狂犬病(きょうけんびょう)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
狂犬病は、動物にかまれたりひっかかれたりすることでうつるウイルス感染症です。このウイルスは脳に炎症を起こし、症状が出てからはほとんど回復が難しい、とても危険な病気です。しかし、動物にかまれたあとにすぐ適切な処置と予防接種を受ければ、発症を防ぐことができます。
重要な事実
- 狂犬病は、感染した動物の唾液(だえき)を介してうつります。
- 症状が出る前の予防接種が非常に有効です。
- かまれたあと、すぐに傷口を洗って医療機関を受診することが大切です。
日本国内ではきわめてまれな病気です。日本では狂犬病の動物がほとんどいませんが、海外では犬などから感染する例が今もあります。
世界中で、感染した犬や野生動物にかまれた人がかかる病気です。ワクチンがない地域に旅行する人や、動物とよく触れ合う仕事をしている人などが注意を特に必要とします。
症状
- 水を飲む・飲み込むことが怖くてできない、のどがけいれんする
- 意識が混乱して落ち着かない・幻覚が見える
- 体の一部がまひして動かしにくい
- 呼吸が苦しそう
- ⚠動物にかまれた・ひっかかれた傷がある(特に野犬や野生動物)
- ⚠動物の唾液が口や鼻、目の裏などに付着した
- ⚠動物にかまれたあとに、熱・頭痛・だるさが続く
一般的な症状
- かまれてから数週間から数か月の間に、熱が出る・頭痛・だるさ・不安な気持ちなどが現れます。
- その後、のどがけいれんして水を飲みにくくなる「恐水症(きょうすいしょう)」と呼ばれる症状が出ることがあります。
- よだれが多くなる、筋肉がけいれんする、混乱する、などの症状が進みます。
子供の症状
- 症状は大人と大きくは変わりませんが、子どもは動物にかまれたことをはっきり言えない場合があります。
- 動物と遊んだあとに、原因不明の熱やぐずり、水を怖がる様子などがあれば注意が必要です。
高齢者の症状
- 年齢を重ねると免疫の力が弱くなっていることがあるため、感染した場合に症状が重くなりやすい可能性があります。
- 持病がある方は、感染後の経過が複雑になることもあります。早期の受診が特に重要です。
原因
主な原因
- 狂犬病ウイルスを持つ動物に、かまれたりひっかかれたりして、唾液からウイルスが体内に入ることが原因です。
- おもに犬、コウモリ、キツネ、アライグマなどが感染源となります。
リスク要因
- 狂犬病が多く発生している国や地域への旅行
- 屋外や旅先で野良犬・野生動物に近づくこと
- 動物病院、野生動物の保護、獣医師などの仕事で動物とよく触れること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 動物にかまれたりひっかかれたりした場合、傷が浅くてもすぐに医療機関を受診してください。
- 動物の唾液が傷口や粘膜(口・鼻・目など)に触れた場合も受診が必要です。
- かまれたあとに発熱や頭痛、水を怖がるなどの症状が現れたら、急いで受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 狂犬病が多い国への旅行を計画している場合、出発前に予防接種についてかかりつけ医や旅行外来に相談するとよいでしょう。
診断
医師は、動物にかまれた状況や症状の経過を詳しく聞いたうえで、診断します。症状が現れたあとの検査は難しいため、曝露の可能性が重要になります。
行われる可能性のある検査
- かんだ動物が捕まえられた場合は、動物の脳を調べて狂犬病かどうか確認することがあります。
- 症状がある場合は、唾液、皮膚の生検、脊髄液などの検査が行われることがあります。
診察で予想されること
診察では、かまれた傷の状態を確認し、いつどこでどの動物にかまれたかを伝えます。検査結果の確認や経過観察のために、入院が必要になる場合もあります。
治療
症状が始まる前の「予防」がもっとも大切です。動物にかまれたあとに行う一連の処置を「曝露後予防」といいます。これを行うことで、ほとんどの場合で狂犬病の発症を防げます。
自宅でのセルフケア
- 動物にかまれたら、まず石けんと水で傷口を15分ほどしっかり洗い流してください。
- 洗ったあとは消毒し、清潔なガーゼで覆って、すぐに医療機関を受診してください。
医療治療
曝露後予防として、医療機関で狂犬病ワクチンの接種が行われます。必要に応じて、免疫グロブリンという抗体を傷口に注射することもあります。治療内容は医師が状況に応じて判断します。
この病気と共に生きる
一度感染した後に発症してしまった場合、現在の医学では根治が難しく、集中治療による全身管理が中心になります。一方、予防接種を受けたあとは、必ず決められた回数をすべて受けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 海外では野良犬や野生動物に近づいたり餌を与えたりしない。
- 動物にかまれたら、傷口を洗ってすぐに受診する。
- 旅行前に予防接種を検討する。
食事と運動
特別な食事や運動の制限はありません。健康を保つために、バランスのよい食事と十分な休息を心がけてください。
精神的健康と心の健康
動物にかまれた後、感染が心配で不安になることは自然なことです。不安が続く場合は、家族や友人に話したり、医療者に相談したりすると良いでしょう。
予防
はい、狂犬病はワクチンと回避行動で予防できる病気です。動物にかまれないことが基本で、もしかまれたらすぐに処置を受けることが大切です。
ワクチン
ワクチンには、感染後に接種する「曝露後予防」と、感染する前にあらかじめ受けておく「曝露前予防」があります。旅行や職業でリスクがある方は、医師に相談して接種を検討してください。
合併症
治療しない場合
- 症状が現れてから治療をしないと、ほぼ確実に死に至ります。
- 神経症状が進むと、まひ、意識障害、呼吸困難、昏睡などが起こります。
長期的な見通し
怖い病気ですが、動物にかまれた直後に適切な処置と予防接種を受ければ、ほぼ完全に防ぐことができます。日本では狂犬病はまれで、予防が大きな力を持っています。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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