結核(けっかく)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
結核は、結核菌という細菌が主に肺に感染しておこる感染症です。せきやくしゃみで飛び散る細かいしぶきを吸い込むことでうつります。早期に見つけて治療すれば、ほとんどの場合は治る病気です。
重要な事実
- 結核は空気感染する病気で、せきやくしゃみによってうつります。
- 感染してもすぐに発症するわけではなく、約9割の人は症状が出ない潜伏感染のままです。
- 治療は薬を6か月以上飲み続けることが基本で、途中でやめないことが大切です。
- 日本では患者数が減少傾向ですが、今も年間1万人以上が新たに発症しています。
日本では昔ほど多くありませんが、年間1万人程度の患者が報告されています。世界全体ではまだ多くの人がかかる病気で、特に途上国では多いとされています。
年齢や性別に関係なくかかる可能性があります。高齢者や免疫力が低下している人、結核の患者さんと長い時間接する人は、感染して発症しやすいとされています。
症状
- 大量の血をせき込む、または血の混じったたんが増える場合は、すぐに119番に連絡してください
- 急に息苦しくなっている場合は、すぐに119番に連絡してください
- 胸の強い痛みが続く場合は、すぐに119番に連絡してください
- 意識がもうろうとする場合は、すぐに119番に連絡してください
- ⚠2週間以上せきやたん、熱が続く
- ⚠血の混じったたんを一度でも出した
- ⚠体重が急に減っている
一般的な症状
- 2週間以上続くせき
- たんがからむ(痰が出る)
- 微熱(37℃前後の熱が続く)
- 寝ている間にかく汗(寝汗)
- 体重が減る
- 食欲がない
- だるさや疲れが続く
子供の症状
- せきやたんが出にくいことがあり、だるさや体重が増えないなどの症状が目立つことがあります。
- 発熱が続く、元気がない、おなかの痛みやリンパ節の腫れが見られることもあります。
高齢者の症状
- せきや発熱が目立たず、食欲低下や元気がない、ぼんやりするなどの症状だけの場合があります。
- 腰痛や背中の痛みを訴えることもあります(骨の結核の場合)。
原因
主な原因
- 結核菌という細菌に感染することで発症します。
- 結核の患者さんがせきやくしゃみをしたときに飛び散る「飛沫核(ひまつかく)」という細かいしぶきを吸い込むと感染します。
リスク要因
- 結核の患者さんと同じ部屋で長い時間過ごす(家庭や職場など)
- 免疫力が低下している(糖尿病、腎臓病、免疫抑制薬の使用など)
- 高齢である
- 栄養状態の悪化や過労、睡眠不足が続いている
- 医療・介護の現場で働いている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 2週間以上せきやたん、発熱が続く
- 血の混じったたんが出た
- 息苦しさがある
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で結核を疑われた
- 結核の患者さんと接触した可能性がある
- たんやせき、微熱が続くが日常生活に支障はない
診断
結核の診断は、問診、胸部レントゲン検査、たんの検査、血液検査などを組み合わせて総合的に行われます。医療機関や保健所で検査を受けることができます。
行われる可能性のある検査
- 胸部レントゲン検査:肺に異常な影がないか確認します。
- たんの検査:顕微鏡で結核菌を確認したり、培養して菌を増やしたりします。
- CT検査:レントゲンでは見えにくい細かい変化を確認します。
- 血液検査:結核菌に感染しているかを判定する血液検査があります。
- PCR検査:菌の遺伝子を検出する迅速な検査です。
診察で予想されること
たんやレントゲンの結果は数日で出ますが、培養検査では数週間かかることもあります。もし結核と診断された場合には、地域の保健所と連携しながら治療を進めることになります。
治療
結核の治療は、複数の抗結核薬を組み合わせて、通常6か月間以上服用し続けることが基本です。症状がよくなっても、勝手に薬をやめず、医師の指示どおりに最後まで飲みきることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 治療中はしっかり休養をとり、免疫力を保ちましょう。
- せきが出るときはマスクを着用し、ほかの人への感染を防ぎましょう。
- お酒は控えめにし、喫煙は避けましょう。
- 服薬の記録をつけるなどして、飲み忘れを防ぎましょう。
医療治療
治療は複数の薬を組み合わせて行います。症状が重い場合や排菌(菌を排出する状態)がある場合は、感染しなくなるまで入院することもあります。また、飲み忘れを防ぐため、医療スタッフが服用を確認する「直接服薬確認療法」という方法が使われることもあります。
手術が検討される場合
ごくまれに、薬だけでは効果が不十分な場合や、肺の病変が広範囲の場合に手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療を始めて2〜3週間ほどで、多くの人は周囲への感染力がなくなります。それまでは自宅安静や入院が必要なこともあります。医師と相談しながら、仕事や学校に戻る時期を決めましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日決めた時間に薬を飲む
- せきやくしゃみのときはマスクやハンカチを使う
- 手洗いや部屋の換気を心がける
- 定期的に通院して検査を受ける
食事と運動
特別な食事制限はありません。たんぱく質や野菜をしっかりとり、体調に合わせて無理のない範囲で体を動かすようにしましょう。
精神的健康と心の健康
長い治療期間や社会とのつながりの変化から、不安や孤独感を感じることがあります。つらいときは周りの人に話したり、医療者に相談して気持ちを軽くしてください。
予防
結核は、免疫力を高める生活習慣(栄養・睡眠)と、せきエチケットや換気などの感染対策によって予防しやすくなります。
ワクチン
日本ではBCGワクチン(結核予防のワクチン)を1歳になるまでに接種することが原則とされています。BCGは重症の結核(髄膜炎や粟粒結核)を予防する効果があるとされています。
検診プログラム
定期健康診断の胸部レントゲン検査で肺結核の早期発見が行われています。結核の患者さんと接触した場合や、結核の多い地域から戻った場合は、保健所で無料の検査・相談を受けられることがあります。
合併症
治療しない場合
- 肺の病変が広がり、空洞(穴)ができる
- 結核菌が血流に乗って全身に広がる(粟粒結核)
- 脳のまわりの膜に炎症がおこる結核性髄膜炎
- 薬が効きにくい薬剤耐性結核になる
- 胸に水がたまる、呼吸不全などの重い合併症
長期的な見通し
結核は、きちんと治療すれば治る病気です。治療期間が長くても、医師の指示を守って最後まで治療を続けることで、再発も薬剤耐性も防げます。希望をもって治療に取り組んでください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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