左心低形成症候群(HLHS)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
左心低形成症候群(HLHS)は、生まれつき心臓の左側(左心室、大動脈弁、僧帽弁、上行大動脈)が十分に発達していない病気です。左側の心臓がうまく機能しないため、全身に血液を送ることが難しくなります。
重要な事実
- 生まれつき心臓に異常がある先天性心疾患です。
- 左心室が非常に小さい、またはほとんどない状態です。
- 治療しなければ生後数週間で命に関わります。
- 段階的な手術で多くの子どもが成人まで生きられます。
まれな病気で、日本の新生児約5,000人に1人程度の割合で見られます。
男の子にやや多く見られ、生まれた直後から症状が現れることが多いです。
症状
- 呼吸が止まりそうなほど苦しそう
- 皮膚や唇が青くなる(チアノーゼ)
- 意識がない、または反応が弱い
- ⚠授乳量が極端に減った
- ⚠ぐったりして動かない
- ⚠いつもより呼吸が速く、息苦しそう
一般的な症状
- 呼吸が速い、息苦しそう
- 授乳量が少なく、体重が増えない
- 皮膚や唇が青白い、青紫色
- 冷や汗が出る
- 元気がない、ぐったりしている
子供の症状
- 疲れやすい
- 運動すると息切れする
- 成長がゆっくりである
- 感染症にかかりやすい
高齢者の症状
- 成人まで生きることはまれですが、治療の進歩で成人に達した方もいます。
- 成人では不整脈や心不全のリスクが高くなることがあります。
原因
主な原因
- 正確な原因はわかっていません
- 心臓が形成される途中で何らかの異常が起こると考えられています
リスク要因
- 家族に先天性心疾患がある
- 特定の染色体異常(ターナー症候群など)を持つ場合
- お母さんが妊娠中の感染症や特定の薬を使用した場合の影響が疑われることがありますが、はっきりしていません
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 新生児にチアノーゼや呼吸困難が見られたら、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠中の胎児エコー(超音波検査)で心臓に異常を指摘されたら、専門の小児循環器医に相談してください。
- 出生後に心臓の異常が疑われたら、早めに小児心臓専門の医療機関を受診してください。
診断
主に妊娠中の超音波検査(胎児心エコー)や、出生後の心臓超音波検査(心エコー)で診断されます。診断のため、専門の医療機関でさらに詳しい検査が行われます。
行われる可能性のある検査
- 胎児心エコー(妊娠中)
- 心エコー(生後)
- 胸部X線(レントゲン)
- 心臓カテーテル検査
診察で予想されること
診断が確定したら、小児心臓病の専門チーム(医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなど)が治療方針を説明し、家族をサポートします。治療は緊急を要するため、専門の小児心臓病センターで行われるのが一般的です。
治療
治療は段階的に行われます。まず、生後すぐに血流を安定させるための薬物療法や手術が行われます。その後、子どもの成長に合わせて、心臓の構造を少しずつ整える手術を複数回行います。最終的な目標は、全身に血液を送る循環を確立することです。
自宅でのセルフケア
- 治療後は定期的な通院と検査が欠かせません
- 感染症を予防するため、手洗いや予防接種を徹底しましょう
- 医師の許可を得て、無理のない範囲で運動しましょう
医療治療
薬は心臓のポンプ機能を助ける薬や、血栓を防ぐ薬などがありますが、具体的な薬名や用量は医師がそれぞれの状態に合わせて指示します。手術は段階的に行われ、最終的にフォンタン手術と呼ばれる方法で循環を安定させるのが一般的ですが、実施の時期や方法は患者さんごとに異なります。重症の場合、心臓移植が検討されることもあります。
手術が検討される場合
最初の手術は通常、生後数日から数週間以内に行われます。その後、乳児期から幼児期にかけて複数回の手術が必要です。
この病気と共に生きる
治療後も多くの子どもが学校生活や日常生活を送ることができます。定期的な通院と心臓の状態の観察が必要です。体調の変化があればすぐに医師に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 運動は医師と相談して、許可された範囲で行いましょう
- 感染症にかからないよう、手洗いや予防接種を徹底しましょう
- 歯みがきなど日頃の健康管理を丁寧に行いましょう
食事と運動
心臓に負担をかけすぎないよう、塩分を控えめにした食事がすすめられることがあります。運動は、主治医の指示に従い、楽しめる範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
生まれつきの心臓病と向き合うことは、本人や家族にとって大きなストレスになることがあります。無理をせず、悲しみや不安を抱え込まないで、心理的なサポートやカウンセリングを利用することも大切です。
予防
左心低形成症候群は予防することはできません。しかし、妊娠中の超音波検査で早期に発見できれば、生まれた直後から適切な治療を始めることができます。
ワクチン
治療を受けた子どもは感染症にかかりやすくなることがあるため、定期予防接種はしっかり受けることが大切です。特にインフルエンザなどは、かかりつけの医師と相談して受けてください。
検診プログラム
妊娠中の胎児心エコーが重要なスクリーニングです。また日本では、新生児を対象に、パルスオキシメーターを使って心臓の異常を早期に見つける検査を行っている病院もあります。
合併症
治療しない場合
- 治療しない場合、左心室が機能しないため、生後数日から数週間で命に関わります
- 低酸素血症(酸素が不足する状態)や心不全、ショック状態に陥ります
長期的な見通し
早期に適切な治療を受ければ、多くの子どもが成人まで生きられるようになりました。治療の進歩により、以前よりはるかに良い見通しとなっています。生涯にわたる心臓のケアと定期的なフォローアップが必要ですが、多くの人が充実した生活を送っています。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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