西ナイルウイルス感染症とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
西ナイルウイルス感染症は、ウイルスを持っている蚊に刺されることでうつる感染症です。感染しても多くの人は症状がないか、軽いかぜのような症状だけです。ただし、まれに脳や神経に重い炎症が起こることがあります。
重要な事実
- 蚊がウイルスを運び、人にうつします。
- 感染しても約8割の人は症状があらわれません。
- 高齢者が重症化することがあります。
日本では、これまでに国内で蚊による感染が広がった例はまれで、報告の多くは海外旅行などで感染した人です。ただし、外国では流行している地域があるため、注意が必要です。
ウイルスを持っている蚊に刺された人なら誰でも感染する可能性があります。特に高齢者や、持病があって免疫力が弱っている人は、症状が重くなることがあります。
症状
- 突然の高熱
- 意識がもうろうとする・呼びかけに反応しない
- けいれんを起こす
- 首が硬く、頭を前に倒せない
- 手足に力が入らない・しびれる
- 激しい頭痛
- ※これらの症状があれば、すぐに119番に連絡してください
- ⚠38度以上の発熱が続く
- ⚠強い頭痛が続く
- ⚠吐き気が続く
- ⚠目がまぶしい(光がまぶしく感じる)
- ⚠極度のだるさ
一般的な症状
- 筋肉や関節の痛み
- 体がだるい(倦怠感)
- 吐き気・おう吐
- 皮膚の発疹
原因
主な原因
- ウイルスを持っている蚊(主にイエカの一種)に刺されること
- ウイルスを保有する鳥が感染源となり、蚊がその鳥を刺してウイルスを得る
- 感染した人の血液を介した輸血や臓器移植などでうつることはまれにある
- 人から人への通常の接触(会話・握手など)ではうつらない
リスク要因
- 流行地域(アフリカ、中東、ヨーロッパ、北米など)への旅行
- 蚊の活動が多い夏~秋に野外で過ごすことが多い
- 高齢(特に50歳以上)
- 免疫力を下げる病気や治療をしている
- 日没後や早朝に蚊に刺される機会がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱や意識の変化がある
- けいれんやまひの症状がある
- 首のこわばりがある
- 症状が急に悪くなった
定期受診を予約すべき場合:
- 蚊に刺されたあと、気になる症状が続く
- 海外から帰国した後に、発熱や体調不良がある
- 予防や健康について心配がある
診断
まず、医師が症状の経過や渡航歴、蚊に刺された可能性を詳しくたずねます。その後、必要に応じて血液検査を行い、ウイルスに対する抗体やウイルスの遺伝子を調べて診断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(抗体やウイルス遺伝子の有無)
- 髄液検査(背中の腰椎から針を刺して、脳や脊髄のまわりの液を調べる)
- 必要に応じて頭部CT・MRIなどの画像検査
診察で予想されること
診断には時間がかかることがあります。検査を受ける際は、症状や渡航歴をできるだけ詳しく伝えてください。結果がでるまで、自宅で安静にして症状の変化を観察しましょう。
治療
西ナイルウイルスに直接効く特別な薬はありません。治療の基本は、熱や痛みなどの症状をやわらげながら、体の回復を助けることです。多くの場合、自宅で安静にしていれば自然に治ります。
自宅でのセルフケア
- 安静にして十分に睡眠をとる
- 水分をこまめにとる(脱水をふせぐ)
- 症状がつらいときは、医療機関の指示に従う
- 症状が悪化していないか、注意深く観察する
医療治療
症状が重い場合は、入院して点滴による水分補給や、発熱・頭痛・神経症状に対応する治療が行われます。重症の脳炎などの場合は、集中治療が必要になることもあります。使用する薬や治療法は、症状に合わせて医師が決めます。
手術が検討される場合
この病気に対して外科的な治療(手術)が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
回復の速度には個人差があります。まずは無理をせず、体を休めることを優先しましょう。症状が落ち着いても、しばらく強い疲れが残ることがあります。段階的に普段の生活にもどるとよいでしょう。
生活習慣のアドバイス
- 蚊に刺されないよう、長袖・長ズボンを着用し、虫よけを使う
- 蚊が多い時間帯(早朝・夕方)の外出を控える
- 家の周囲に水たまりを作らない(蚊の発生をふせぐ)
- 体調が戻るまで、激しい運動や過度な仕事は避ける
食事と運動
特別な食事は必要ありませんが、水分と栄養をしっかりとり、消化のよいものを食べるようにしましょう。体調が回復してきたら、軽い散歩などの運動を少しずつ始めるとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
感染が判明すると不安になることもありますし、回復が長びくと気分が落ち込むこともあります。そうした気持ちは自然なものですが、一人で抱えずに、家族や友人、医療従事者に話してください。
予防
はい。ワクチンはありませんが、蚊に刺されないようにすることで予防できます。流行地では特に、防蚊対策を徹底することが大切です。
ワクチン
現在、日本では西ナイルウイルス感染症を予防するワクチンは利用できません。予防の基本は、蚊に刺されないことです。
検診プログラム
症状のない人を対象とした定期的なスクリーニング(検査)は、一般的ではありません。流行地から戻ったあとに症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 脳炎(脳の炎症)や髄膜炎(脳脊髄液を包む膜の炎症)を起こすことがある
- 神経の障害が残る場合がある(筋力低下、まひ、けいれんなど)
- 重症化すると生命に関わることがある
長期的な見通し
多くの人は症状があらわれないか、軽い症状で数週間のうちに回復します。重症化するのは非常にまれですが、高齢者や持病のある方は注意が必要です。適切な医療を受け、経過を観察することで、多くの方は回復に向かいます。希望を持って治療に取り組みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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