 治療後は2〜3日おきに髪をチェックし、卵や成虫がいないことを確認する
- ヘアブラシやくし、タオルは人と共有しない
- 子供同士が頭をつける遊び(おままごとや相撲など)は、治療が終わるまで休む
- 枕カバーやシーツは治療開始日に洗う
食事と運動
特別な食事制限や運動制限はありません。普段どおりの食事と運動でかまいません。
精神的健康と心の健康
かゆみや見つかったことを恥ずかしいと感じる子どももいます。「清潔にしていないから」「悪いことだ」という思い込みは誤りです。家族や先生があたたかくサポートし、気持ちに寄り添うことが大切です。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、頭と頭の直接の接触を避けることや、ヘアブラシ、くし、帽子、ヘッドホン、枕などを共有しないことで、うつるリスクを減らせます。
検診プログラム
学校や家庭で、定期的に髪の毛をチェックすることが勧められます。特に集団で発生したときは、家族みんなで確認しましょう。
合併症
治療しない場合
- かゆみが続き、睡眠不足になる
- かきこわしから細菌が入り、とびひ(伝染性膿痂疹)などを起こす
- 周りの人にうつして、集団で広がる
長期的な見通し
アタマジラミは正しく治療すれば、たいてい数週間で治ります。再発を防ぐために、家族など周囲の人も同時に対処することが大切です。長く悩む必要はありません。
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最終更新: 2026年7月31日
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