色覚異常(色盲)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
色覚異常(色盲)は、特定の色をほかの人と違うように見る目の状態です。物が灰色に見えたり、赤と緑や青と黄色の区別が難しいことがあります。しかし、見えないわけではなく、色の見え方がほかの人と違うというだけです。多くの場合は生まれつきで、命にかかわる病気ではありません。
重要な事実
- 色覚異常は、赤と緑の区別が難しいタイプが最も多く、次に青と黄の区別が難しいタイプがあります。
- ほとんどが遺伝によるもので、男性に多く見られます。
- 特別な治療はありませんが、生活の中での工夫や補助具でカバーできることがほとんどです。
はい、めずらしいものではありません。日本では男性のおよそ20人に1人、女性のおよそ500人に1人がいるといわれています。
主に生まれつき男の子に多く見られます。女の子でもまれにあります。また、目の病気やけが、副作用のある薬によって、大人になってから起こることもあります。
症状
- 突然、片目または両目の視力が低下した
- 急に物が二重に見える、または視野の一部が欠ける
- 目に激しい痛みがあり、頭痛や吐き気を伴う
- 顔や手足のしびれ、言葉の出にくさを伴う
- ⚠数日以内に色の区別ができなくなった
- ⚠目をぶつけたあとに色の見え方がおかしい
- ⚠目の痛み、かすみ目、光の具合がおかしい
一般的な症状
- 赤と緑、または青と黄色の色の区別がつきにくい
- 色の濃さや明るさの違いはわかるが、色そのものが違って見える
- 薄暗い場所では色の区別がさらに難しくなる
- 色の名前を聞かれても、確信が持てない
子供の症状
- 色の名前を覚えるのが遅い
- クレヨンや色えんぴつで、赤と緑などを混同して使う
- 信号の色や、色で分かれたゲームで間違える
- 色に関する遊びを避けることがある
高齢者の症状
- 加齢によって目の水晶体がにごると、色の見え方が変わることがある
- 糖尿病や緑内障などの病気が原因で、色の区別がつきにくくなることがある
- 突然色の見え方が変わった場合は、ほかの目の病気の可能性があるため要注意
原因
主な原因
- 生まれつきの遺伝によるもの(網膜にある「錐体(すいたい)細胞」という色を感じる細胞のはたらきの違い)
- 糖尿病や網膜の病気、視神経の異常によるもの
- 白内障など、年齢とともに目のレンズがにごることによるもの
- 薬の副作用や目のけがによるもの
リスク要因
- 男の子であること
- 家族に色覚異常の人がいること
- 糖尿病、緑内障などの目の病気にかかっていること
- 目を強くぶつけるなどのけがをしたこと
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然、色の見え方や視力に変化があった
- 目が痛くて、かすんで見える
- 視野の一部が欠ける
定期受診を予約すべき場合:
- 子どもの色の覚え方が遅い、または色の区別がついていないように見える
- 学校の健康診断で色覚の異常を指摘された
- 仕事や運転などで色の識別に困ることがある
診断
眼科で、色のついた点の絵や数字を読み取る検査などを行います。医師の問診と視力検査と合わせて診断されます。
行われる可能性のある検査
- 石原式色覚検査表(色の点で描かれた数字や図を読む検査)
- パネルD-15検査(色のついたカプセルを色相の順に並べる検査)
- アノマロスコープ検査(赤と緑の色の割合を合わせる精密な検査)
診察で予想されること
検査は痛みもなく、数分から十数分で終わります。検査後には、医師から色覚のタイプや程度、生活での工夫について説明があります。
治療
生まれつきの色覚異常は、根本的に治す治療法がありません。しかし、多くの場合は生活の中で工夫することで困りごとを減らせます。後天的な原因がある場合は、その原因の病気を治療することで改善することがあります。
自宅でのセルフケア
- 信号機は、色の位置(上・中・下)で判断する
- 色名だけでなく、形や明るさ、位置の違いも手がかりにする
- 色分けされた書類には、文字や記号を添える
- 服や持ち物を選ぶときに、家族や友人に確認してもらう
- 照明を明るくすると色の区別がつきやすくなることがある
医療治療
色覚異常そのものを治す薬はありません。ただし、糖尿病や緑内障などで後天的に起こった場合は、その病気の治療が優先されます。また、色の区別を助ける「色弱用レンズ」やスマートフォンのアプリなどがあり、医師や専門家に相談のうえ試すことができます。効果には個人差があります。
手術が検討される場合
色覚異常だけを目的とした手術はありません。白内障など、色覚異常の原因となっている目の病気がある場合には、その手術を行うことがあります。
この病気と共に生きる
日常生活のほとんどの場面は、色覚異常があっても問題なく過ごせます。仕事や学校では、自分の特性を伝えておくと、まわりの理解が得られやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 色よりも文字や記号を確認して判断する習慣をつける
- 部屋の照明を明るめにする
- 色覚に配慮した配色を選ぶ(色覚バリアフリー)
- 困ったときは、まわりの人に素直に頼む
食事と運動
色覚異常を改善する特別な食事や運動はありません。バランスのよい食事と適度な運動は、目の健康全般を保つのに役立ちます。また、糖尿病などの生活習慣病を予防することで、後天的な色覚異常のリスクを減らすことにつながります。
精神的健康と心の健康
とくに子どもは、色の名前で間違いを指摘されたときに「自分はだめだ」と感じてしまうことがあります。色覚異常は見え方の特性であり、知能や能力とは関係ありません。まわりに説明して理解を得ることで、心理的な負担を軽くすることができます。
予防
生まれつきの色覚異常を予防する方法はありません。後天性の色覚異常は、糖尿病などの生活習慣病を予防したり、目をけがから守ったりすることで、起こるリスクを減らせる可能性があります。
検診プログラム
日本では多くの小中学校で色覚検査が行われています。子どものうちに見つけることで、色覚への理解と学びの工夫がしやすくなります。
合併症
治療しない場合
- 色の区別が必要な場面で、判断を間違えることがある
- 信号や交通標識などの色の情報を十分に使いこなせず、事故のリスクが高まることがある
- 子どもが心ない言葉で傷つき、自信を失うことがある
長期的な見通し
やさしく言うと、色覚異常は「長所ではなく特性」です。多くの人が日常生活を不自由なく送っています。色の見え方に合わせた工夫や、支援する道具も進んでいます。もし心配なことがあれば、専門家に相談してください。あなたは一人ではありません。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。