性交痛(ディスパレウニア)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
性交痛(ディスパレウニア)とは、性行為のときやその後に痛みを感じる状態のことです。痛みは、入り口付近で感じることもあれば、体の奥の方で感じることもあります。痛みは一時的なものから続くものまでさまざまで、原因は体の問題と心の問題の両方が関わることがあります。
重要な事実
- 性交痛はよくある症状で、多くの女性が人生のどこかの時期に経験します。
- 原因はさまざまで、乾燥や感染症、筋肉の問題、心のストレスなどが関係します。
- 適切な診察を受ければ、多くの場合、症状は改善します。
はい。性交痛はとてもよくある症状です。女性の約3人に1人が人生のある時期に経験するともいわれます。
性交痛は女性に多くみられますが、男性にも起こることがあります。どの年代でも起こりえますが、閉経後の女性や出産後の女性に多い傾向があります。
症状
- 突然の強い痛みのために、立っていられない、動けない
- 性行為中に激しい痛みとともに出血(大量の出血、鮮やかな赤い血)がある
- めまいや失神を伴う痛み
- 性的暴行(無理やり性行為をされた)を受けた場合
- ⚠痛みに加えて発熱や悪寒がある
- ⚠悪臭のあるおりものや、いつもと違う色のおりものがある
- ⚠痛みが数日続く、またはどんどん強くなる
- ⚠排尿時や排便時にも強い痛みがある
一般的な症状
- 性行為のとき、入り口付近に痛みやヒリヒリ感がある
- 性行為のとき、体の奥の方に押されるような痛みがある
- 性行為のあともズキズキする痛みが続く
- 焼けるような感覚や、切られるような痛みがある
- 痛みが心配で性行為を避けたくなる
子供の症状
- 性交痛は主に成人のテーマです。子どもが性器の痛みを訴える場合は、けがや感染症、虐待などの可能性もあるため、すぐに小児科やかかりつけ医に相談してください。
高齢者の症状
- 閉経後の女性では、女性ホルモンの減少による膣の乾燥や粘膜の薄さが痛みの原因になることがあります。
- 更年期以降は、痛みを感じやすい体の変化に加えて、持病や薬の影響も関係することがあります。
原因
主な原因
- 膣の乾燥(女性ホルモンの低下、授乳、更年期など)
- 感染症(膣炎、性感染症、尿路感染症など)
- 子宮内膜症や骨盤内炎症性疾患などの骨盤内の病気
- 腟の筋肉が緊張する状態(腟けいれん)
- 皮膚の病気やアレルギー反応(石けん、ラテックスなど)
- 心配や不安、ストレス、過去のつらい経験
リスク要因
- 閉経後または授乳中の女性
- 出産や会陰切開の経験
- 間欠性膀胱炎や子宮内膜症などの持病
- がん治療(放射線治療や抗がん剤治療)の経験
- うつ病や不安障害など心の健康の問題
- パートナーとの関係のストレス
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の救急対応が必要な症状がある場合は、ためらわずに119番に電話してください。
- 発熱や悪臭、強い痛みが続く場合は、当日中に医療機関に連絡しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 性交痛がつらい、続く、または日常生活に影響している場合は、我慢せずに婦人科やかかりつけ医に相談してください。
- 性感染症の心配がある場合も、早めに検査を受けましょう。
診断
医師はまず、あなたの症状や経過について詳しく話を聞き、必要に応じて内診(腟の中を診る検査)を行います。心配なことや不安なことは、遠慮なく伝えてください。
行われる可能性のある検査
- 問診(痛みの場所、時期、きっかけ、生活の状況など)
- 内診(骨盤やおりものの状態を確認)
- おりものの検査(感染症の有無)
- 超音波検査(腹部または腟の中に器具を入れて行う画像検査)
診察で予想されること
診察はあなたのペースで行われます。途中で止めたいときは伝えてください。検査の内容はすべて説明されますので、不安な点はその場で質問しましょう。痛みの原因を探るために、心の面についても質問されることがありますが、それも診断の一部です。
治療
治療は原因によって異なります。多くは、体の原因に対する治療と、心のケア・カウンセリングの両方が役立ちます。あなたに合った治療を医師と一緒に選んでいきましょう。
自宅でのセルフケア
- 水溶性の潤滑ゼリー(ローション)を使って、挿入時の摩擦をやわらげる
- リラックスできる環境と十分な前戯を心がける
- 温かいお風呂で体を温めてから性行為をする
- パートナーと痛みについて率直に話し合い、無理をしない
- 痛みが強いときは、性行為以外の親しみ方を探してみる
医療治療
治療は、原因に合わせて行われます。感染症があれば抗菌薬(抗生物質)や抗真菌薬を使用します。閉経後の乾燥には、女性ホルモン補充療法(ホルモンクリームや錠剤)を検討することができます。腟の筋肉が緊張している場合には、骨盤底筋のトレーニングや専門の理学療法、バイオフィードバック法などが用いられます。心の要因が大きい場合には、心理カウンセリングや認知行動療法が助けになることがあります。薬や治療法の選択は、必ず医師と相談して決めましょう。
手術が検討される場合
手術が必要になることはまれです。ただし、子宮内膜症や子宮筋腫など、手術で改善する可能性のある病気が原因の場合には、専門医と相談して手術を検討することもあります。
この病気と共に生きる
性交痛があると、パートナーとの関係に悩むこともあるかもしれません。ただし、あなたは一人ではありません。日常の中で、自分の体に優しく接し、痛みを悪化させる行動を避けることで、症状がやわらぐことがあります。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい睡眠と十分な休息をとる
- ストレスをためすぎない(深呼吸、瞑想、好きな趣味など)
- アルコールやカフェインをとりすぎない
- 必要なときには潤滑剤を活用する
- 性行為を義務にせず、自分が快適だと感じる範囲で行う
食事と運動
バランスのよい食事と適度な運動は、血流を良くし、ストレスを減らすのに役立ちます。骨盤底筋を鍛える運動(ケーゲル体操など)が、痛みの改善に役立つことがあります。ただし、無理のない範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
性交痛は気分や自信に影響を与えることがあります。不安や憂うつ感、自己否定感を感じることもあるかもしれません。そのような感情は自然なことです。必要であれば、心の専門家に相談することも治療の一部です。
予防
すべての性交痛を予防することはできませんが、リスクを減らすことはできます。性感染症の予防(コンドームの使用)や、乾燥を感じたら潤滑ゼリーを使うこと、パートナーとの良いコミュニケーションが役立ちます。また、定期的な婦人科検診も大切です。
ワクチン
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)は、性感染症や将来の子宮頸がんのリスクを減らすために勧められることがあります。性交痛そのものの予防には直接関係しませんが、女性の健康全般のために検討する価値があります。詳しくは医師に相談しましょう。
検診プログラム
定期検診(子宮頸がん検診、性感染症検査など)は、症状がない場合でも受けることが推奨されます。異常を早期に見つけることで、痛みや病気の悪化を防ぐことができます。
合併症
治療しない場合
- 性行為を避けるようになり、パートナーとの関係にぎこちなさが生じる
- 痛み自体が心の不安を強め、症状を悪化させることがある
- 原因となっている感染症や炎症が放っておかれて進行する
- うつ状態や不安障害につながることがある
長期的な見通し
性交痛は、適切な診断と治療を受ければ、多くの場合でかなり改善します。原因が何であれ、あなたは治療を受ける価値があります。一人で悩まず、医療機関のサポートを受けながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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