部分胞状奇胎(ぶぶんほうじょうきたい)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
部分胞状奇胎は、妊娠の初期に胎盤が異常に発育してしまう状態です。正常な妊娠とは異なり、赤ちゃんが育ちません。子宮の中に「ぶどうの房」のような異常な組織ができます。
重要な事実
- 通常の妊娠ではなく、胎盤に異常が起こった状態です。
- 赤ちゃん(胎児)は育たず、多くの場合は妊娠初期に胎児が失われます。
- 子宮から異常な組織を取り除く治療が必要で、その後も定期的な経過観察が行われます。
まれな病気です。妊娠の約1,000回に1回程度と言われています。
妊娠可能な年齢の女性なら誰にでも起こる可能性がありますが、特に20代から30代の女性に多く見られます。なお、高齢での妊娠ではリスクが上がるという報告もあります。
症状
- 激しい腹痛
- 大量の出血(1時間に生理用ナプキンが1枚以上濡れる程度)
- ふらつきや意識が遠くなる
- このような症状があれば、ためらわずに119番で救急車を呼んでください。
- ⚠妊娠中の出血が続く
- ⚠高血圧やひどい頭痛、目のちらつきがある
- ⚠おなかが張って痛みがある
一般的な症状
- 妊娠初期の出血(おりものに血が混じる)
- つわりが普段よりひどい
- おなか(子宮)が通常の妊娠より大きく感じる
- 高血圧やむくみ
- 貧血(めまいやだるさ)
子供の症状
- この病気は妊娠中に起こるため、子どもには当てはまりません。
高齢者の症状
- この病気は妊娠可能な年齢の女性に起こるため、高齢者には当てはまりません。
原因
主な原因
- 染色体(遺伝情報)の異常が原因です。通常、1つの卵子に2つの精子が受精することで起こります。
- その結果、胎盤が正常に発育せず、異常な組織が増えます。
リスク要因
- 35歳以上での妊娠
- 過去に胞状奇胎(部分胞状奇胎を含む)になったことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 妊娠中に出血がある
- 激しいおなかの痛みがある
- 強い頭痛や目の異常がある
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠が確認されたら、早めに産婦人科で診察を受けましょう。
- 妊娠中のどの時点でも、出血や異常な症状があれば医師に相談してください。
診断
妊娠中のエコー(超音波検査)で子宮の中の様子を調べます。部分胞状奇胎では、胎盤に特徴的な「雪の吹きだまり」のような像が見られることがあります。また、血液中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの値が異常に高くなります。
行われる可能性のある検査
- 超音波検査(エコー)
- 血液検査(hCG値の測定)
- 場合によっては、組織検査(病理検査)
診察で予想されること
診断が確定したら、医師から今後の治療と経過観察の計画について説明があります。まずは子宮内の異常な組織を取り除く処置が行われ、その後のhCG値の経過を追って確認します。
治療
治療の基本は、子宮の中にできた異常な組織を取り除くことです。その後、組織が残っていないかを確認するため、hCGの値が正常に戻るまで定期的に経過観察を行います。
自宅でのセルフケア
- 治療後は、出血や腹痛などの症状が続くかどうか、自分の体の変化に注意を払いましょう。
- かかりつけ医の指示に従い、定期的な検査を欠かさず受けましょう。
- 避妊や次の妊娠についての計画は、担当医と十分に話し合ってください。
医療治療
子宮内の異常な組織は、通常、子宮内容除去術という処置で取り除きます。この処置は、子宮の入り口を広げて、内容物をかき出す方法です。まれに、組織が子宮の筋肉の奥まで入り込んでいる場合や、体の他の部分に広がっている場合(転移)には、抗がん剤を使う治療が検討されることがあります。治療の具体的な内容は、担当医があなたの状態に合わせて説明します。
手術が検討される場合
ほとんどの場合、子宮内容除去術(手術)が最初の治療となります。将来の妊娠を希望する場合でも、子宮を温存する形で行われるのが一般的です。年齢や病状によっては、原則として妊娠の可能性を考慮しない場合も、子宮を摘出する手術が選択されることはまれにありますが、医師とよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
治療後は、hCGの値が正常に戻るまで、約6ヶ月から1年程度の経過観察が必要です。この間は、妊娠を避けるために避妊が必要です。医師の指示に従って、定期的に通院しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 経過観察中は、規則正しい生活を心がけましょう。
- 無理な運動は避け、体を休めることも大切です。
- 次の妊娠までの期間は、医師の指示を守って避妊してください。
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、鉄分や葉酸を含むバランスの良い食事を心がけると良いでしょう。運動は医師に相談してから始めてください。
精神的健康と心の健康
妊娠の喪失や治療によって、悲しみや不安を感じるのは自然なことです。自分を責めず、パートナーや家族に気持ちを話すことも大切です。つらい気持ちがある場合は、専門のカウンセラーやサポートグループに相談する方法もあります。
予防
部分胞状奇胎は、染色体の異常が原因で起こるため、防ぐことはできません。しかし、妊娠中の定期的な検診を受けることで、早期に発見し、適切な治療を受けることができます。
合併症
治療しない場合
- 異常な組織が子宮の中に残り続けると、大量出血のリスクがあります。
- まれに、異常な細胞が子宮の筋肉や他の臓器に広がる「絨毛がん」になる可能性があります。
長期的な見通し
適切な治療と経過観察を行えば、多くの場合は完治します。また、治療後も健康な妊娠が可能なことがほとんどです。医師の指示に従って、きちんとフォローアップを受けることが大切です。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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