妊娠中の胸やけ
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠中に起こる、胸のあたりが焼けるように熱く感じる症状です。胃の中の食べ物や胃酸が食道に逆流することで起こります。
重要な事実
- 妊娠中の女性の約半数が経験するといわれる一般的な症状です。
- 赤ちゃんに直接影響することはほとんどありませんが、つらい症状です。
- 食事や姿勢など生活習慣の工夫で和らげることができます。
- 出産後には多くの場合、改善します。
はい、とても一般的です。妊娠中の女性の約5割が経験すると言われています。
妊娠中の女性なら誰にでも起こりえますが、特に妊娠後期(7〜10か月)に多く見られます。
症状
- 突然の激しい胸の痛み
- 息が苦しい
- 意識がもうろうとする
- 血を吐く、コーヒーのような黒いものを吐く
- 黒い便が出る
- ⚠胸やけがひどくて食事や水分がまったく摂れない
- ⚠吐血はないが、口の中に血が混じる
- ⚠高熱がある
- ⚠市販の胃薬を使っても改善しない(ただし妊娠中の自己判断での服用は避けてください)
一般的な症状
- 胸の中央やのどが焼けるように熱い
- すっぱい液体が口の中に上がってくる
- げっぷがよく出る
- のどに何か詰まった感じがする
- 食事の後や横になったときに症状が悪化する
子供の症状
- この記事は妊娠中の方を対象にしていますが、一般的に子どもが胸やけを訴える場合は、胃の病気だけでなく心臓や肺の病気の可能性もあるため、早めに小児科を受診してください。
高齢者の症状
- 妊娠中の高齢出産の場合も症状は似ていますが、高血圧や糖尿病などの持病がある場合は、胸やけ以外の胸の痛みではないか注意が必要です。痛みが強い場合は、妊娠中でも他の病気を考慮して医師が診察します。
原因
主な原因
- 妊娠ホルモン(プロゲステロン)の影響で、食道と胃の間の筋肉(下部食道括約筋)が緩み、胃の内容物が逆流しやすくなります。
- 大きくなった子宮が胃を圧迫し、胃の中の圧力が高まるため、逆流しやすくなります。
- 妊娠中は消化がゆっくりになるため、胃に食べ物が長くとどまることも関係しています。
リスク要因
- 妊娠前から胸やけ(逆流性食道炎)があった方
- 双子など多胎妊娠で子宮が大きくなりやすい方
- 妊娠前に肥満傾向があった方
- 辛い物、油っこい物、炭酸飲料などをよく摂取する方
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の強い胸の痛みや呼吸困難がある場合は、救急車(119番)を呼んでください。
- 吐血や黒い便、意識障害がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 胸やけが続いて夜眠れない
- 体重が減ってきた
- 妊娠中の市販薬を安全に使えるかどうか、医師や薬剤師に相談したい
- 不安があるので一度診察を受けたい
診断
医師があなたの症状や妊娠週数、食生活などの話を詳しく聞いて診断します。多くの場合、胸やけの症状が典型的であれば、妊娠中は特別な検査をせずに診断されます。
行われる可能性のある検査
- 症状が重い場合や、他の病気が疑われる場合に、胃カメラ(内視鏡)などの検査が検討されることがありますが、妊娠中は母体と胎児への影響を考慮して慎重に行われます。
- 腹部の超音波検査(エコー)で、他の消化器の異常がないかを確認することもあります。
診察で予想されること
診察では、症状がいつから出たか、どのようなときに強くなるか、食べている物などを聞かれます。妊娠中に安全な治療法や生活のアドバイスをもらえます。
治療
まずは生活習慣の改善が中心になります。それでも症状がつらい場合は、妊娠中に安全な治療薬を医師が検討します。自己判断で薬を使わないことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 1回の食事量を減らして、1日5〜6回に分けて食べる
- 食後すぐに横にならず、2〜3時間待つ
- 就寝前に食事や間食をしない
- 脂っこいもの、辛いもの、チョコレート、炭酸飲料など症状を悪化させる食品を避ける
- ゆったりした服装をして腹部を圧迫しない
- 就寝時に上体を少し高くする
医療治療
妊娠中に安全とされる制酸薬(胃酸を中和する薬)などがあります。医師や薬剤師に相談して、妊娠中に適した薬を処方してもらってください。市販薬でも自己判断で使わず、必ず医療従事者に確認しましょう。
手術が検討される場合
妊娠中に手術が必要になることはほとんどありません。重度の逆流性食道炎がある場合でも、多くの場合は出産後に改めて評価し、治療方針を決めます。
この病気と共に生きる
毎日の生活の中で、どのような場面で胸やけが出るかをメモしておきましょう。自分の傾向がわかると、予防の対策が取りやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 食事はゆっくり、よく噛んで食べる
- 食後は散歩など軽い動きをすると消化を助けますが、激しい運動は避けてください
- 体重の増えすぎに注意する(医師や助産師と相談しながら)
- 禁煙・禁酒を徹底する
- ストレスをためないように、リラックスできる時間を作る
食事と運動
食事は、脂肪分が少なく、繊維質の多い野菜や果物、全粒穀物を意識しましょう。適度な運動(ウォーキングなど)は、妊娠中でも推奨されますが、必ず医師に相談してから始めてください。
精神的健康と心の健康
妊娠中の不快な症状が長く続くと、ストレスや不安を感じることがあります。これは自然なことです。無理をせず、パートナーや家族、友人に気持ちを話しましょう。
予防
完全に予防することはできませんが、食事や生活習慣の工夫で症状を大幅に減らせます。早期に対策を始めることで、悪化を防げます。
ワクチン
妊娠中に必要なワクチン(インフルエンザや百日咳など)については、医師と相談して適切な時期に接種してください。胸やけと直接の関係はありません。
検診プログラム
妊娠中の定期健診で、血圧や体重増加などのチェックが行われます。胸やけが続く場合も、定期健診の際に医師へ伝えましょう。
合併症
治療しない場合
- 逆流した胃酸によって食道の粘膜が炎症を起こす(逆流性食道炎)
- のどに炎症状態が続く
- 睡眠不足による疲労やストレスの悪化
- 食欲低下による栄養不足
長期的な見通し
妊娠中の胸やけは、多くの場合、出産後に自然に改善します。赤ちゃんに影響が出ることはほとんどありません。適切な対処をすれば、妊娠中も快適に過ごせます。不安なときは、いつでも医療者に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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