ハンチントン病:症状、経過、サポートについて
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ハンチントン病(ハンチントン舞踏病とも呼ばれます)は、脳の神経細胞が徐々に壊れていく遺伝性の病気です。そのために、体の動き、考え方、気持ちの感じ方などに症状があらわれます。ゆっくり進む病気で、かかるのは主に大人になってからです。
重要な事実
- 親から子へ遺伝子で伝わる病気です
- 体の動きや精神面の症状がゆっくりと進みます
- 根本的に治す治療法はまだありませんが、症状をやわらげ、生活の質を保つための支援はあります
まれな病気です。日本では10万人に数人程度と考えられています。
多くの場合、30代から50代で発症しますが、まれに子供や高齢者で発症することもあります。男女に違いはありません。
症状
- 自分を傷つけてしまう、または死にたいと強く思ってしまう
- 息ができない、または窒息しそうになる
- 急に意識を失う、またはてんかんの発作が止まらない
- ⚠急に強い混乱が起き、自分で判断できなくなった
- ⚠飲み込みが急に難しくなり、食事や水分がとれない
- ⚠ひどい抑うつ状態になり、周囲の助けでは対応できなくなった
一般的な症状
- 手足や顔が自分の意志とは無関係にピクピクと動く(不随意運動)
- 筋肉がこわばり、体の動きがぎこちなくなる
- 左右のバランスがとりにくくなる
- 考えをまとめるのが難しい、物事を決められない
- 気分の落ち込みやイライラ、不安が強くなる
- 言葉をうまく話すのが難しくなったり、飲み込みにくくなる
子供の症状
- 動きが遅くなり、筋肉がこわばる
- てんかん発作が起きることがある
- イライラやかんしゃく、落ち着きがないなどの行動面の変化
- 学業や集中力が低下する
高齢者の症状
- 高齢者ではゆっくりと物忘れや混乱が進み、認知症と間違われることがある
- 不随意運動よりも動作が遅くなる、こわばるといった症状が見られることが多い
原因
主な原因
- 遺伝子(HTT遺伝子)の中の記号のくり返しが異常に長くなることで起こる遺伝性の病気です
- この遺伝子の特徴を持つ親から子へ50%の確率で伝わるといわれています
リスク要因
- 親や兄弟など近い家族にハンチントン病の人がいる
- 家系にハンチントン病の診断がある場合は、遺伝子の検査を受けることができます
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 自分を傷つけたい、死にたいという考えが浮かんだ場合
- 食事や水分がのどに詰まりやすく、危険を感じる場合
定期受診を予約すべき場合:
- 体がピクピク動く、歩きにくい、バランスが悪いなどの症状が続く場合
- 気分の落ち込みやイライラ、物事を考えにくいといった変化がある場合
- 家族歴があり、遺伝性の病気について知りたい場合
診断
まず医師が病歴や家族歴を聞き、神経の診察を行います。遺伝子検査によって確定診断ができますが、調べる前に遺伝カウンセリングを受けることがすすめられます。
行われる可能性のある検査
- 神経診察(動き、バランス、反射、感覚などをチェック)
- 脳のCTやMRI(脳の萎縮や他の病気がないかを確認)
- 遺伝子検査(血液で原因の遺伝子を調べる)
診察で予想されること
診断が確定するまでは時間がかかることもあります。遺伝子検査の結果は家族に与える影響が大きいため、医師や臨床心理士などの専門家と十分に話し合うことが大切です。
治療
現在のところ、ハンチントン病を根本的に治す治療法はありません。しかし、症状をやわらげ、生活の質を高めるための治療や支援は数多くあります。
自宅でのセルフケア
- 決まった時間に起床・食事・入浴など、規則正しい生活を心がける
- 無理のない範囲で毎日体を動かす習慣を続ける
- 気分が沈んだときは、信頼できる人に話を聞いてもらう
- 家族や友人に自分が困っていることを伝え、助けを求めてよいと知っておく
医療治療
薬は、不随意運動やこわばり、気分の落ち込み、イライラなどをやわらげる目的で使うことがあります。ただし、どの薬を使うかは症状や体の状態によって医師が慎重に決めます。服薬中は必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
一般的には手術は行われません。症状を和らげるための専門的な治療については、神経内科の医師に相談してください。
この病気と共に生きる
症状の進行にあわせて、家の中の環境を整えたり、家族やヘルパーの助けを借りたりしながら、その人らしい生活を続けることが大切です。地域の支援サービスも利用できます。
生活習慣のアドバイス
- 歩行訓練や理学療法、作業療法などで体の機能を保つ
- パズルや読書、簡単な家事などで頭と体を使う
- ハンチントン病の家族会や患者会に参加し、経験を分かち合う
食事と運動
エネルギーを十分に取ることが大切です。飲み込みが難しくなったときは、とろみをつけたり、食べやすいものを選んだりします。運動は転倒しない範囲で、無理なく続けましょう。
精神的健康と心の健康
この病気は「気持ちの持ちよう」で発症するわけではありません。脳の変化によって気分や感情が影響を受けるため、うつや不安が出現しやすい病気です。心理的なサポートや、気分を安定させる治療を組み合わせることが役立ちます。
予防
遺伝子の変化が原因の病気のため、現在の医学では発症そのものを防ぐ方法はありません。遺伝カウンセリングでは、将来について考えるための情報や心理的な支援を得ることができます。
ワクチン
備考:この病気を予防するワクチンはありません。
検診プログラム
子どもができても、その人自身に遺伝子の特徴があるかどうかを調べる出生前検査や、着床前遺伝子診断という技術を選ぶことができます。ただし、日本では法律や施設の基準により実施条件が異なります。必ず遺伝カウンセリングで詳しく話し合ってください。
合併症
治療しない場合
- 転倒によるけがや頭部の打撲
- 飲み込みにくさによる肺炎(誤嚥性肺炎)
- 食事がとれず栄養が不足する
- うつ症状がひどくなり、自殺のリスクが高まることがある
長期的な見通し
症状はゆっくり進みます。人によってそのスピードは違います。決して見放された病気ではなく、医療や介護、心理的な支援が届くようになれば、その人らしい人生を長く続けることができます。希望を持ち、周囲の助けを求めてください。
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国際機関
地域の団体
- 日本ハンチントン病ネットワーク · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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