不眠症
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
不眠症は、夜、十分に眠れないことで、日中に大きな影響をおよぼす状態です。簡単に言うと、眠れない、夜中に目を覚ます、朝早く目が覚めるといったことが続き、疲れや集中力の低下、気分の落ち込みなどが現れます。ただの『眠れない夜』とは違い、その状態が続いて日常生活に支障をきたしている場合に不眠症と呼びます。
重要な事実
- 成人の約10人に1人が慢性的な不眠を経験しているといわれています。
- 不眠症は、それ自体が疾患の場合もあれば、ほかの病気のサインであることもあります。
- 食事、運動、睡眠のリズムを見直すことで改善することも多いです。
とても多い症状で、成人のおよそ4人に1人が一生のうちに経験すると言われています。年代が上がるほど増える傾向があります。
高齢者、女性、交代勤務の人、ストレスが多い人などで起こりやすいです。また、うつ病や痛みを伴う病気のある方にも多く見られます。
症状
- 睡眠中に呼吸が止まっている、または息苦しそうな状態が頻繁にある(睡眠時無呼吸の可能性)
- 激しい頭痛、胸の痛み、動悸とともに眠れない
- 死にたい気持ちや強い自傷の衝動がある
- 上記のいずれかが当てはまる場合は、迷わず119番に通報してください。
- ⚠日中に強い眠気があり、仕事や運転に支障が出る
- ⚠不眠に加えて気分の落ち込み、食欲不振、意欲の低下が強まっている
- ⚠息苦しさや下肢のむずむず感など体の症状を伴う
一般的な症状
- 寝つきが悪い(30分以上眠れないことが多い)
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝早く目が覚めて、それ以上眠れない
- 目覚めたときに熟睡感がない、疲れが残っている
- 日中に強い眠気や集中力の低下を感じる
子供の症状
- 寝つきが悪く、寝る時間になると機嫌が悪くなる
- 夜中に目を覚まし、親を呼ぶ
- 悪夢や夜驚症(夜に突然泣いたり叫んだりする)
- 日中に落ち着きがなく、かんしゃくや注意力の散漫が見られる
高齢者の症状
- 深い睡眠が減り、夜中や早朝に目を覚ます
- 日中の眠気が強まり、うたた寝をすることが増える
- 動脈硬化や心疾患など、体の不調が睡眠を妨げていることもある
原因
主な原因
- 仕事や人間関係などのストレス
- 不規則な生活リズムや夜更かし、交代勤務
- カフェインやアルコール、たばこの摂取
- うつ病や不安障害などの心の病気
- 痛み、頻尿、息苦しさなどの体の病気
リスク要因
- 加齢(高齢者)
- 夜勤やシフト勤務
- 生活リズムの乱れや運動不足
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 眠れないことで自分や他人に怪我をさせそうだと感じる
- 突然の激しい頭痛や胸の痛みとともに眠れない
- 呼吸が止まるような睡眠を指摘された、または日中に強い眠気で意識が飛びそうになる
定期受診を予約すべき場合:
- 不眠が2週間以上続いている
- 日中の活動や気分に影響が出ている
- 薬やサプリメントを自己判断で使ってもよくならない
診断
不眠症の診断は、主に医師との問診で行います。睡眠の長さや質、生活習慣、最近のストレス、使っている薬など詳しく話を聞き、必要に応じて体の診察や検査をします。
行われる可能性のある検査
- 睡眠日誌:実際の睡眠リズムを記録します
- むずむず脚症候群や睡眠時無呼吸の可能性を確認する問診と検査
- 甲状腺機能やホルモンバランスを調べる血液検査
診察で予想されること
初診では10~15分ほどの問診が行われることが多いです。日頃の睡眠状況をメモして持っていくと、よりスムーズに相談できます。
治療
不眠症の治療は、まず睡眠のリズムを整え、眠りを妨げる生活習慣やストレスへ対処することを基本にします。その上で、必要な場合には医師の監督のもとで睡眠薬などの薬を使ってサポートします。焦らず少しずつ改善を目指しましょう。
自宅でのセルフケア
- 朝は毎日同じ時間に起きて、日光を浴びる
- 昼寝をする場合は15時までに短時間(30分以内)で終える
- 寝る1時間前にはスマートフォンやPCの画面を見ない
- 眠れないときは無理に眠ろうとせず、布団から出て軽い読書をする
- 寝る前のコーヒー、緑茶、アルコール、たばこを控える
医療治療
医療機関で行われる治療には、睡眠薬や抗不安薬など薬のほか、睡眠に関する考え方や行動を整える認知行動療法があります。薬は必ず医師の指示に従い、自己判断で量を増やしたり中断したりしないようにしてください。どの薬も医師があなたの状態に合わせて選びます。
この病気と共に生きる
不眠はがまんや努力で治るものではなく、専門的なサポートが必要なこともあります。眠れない夜が続いても、朝の過ごし方や寝る前の過ごし方など、できることを少しずつ変えていくことが長い目で見た改善につながります。
生活習慣のアドバイス
- 寝る前に、深呼吸やストレッチで体の緊張をほぐす
- 寝室の温度や光を快適に整える
- 毎日同じ時間にカーテンを開け、朝日を浴びる
- 寝る前の食事は軽くする
- 布団の中で時計を気にしない
食事と運動
適度な運動は眠りを深くしますが、寝る直前の激しい運動は逆効果です。ウォーキングなどの軽い運動を日中または夕方に行いましょう。また、夕食は寝る2時間前には済ませ、カフェインやアルコールを取りすぎないようにしましょう。
精神的健康と心の健康
不眠が続くと気分が落ち込みやすくなり、不安やイライラを感じやすくなります。眠れないことを責めず、『心の休息が必要』と捉えて、自分をいたわる時間を作りましょう。心の不調が強いときは、早めに医師や相談機関に相談してください。
予防
完全に予防することは難しいですが、規則正しい睡眠リズム、バランスのいい食事、日中の適度な運動、ストレスをため込まない生活を心がけることで、不眠のリスクを減らせると考えられています。厚生労働省の健康づくりの中でも、良い睡眠は重要とされています。
検診プログラム
人間ドックや健康診断の機会に、睡眠の質について医師や保健師に相談すると良いでしょう。特に眠りに問題を感じている人は、そのままにせず小さな検診のついでにチェックを受けられます。
合併症
治療しない場合
- 記憶力や注意力の低下、日常のパフォーマンス低下
- 高血圧、糖尿病、心疾患などの生活習慣病のリスク上昇
- うつ病などの気分障害が出現・悪化しやすくなる
- 交通事故や労働災害のリスクが高まる
長期的な見通し
不眠症は、適切なサポートや生活の見直しによって十分に改善できます。時間がかかることもありますが、あきらめずに一歩ずつ睡眠と向き合っていけば、良い睡眠を取り戻すことは可能です。まずは一人で悩まず、信頼できる医療者に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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