血管炎について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
血管炎は、体のあちこちにある血管の壁に炎症が起こる病気の総称です。炎症によって血管が傷ついたり、詰まったりすると、血液が届きにくくなった臓器にさまざまな症状が出ることがあります。
重要な事実
- 血管炎は、血管の壁に炎症が起こる病気です。
- 症状は全身に現れることがあり、発熱やだるさ、皮膚の変化などがあります。
- 早期に診断して治療を始めることが、大切な臓器を守るために重要です。
血管炎は比較的まれな病気です。日本では指定難病の対象となるものもあり、患者数は多くありませんが、決してゼロではありません。
血管炎はどの年齢でも起こる可能性がありますが、種類によって特定の年齢層や性別に多いものもあります。子供に起こるタイプ、成人に起こるタイプ、高齢者に起こりやすいタイプなどがあります。
症状
- 突然の強い胸痛や息苦しさ
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- けいれんが止まらない
- 片側の手足が動かない、言葉がしゃべりにくい(脳卒中の可能性)
- 突然、目が見えなくなる
- ⚠高い熱が続く
- ⚠皮膚に痛みを伴う潰瘍や広い範囲のあざができる
- ⚠血尿が出る、または尿の量が極端に減る
- ⚠激しい腹痛が続く
- ⚠視力が急に悪くなった
一般的な症状
- 発熱が続く
- 体がだるい、疲れやすい
- 体重が減る
- 筋肉や関節の痛み
- 皮膚に赤い斑点やしこり、潰瘍(皮膚がえぐれる状態)ができる
- 手足のしびれや力が入りにくい
- せきや息苦しさ
- 血尿やたんぱく尿などの腎臓の異常
子供の症状
- 高熱が続く
- 皮膚に発疹が出る
- 関節の痛みや腫れ
- 腹痛や嘔吐
- 目の充血や唇の赤み(川崎病と呼ばれるタイプの血管炎に見られることがあります)
高齢者の症状
- 原因不明の発熱やだるさ
- 体重減少が目立つ
- 手足のしびれや痛み
- 視力の低下や物が二重に見える
- 物忘れや混乱などの症状が現れることがあります
原因
主な原因
- 免疫の働きに異常が起こり、自分の血管を攻撃してしまうことが主な原因と考えられています
- ウイルスや細菌などの感染症がきっかけになることがあります
- 特定の薬剤が原因となることもあります
- 関節リウマチなどの自己免疫疾患に合併して起こることがあります
- 原因がはっきりわからない「原発性血管炎」と呼ばれるものもあります
リスク要因
- 特定の年齢(たとえば小児や高齢者)
- 男性または女性のどちらかに多いタイプがある(種類による)
- 過去の感染症の罹患
- 一部の薬剤の使用
- ほかの自己免疫疾患を持っていること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- のどが詰まるような息苦しさがある場合
- けいれんや意識がぼんやりする場合
- 片側の手足が急に動かせなくなった場合
- 激しい腹痛や胸痛が続く場合
- 尿の量が極端に減った場合
定期受診を予約すべき場合:
- 原因不明の発熱が続く場合
- 皮膚に治りにくい発疹やしこりがある場合
- 関節や筋肉の痛みが続く場合
- 疲れやすさや体重減少が気になる場合
診断
血管炎の診断は、医師による診察と複数の検査を組み合わせて総合的に行われます。症状や経過を詳しく聞き取り、炎症の程度や臓器の障害がないかを調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症の程度、免疫の異常、腎機能や肝機能を調べます)
- 尿検査(腎臓の障害を確認します)
- 画像検査(CT、MRI、超音波などで血管や臓器の状態を調べます)
- 組織検査(生検): 皮膚や腎臓などの組織の一部を取って顕微鏡で調べます
- 神経伝導検査(手足の神経の働きを調べます)
診察で予想されること
血管炎は専門の診療科(膠原病内科、リウマチ科、腎臓内科など)で診断されることが多いです。診断が確定するまでに時間がかかることもありますが、評価した上で治療が始まります。
治療
治療の主な目的は、血管の炎症を抑え、腎臓や肺、神経などの臓器が傷つくのを防ぐことです。炎症の強さや血管炎のタイプによって治療計画が立てられます。
自宅でのセルフケア
- 医師から指示された治療をきちんと続ける
- 体調の変化をメモに記録しておく
- 十分な休養と睡眠をとる
- 禁煙を心がける(喫煙は血管炎の悪化につながる可能性があります)
- 手洗いなどを行い、感染症を予防する
医療治療
治療の中心となるのは、炎症を抑える薬や免疫の働きを調整する薬です。薬の種類や量は症状や重症度に合わせて医師が調整します。治療中は免疫が低下しやすくなることもあるため、感染症への注意が必要です。
手術が検討される場合
血管炎そのものに対する手術はまれですが、血管が強く詰まって血流が悪くなった場合や、動脈瘤(血管の一部が膨らむ状態)ができた場合などには、手術や血管内治療が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
血管炎は長い経過をたどることがあり、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すこともあります。自分の体調と向き合いながら、医師と連絡を取り合い、無理のない生活を送ることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを保つ
- 疲れを感じたら十分に休む
- ストレスをためない工夫をする(趣味やリラックス法など)
- 禁煙する
- 飲酒は控えめにする
- 通院や服薬のスケジュールを管理する
食事と運動
血管炎の種類によって特定の食事制限が勧められることは通常ありません。ただし、治療で使う薬によっては体重や血糖値、血圧に注意が必要なことがあります。運動は体調に合わせて、無理のない範囲で続けることが勧められます。
精神的健康と心の健康
原因がはっきりしない病気と診断され、長期の治療が必要になると、不安や落ち込みを感じることは自然なことです。つらい気持ちを抱え込まず、家族や友人、医師、看護師、薬剤師などに話してみてください。必要に応じて心理的なサポートを受けることも治療の一部です。
予防
血管炎は原因がはっきりしないことが多く、完全に予防する方法はまだわかっていません。ただし、感染症の予防や禁煙などの健康的な生活習慣は、病気の悪化を防ぐ助けになると考えられています。
ワクチン
感染症がきっかけで症状が悪化することがあるため、インフルエンザや肺炎などの予防接種が勧められることがあります。ただし、治療の内容によっては生ワクチンを受けられない場合があるため、必ず医師に相談してください。
検診プログラム
血管炎は一般的な健診で見つかる病気ではありませんが、気になる症状があれば早めに受診することが早期発見・早期治療につながります。
合併症
治療しない場合
- 腎臓の障害が進むと、透析が必要になることがあります
- 肺の炎症により呼吸が苦しくなることがあります
- 神経や脳の血管が障害されると、しびれやまひ、脳卒中などを起こすことがあります
- 心臓の血管の炎症により、心筋梗塞などのリスクが高まります
- 重症の場合は生命に関わることもあります
長期的な見通し
血管炎は治療によって症状がよくなることが十分にあります。多くの人は症状が落ち着いた状態(寛解)を長く維持できます。治療を根気強く続けることで、生活の質を保つことが可能です。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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