筋ジストロフィーとは?症状・治療・日常生活のポイント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
筋ジストロフィーは、主に筋肉に必要なタンパク質がうまく作られず、筋肉が徐々に弱っていく遺伝性の病気のグループです。一度傷んだ筋肉は元に戻りにくく、力が落ちたり、動かしにくくなったりします。ただし、進行の速さや症状の現れ方は、タイプによって大きく異なります。
重要な事実
- 遺伝子の変化が原因で起こり、周りの人にうつる病気ではありません。
- 筋肉が徐々に消耗して、筋力の低下や動作の困難が現れます。
- いくつかのタイプがあり、症状が始まる年齢や進行の速さは人それぞれです。
- 現在は根本的に治す方法はまだありませんが、治療やリハビリで症状を和らげながら生活することができます。
まれな病気です。日本では厚生労働省の「指定難病」に含まれており、多くの患者さんが医療費の助成を受けながら治療を受けています。
どの年齢でも発症する可能性があります。多くのタイプは遺伝しますが、家族にいなくても突然遺伝子の変化が起こることがあります。男性に多いタイプや、小児期に始まるタイプ、成人期に始まるタイプなど、さまざまです。
症状
- 急に呼吸が苦しくなったり、息ができない場合は、すぐに119番に電話してください。
- 強い胸の痛みがある場合は、すぐに119番に電話してください。
- 意識がもうろうとしたり、呼びかけに反応しない場合は、すぐに119番に電話してください。
- 手足が突然動かせなくなった場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠呼吸がいつもより苦しい、浅い
- ⚠食べ物や飲み物が飲み込みにくい、むせやすい
- ⚠高熱(38度以上)が出る
- ⚠急に体の動きが悪くなった
一般的な症状
- 歩きにくい
- 転びやすい
- 階段を上るのがつらくなる
- 立ち上がるときに手を使わないと上がれない
- 手足に力が入りにくい
- 筋肉がやせて見える
子供の症状
- 歩き始めが平均より遅い
- よく転ぶ
- つま先立ちで歩く
- 階段を登るのが難しい
- 走るのが苦手
- おもちゃなどを持ち上げる力が弱い
高齢者の症状
- 足や腕の力が落ちて、物を持ったり歩いたりするのが難しくなる
- 階段の上り下りがつらくなる
- ふくらはぎや腕の筋肉が細くなったり、逆に大きくなったりする変化がある
- 呼吸が少し苦しい、飲み込みにくいなどの症状が現れることもある
原因
主な原因
- 遺伝子の変化により、筋肉を正常に保つために必要なタンパク質が作られないことが原因です。
- 多くは出生時に遺伝子の変化を持っており、後から感染などで起こる病気ではありません。
リスク要因
- 家族の中に筋ジストロフィーの患者さんがいる場合、遺伝子を受け継ぐことがあります。
- ただし、家族に誰もいない場合でも、新しい遺伝子の変化によって発症することがあります。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しい、息切れが強くなった
- 水や食べ物がうまく飲み込めない
- 突然、強い筋肉痛やこわばりがある
- 発熱やせきなど感染症の症状があって、あまりに体調が悪い
定期受診を予約すべき場合:
- 筋力の低下を感じる、転びやすくなった
- 階段を上るのが以前より難しい
- 筋肉がやせる、または特定の部位の筋肉が大きくなった感じがする
- 日常の動作に支障が出てきた
診断
まずは、かかりつけ医や小児科医に相談します。診察や問診ののち、必要に応じて専門の医療機関(神経内科や小児科など)を紹介されます。診断は、筋力テストや血液検査、遺伝子検査などに基づいて行われます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(筋肉から出る酵素の値を調べる)
- 筋電図検査(電気を使って筋肉や神経の反応を調べる)
- 遺伝子検査(血液などから遺伝子の変化を見つける)
- 筋生検(筋肉の一部を採取して顕微鏡で調べる)
診察で予想されること
診断がつくまでに数週間から数か月かかることがあります。検査の内容や結果について、医師がやさしく説明します。もし診断が確定した場合は、治療や生活の工夫について専門の医師や看護師、理学療法士などが一緒に考えてくれます。
治療
現在のところ、筋肉の異常そのものを取り除く治療法はありませんが、症状を和らげ、進行を遅らせるための治療やサポートがあります。リハビリテーション、薬物療法、呼吸を助ける機器の使用など、症状に合わせて組み合わせていきます。
自宅でのセルフケア
- リハビリテーションを日常的に続ける
- 過度な運動や長時間の安静を避け、無理のない範囲で体を動かす
- 十分な睡眠と休養をとる
- 手洗い・うがいなどの感染予防を心がける
- 必要に応じて杖や車いすなどの福祉用具を利用する
医療治療
筋肉の炎症を抑え、筋力を保つためにお薬を使うことがあります。また、心臓や呼吸の働きを助けるお薬、骨を丈夫にするお薬など、症状や合併症に合わせて治療が行われます。お薬の種類や使い方は医師が一人ひとりの状態を見て決めます。
手術が検討される場合
背骨が大きく曲がる(脊柱側弯症)場合や、関節が動かしにくくなる場合、腱を延ばす手術、関節の矯正、背骨を固定する手術が検討されることがあります。いずれも、呼吸や姿勢、生活のしやすさを改善するために行われます。
この病気と共に生きる
筋肉の弱り方に合わせて、住まいの中で過ごしやすい環境を整えることが大切です。手すりの設置、段差の解消、ベッドや車いすの導入、入浴やトイレの介助方法など、使いやすい道具やサービスの相談をしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 定期的に理学療法士の指導を受ける
- 趣味や人とのつながりを大切にする
- できることを無理なく続ける
- 呼吸のトレーニングや姿勢のケアをする
- 医療や福祉の情報を集め、必要なときに利用する
食事と運動
筋肉の材料となるたんぱく質を十分に含む、バランスのよい食事が基本です。肥満ややせすぎは筋肉や呼吸に負担をかけるため、管理栄養士の指導を受けることもできます。運動は、無理をせず、かといって動かさない日を作らないように、専門家の助言を受けながら行いましょう。
精神的健康と心の健康
将来の不安や、周りとの違いを感じて気分が落ち込むことがあるかもしれません。一人で抱え込まず、医師や看護師、カウンセラーに話すことで、気持ちが楽になることがあります。家族や友人も、話を聞くだけで大きな支えになります。
予防
遺伝子が原因の病気のため、発症を完全に予防する方法はありません。ただし、早期に診断し、適切な治療やリハビリを受けることで、症状の進行をゆるやかにすることができます。
ワクチン
感染症にかかると筋肉や呼吸の状態が悪くなることがあるため、インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種は、医師に相談したうえで受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 呼吸筋が弱まり、呼吸不全になることがある
- 心臓の筋肉も弱まって心不全を起こすことがある
- 飲み込みにくく、食べ物が肺に入って誤嚥性肺炎を起こすことがある
- 関節や背骨が固くなり、動きが悪くなることがある
長期的な見通し
医学やリハビリテーションは進歩していて、以前に比べて、より長く自分らしい生活を続けられるようになっています。診断後も、医療者と相談しながら無理のない計画を立てれば、安心して毎日を過ごせます。希望を持って、一歩ずつ進んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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