HPV(ヒトパピローマウイルス)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、多くの人に感染するごくありふれたウイルスです。皮膚の接触や性行為などによって感染します。多くの場合、体の免疫力によって自然に消えますが、一部の種類はイボや、まれにがんの原因になることがあります。
重要な事実
- HPVは世界中でとてもよく見られるウイルスで、多くの人が生涯に一度は感染するといわれています。
- ほとんどの場合、症状がなく、体の免疫力により自然に消えますが、一部の種類は「高リスク型」と呼ばれ、がんと関連することがあります。
- 定期的な検診(子宮頸がん検診など)とワクチン接種が予防に大切です。
はい、とても一般的です。日本を含む世界中で、性経験のある人の多くが一度はかかるとされています。
HPVは性別や年齢に関係なく、誰にでも感染する可能性があります。特に性行為を始めた人に多く見られ、若い年齢層で感染率が高くなります。ただし、感染自体はすべての年齢で起こり得ます。
症状
- 大量の出血がある
- 突然の強い腹痛や骨盤の痛みがある
- 息苦しさや意識がもうろうとする
- 大きな怪我や急な症状で命に関わる場合
- ⚠いつもと違う不正出血がある
- ⚠性器や肛門の周りに痛みや出血が続く
- ⚠急に大きくなるイボやしこりに気づいた
- ⚠検診や検査で気になる結果が出て、説明を聞きに行きたい場合
一般的な症状
- 何の症状もないことが多いです(本人は気づかないまま自然に治ることがほとんどです)。
- 皮膚に小さなイボ(手の甲や足の裏、膝など)ができることがあります。
- 性器の周りにできる「性器イボ」がありますが、目に見えないこともあります。
子供の症状
- 子どもでは、手や足にありふれたイボができることがありますが、これらは一般的にHPVの別の型によるもので、心配されることはほとんどありません。
- 性器の状態が心配な場合は、小児科医または皮膚科医に相談してください。
高齢者の症状
- 年齢を重ねると免疫の力が弱まることがあり、ウイルスが長く残る可能性があります。
- 多くの場合、症状はありませんが、時として性器や肛門の異常な出血や違和感に気づくことがあります。
- 閉経後の方では、不正出血などに注意が必要なこともあります。
原因
主な原因
- HPVは、感染者の皮膚や粘膜への直接的な接触でうつります。
- 性行為(性器の接触)が主な感染経路です。コンドームを使っても、完全に防ぐことはできません。
- 手や足のイボは、感染した人や物(バスタオルなど)との接触でうつることがあります。
リスク要因
- 複数の性交渉相手がいる
- 性交渉を始める年齢が若い
- タバコを吸う(免疫の力が弱まりやすい)
- 何らかの理由で免疫の力が低下している
- HPVワクチンを受けていない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 性器や肛門の周りに、こぶやイボができた
- 原因がわからない不正出血や性器の痛みがある
- 検診で異常を指摘されたが、まだ受診していない
定期受診を予約すべき場合:
- 子宮頸がん検診(細胞診・HPV検査)を定期的に受ける(自治体の案内に従いましょう)
- 性器イボや気になる皮膚の変化がある場合は、診療時間内に相談しましょう
診断
感染を直接確認するのは難しいですが、イボや細胞の変化を調べることで間接的に判断します。女性の子宮頸がん検診では、HPV検査や細胞診(パップテスト)が行われます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状や生活習慣についての質問)
- 目で見て確認する視診
- 子宮頸部の細胞を採取する「細胞診」
- 子宮頸部のHPV検査(綿棒などで細胞を採取して調べます)
- 必要に応じて、拡大鏡で子宮頸部を詳しく見る「コルポスコピー」
診察で予想されること
診察は一般的に数分で終わり、痛みを伴うことはほとんどありません。女性の場合、内診(膣の中に器具を入れて見る検査)に不安があれば、事前に医師に伝えましょう。結果は数日から数週間後にわかります。
治療
多くのHPV感染は治療の必要がありません。自然に消えるのを待ちます。イボができた場合や、細胞の変化が強い場合には、医師による治療が行われることがあります。
自宅でのセルフケア
- イボを引っかいたり、潰したりしない(感染を広げる恐れがあります)。
- 手洗いをしっかり行いましょう。
- 禁煙を心がけましょう(免疫の力を保つのに役立ちます)。
- 規則正しい生活と十分な睡眠をとり、体の免疫力を高めましょう。
医療治療
治療方法には、イボに塗る薬や、液体窒素で凍らせる治療、レーザー治療などがあります。子宮頸部などに異常細胞が見つかった場合は、細胞を切除する治療が行われることがあります。どの治療が適切かは、年齢や症状の場所・大きさによって医師が判断します。
手術が検討される場合
イボが大きくて痛みがある場合や、細胞の異常が悪化する可能性がある場合には、手術(切除)が検討されます。子宮頸がん予防のための軽い処置であれば、日帰りで行えることも多いです。
この病気と共に生きる
HPVに感染しても、普段の生活を大きく変える必要はありません。感染は相手に伝わる可能性があるため、性行為の際はコンドームを使うことを検討し、必要に応じてパートナーと話し合ってください。
生活習慣のアドバイス
- 定期検診を忘れずに受ける
- 禁煙する
- 疲れをためない(免疫力を保つ)
- パートナーとのコミュニケーションを大切にする
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスのよい食事と適度な運動(散歩など)を心がけることで、免疫の力を維持する助けになります。
精神的健康と心の健康
HPVと診断されたり、検査で陽性になったりすると、不安や心配を感じるかもしれません。しかし、HPVは非常にありふれたウイルスであり、うつるのは特別なことではありません。心配な気持ちは医師や看護師、カウンセラーに話すことで軽くなることがあります。
予防
はい、完全ではありませんが、予防方法があります。HPVワクチンと、定期的な検診(子宮頸がん検診)、コンドームの使用が大切です。
ワクチン
日本では、厚生労働省が女性(および男性)へのHPVワクチン接種を推奨しています。接種時期や対象年齢は自治体によって異なりますので、お住まいの市町村の窓口や医療機関に問い合わせてください。
検診プログラム
子宮頸がん検診(パップテストやHPV検査)は、20歳を過ぎたら自治体が実施している検診を定期的に受けることが推奨されています。検診を受けることで、がんになる前の変化を早く見つけられます。
合併症
治療しない場合
- イボが増えたり、大きくなったりして、痛みやかゆみを引き起こすことがあります。
- 高リスク型のHPVが長く感染し続けると、子宮頸がんや膣がん・陰茎がん・肛門がん・中咽頭がんなどになる可能性があります。
- 妊婦さんの場合、性器イボがあると出産時に赤ちゃんにうつることはまれですが、可能性があります。
長期的な見通し
心配しすぎる必要はありません。HPVのほとんどは自然に消えます。また、仮に消えなかったとしても、定期的な検診と適切な治療でがんになるリスクは大きく減らすことができます。がんは「早期発見・早期治療」が非常に効果的な病気です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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