時差ぼけ(ジェットラグ)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
時差ぼけ(ジェットラグ)は、短い期間にいくつかのタイムゾーンをまたいで移動するときに、体が新しい現地時間にまだ慣れていないために起こる一時的な睡眠のずれです。
重要な事実
- 飛行機で複数のタイムゾーンをこえると、体内時計が新しい時間に追いつくまでに時間がかかります。
- 時差ぼけの症状は一時的で、通常は数日で体が新しい時間に慣れて自然に治ります。
- 光をあびる時間や寝る・起きる時間を工夫することで、時差ぼけのつらさをやわらげることができます。
時差ぼけは、飛行機で複数のタイムゾーンにまたがって移動する人なら誰にでも起こりうる、とてもよくある現象です。
国内外を問わず、飛行機で時差のある場所へ移動する人に起こります。特に頻繁に海外旅行をする人や、ビジネスで長時間のフライトをする人に多く見られます。
症状
- ※時差ぼけそのもので緊急になることはほとんどありません。ただし、旅行中に突然の胸の痛みや強い息苦しさがある場合は、ためらわずに119番に電話してください。
- ⚠旅行後に足の片側がはれている、痛む(長時間のフライト後の血栓の可能性)
- ⚠高熱や意識の混乱がある
- ⚠激しい頭痛やおう吐が続く
- ⚠血が混じった便や黒っぽい便が出る
一般的な症状
- 日中に強いねむけを感じる
- 夜なかなか眠れない
- 早朝に目がさえてしまう
- 体がだるい、疲れやすい
- 集中力が続かない
- 頭がぼんやりする
- 食欲がない、胃の調子が悪い
- 気分が落ち込む、イライラする
子供の症状
- ふだんよりぐずる、機嫌が悪い
- いつもと違う時間にねむくなる
- 食欲の変化がある
- 夜中に何度も目をさます
高齢者の症状
- 新しい時間のリズムに慣れるまでに時間がかかることがある
- 夜眠れず、昼間のねむけが強く出ることがある
- ふだんより混乱しやすく感じることがある
- 体調がくずれやすいと感じることがある
原因
主な原因
- 体の体内時計(サーカディアンリズム)が新しい現地時間にまだ追いついていないため
- 飛行機で長時間の移動をして、光や食事の時間が急に変わったため
- 移動中の睡眠不足や脱水、機内での食事のタイミングが影響するため
リスク要因
- またいだタイムゾーンの数が多い(特に3つ以上)
- 東向きに旅行する(体の時間が進む方向)
- 加齢により体内時計の調節がにぶくなっている
- 頻繁な長距離旅行をしている
- 旅行中の睡眠不足や飲酒、カフェインのとりすぎ
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 旅行後に足の痛みやはれがある(血栓の可能性)
- 高熱や意識の混乱がある
- 激しい頭痛やおう吐が続く
定期受診を予約すべき場合:
- 帰宅後も眠れない状態が1〜2週間以上続く
- 時差ぼけの症状が強く、日常生活に支障がある
- 旅行の前に睡眠の相談をしたい
診断
時差ぼけは、特別な検査は必要ありません。医師が、最近の旅行のスケジュールと睡眠の状態を聞いて、他の病気がないかを確認したうえで判断します。
行われる可能性のある検査
- 特別な検査は通常不要です
- 症状によっては血液検査や画像検査を行うこともありますが、それは別の病気を除外するためです
診察で予想されること
診察では、旅行の行き先、期間、睡眠や食事の様子を聞かれます。場合によっては睡眠記録を聞かれることもあります。一般的な時差ぼけであれば、生活の工夫や対処法のアドバイスを受けられます。
治療
時差ぼけの基本的な治療は、体が新しい時間のリズムになじむのを助けることです。特別な治療薬は必要ないことがほとんどで、時間とともによくなります。
自宅でのセルフケア
- 1日目から現地時間に合わせて朝の光をしっかりあびる
- 現地の時間に合わせて、早めに寝る、朝は起きるようにする
- 十分に水分をとる(ただし寝る直前の大量の水分は避ける)
- カフェインやアルコールのとりすぎを控える
- 軽い運動やストレッチをとり入れて、日中は体を動かす
- ねむれなくても、布団の中で長く過ごしすぎない
医療治療
医学的には、程度の強い時差ぼけには、短期的に睡眠リズムを整えるための薬が処方されることがありますが、これらは必ず医師の指示のもとで使うもので、自分で市販薬を選んだり、他人の薬を使ったりしてはいけません。具体的な治療については、かかりつけ医や旅行前の相談外来で必ず確認してください。
この病気と共に生きる
時差ぼけの間は、無理に一度で調整しようとせず、現地の生活リズムに少しずつ合わせていくのがコツです。日中は太陽の光を浴び、食事や運動も現地時間でとるようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 移動中は時計を見ずに、現地時間のイメージで過ごす
- 到着したら、まず朝日を浴びて体内時計をリセットする
- 日中は短い仮眠(15〜20分)だけにして、夜の睡眠を大切にする
- 規則正しい食事と睡眠時間を心がける
食事と運動
暴飲暴食は避け、バランスのよい食事をこまめにとりましょう。また、日中に軽いウォーキングやストレッチなどの運動をすると、夜の眠りが深くなりやすくなります。
精神的健康と心の健康
時差ぼけで眠れない日が続くと、気分の落ち込みやイライラ、集中力の低下を感じることがあります。それは体のリズムのずれが原因なので、あまり自分を責めないでください。それでも強い不安や落ち込みが続くときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域の保健所に相談しましょう。
予防
完全に防ぐのは難しいですが、移動前から食事や睡眠時間を少しずつ目的地に合わせる、到着後は早めに光を浴びるなどの工夫で、症状をやわらげることができます。
合併症
治療しない場合
- 長距離移動後の血栓症(エコノミークラス症候群)を見落としてしまう可能性がある
- 睡眠不足が続き、免疫力が低下しやすくなる
- 仕事や旅行の予定に集中できず、普段の判断力や作業効率が落ちる
- 認知機能の低下に似たぼんやり感が長引く
長期的な見通し
時差ぼけそのものは、通常は数日〜数週間で自然に改善する、心配いらない一時的な状態です。体が新しい時間に慣れると、ほとんどの人は元の調子を取り戻せます。焦らず、自分のペースで体をならしていけば大丈夫です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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