子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
子宮腺筋症は、子宮の内側を覆う「子宮内膜」という組織が、子宮の筋肉の壁の中に入り込んでしまう病気です。この組織は月経のたびに出血するため、子宮が腫れたり、月経痛が重くなったり、月経の量が増えたりします。
重要な事実
- 子宮腺筋症は良性の病気で、がんではありません。
- 月経痛や月経量の多さなどの症状は、治療によって軽くすることができます。
- 閉経後は、症状が自然と落ち着くことが多いです。
子宮腺筋症は、女性によく見られる病気のひとつです。日本でも、産婦人科を受診する理由のひとつになっています。
主に30代から50代の女性に見られます。特に出産経験のある女性や、40代以降の女性に多いとされています。
症状
- 1時間に1枚以上のナプキンを交換しなければならないほどの大量の出血
- がまんできないほどの激しい腹痛で、立っていられない
- めまいや息切れ、顔色が青ざめるなどの症状を伴う出血
- 上記のいずれかの症状がある場合は、ためらわずに119番に電話してください。
- ⚠いつもよりはるかに多い量の出血や、強い月経痛があった
- ⚠出血が10日以上続く
- ⚠発熱や下腹部の強い張りがある
一般的な症状
- 月経痛がひどくなる、または月経が始まる数日前から痛む
- 月経の量が多くなり、血のかたまりが出る
- 月経の期間が長くなる(7日以上)
- 月経以外の時期にも、下腹部や腰に痛みがある
- 性交時に痛みを感じる
- 吐き気や下痢を伴うことがある
子供の症状
- この病気は、思春期前の子どもにはほとんど見られません。
高齢者の症状
- 閉経後は女性ホルモンの影響がなくなるため、症状が軽くなることが多いです。
- 閉経後も出血や痛みが続く場合は、ほかの病気の可能性も考えられるため、医師の診察が必要です。
原因
主な原因
- はっきりとした原因はまだわかっていません。
- 子宮内膜が子宮の筋肉壁に入り込んでしまうことが、直接のきっかけと考えられています。
- 女性ホルモン(エストロゲン)が関係し、月経周期に合わせて症状が変化します。
リスク要因
- 30代から40代の年齢
- 出産経験がある
- 以前に子宮の手術(帝王切開や子宮筋腫の手術など)を受けたことがある
- 長年、月経痛や月経量の多さがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然、激しい下腹部痛が起こった
- 月経の量が急に増えて、貧血のような症状(ふらつき、動悸)がある
- 痛みに加えて発熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 月経痛や月経の量が原因で、仕事や学校、日常生活に支障が出ている
- 月経以外のときに骨盤のあたりに痛みがある
- 妊娠を希望しているが、なかなか子どもができない
- 健康診断で子宮の大きさに異常を指摘された
診断
子宮腺筋症の診断は、産婦人科での問診と内診から始まります。その後、おなかの上から超音波で子宮の様子を調べる検査などを行い、確認します。
行われる可能性のある検査
- 内診(医師が指や器具で子宮や卵巣の状態を確かめる検査)
- 超音波検査(エコー検査。おなかの上から、または膣の中から子宮の画像を映す)
- MRI検査(体の断面を詳しく撮影する検査)
- 血液検査(貧血や炎症がないかを調べる)
診察で予想されること
検査を受けるときは、診察をしてもらう産婦人科で説明があります。痛みを伴うこともありますが、多くの場合その場で終わります。診断結果や治療の選択肢について、医師がていねいに説明してくれるでしょう。
治療
子宮腺筋症の治療は、症状の重さ、年齢、妊娠を今後希望するかどうかによって変わります。まずは我慢せずに、医師に自分のつらい症状を伝えることが第一歩です。
自宅でのセルフケア
- 下腹部を温かいタオルやカイロで温めて、血流を良くする
- 痛みが強い日は、無理をせず安静にする
- 睡眠をしっかりとり、ストレスをため込まない
- 市販の痛み止めを使う場合は、医師や薬剤師に相談したうえで、用法・用量を守る
医療治療
薬を使う治療には、痛みを和らげる鎮痛薬や、女性ホルモンのバランスを整えて月経の量や痛みを抑えるホルモン治療などがあります。また、子宮の中に器具を入れて治療する方法もあります。症状や患者さんの希望に合わせて、医師が選択肢を説明してくれるので、一緒に決めていきましょう。
手術が検討される場合
ほかの治療で症状が改善しない場合や、子宮の摘出を選択する場合には手術が検討されます。年齢や妊娠の希望、セカンドオピニオンなども含めて、納得いくまで医師と相談することが大切です。
この病気と共に生きる
月経周期に合わせて予定を調整し、痛みが強くなりそうな日は無理をしないように工夫しましょう。自分に合った痛みのケア方法を見つけることで、日常生活の過ごしやすさが大きく変わります。
生活習慣のアドバイス
- 痛みのある日は、水分をしっかりとり、温かい飲み物を飲む
- カフェインやアルコールは控えめにする
- 喫煙は血流を悪くするため、禁煙を心がける
- 骨盤の血流を良くする軽い運動(ウォーキングやストレッチ)を取り入れる
食事と運動
月経の量が多いと貧血になりやすいため、鉄分を含む食べ物(赤身の魚、牛肉、レバー、ほうれん草、ひじきなど)を意識してとりましょう。バランスの良い食事と軽い運動で、全身の血行を良くすることも症状の緩和に役立ちます。ただし、痛みが強いときは無理をしないでください。
精神的健康と心の健康
慢性的な痛みや出血が多いことは、気分の落ち込みや不安をもたらすことがあります。つらい気持ちは一人で抱え込まず、家族や友人、かかりつけ医に話してみましょう。もし、自分を傷つけたいという気持ちが強くなったときは、一人で悩まず、すぐに信頼できる人や地域の精神保健福祉センターに相談してください。
予防
残念ながら、子宮腺筋症をはっきりと予防する方法はまだわかっていません。しかし、定期的に産婦人科を受診し、症状を早めに相談することで、重症化を防ぎ、快適に過ごしやすくなります。
ワクチン
子宮腺筋症を予防するためのワクチンはありません。
検診プログラム
子宮腺筋症だけを調べる特別ながん検診のようなものはありませんが、子宮がん検診や健康診断で子宮の異常を指摘されることもあります。日頃から気になる症状があれば、検診を待たずに産婦人科へ相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 長期間の強い痛みや大量の出血のために、日常生活や仕事・学業に支障をきたすことがあります。
- 重度の貧血が続くと、疲れやすさや息切れなど、体調不良が続くことがあります。
- 子宮腺筋症は不妊の原因になることがあり、また妊娠した場合には、流産や早産のリスクを高める可能性があります。
長期的な見通し
子宮腺筋症は良性の病気で、適切な治療を受けることで多くの症状がやわらぎます。閉経が近い方では、閉経後に症状が軽くなることも少なくありません。診断を受けたら、自分の体調や人生設計に合わせて、医師と一緒に治療方針を決めていけば、安心して向き合うことができます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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