脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部分(頭皮、顔、胸、背中など)に赤みやフケ、かゆみをともなう皮膚の病気です。カビの一種が過剰に増えることなどが関係していると考えられていますが、人にうつることはありません。
重要な事実
- 感染力はありません。
- 衛生状態が悪いからできるわけではありません。
- 良くなったり悪くなったりをくり返す慢性的な病気です。
とても一般的な皮膚の病気で、成人では約1〜5%の人に見られると言われています。乳児の「乳痂(にゅうか)」も脂漏性皮膚炎の一種です。
大人では生後2〜4か月の乳児と、30〜60歳の成人に多く見られます。男性にやや多い傾向があります。
症状
- 突然の呼吸困難、顔や唇の腫れ、意識のもうろう
- 高熱とともに皮膚の赤みが急速に広がる、激しい痛みがある
- ⚠皮膚に黄色いかさぶたや膿(うみ)ができる
- ⚠痛みが強くなる、発熱があるなど感染の兆候が見られる
一般的な症状
- 頭皮や顔(眉毛のあいだ、鼻のわき)などにフケやかさぶたができる
- 赤みのある皮膚の上に、油っぽい黄色っぽい鱗(うろこ状のもの)が付く
- かゆみがある
- 耳のまわり、胸、背中、わきの下などにもできることがある
子供の症状
- 赤ちゃんの頭皮に黄色っぽいかさぶたのようなフケ(乳痂)ができます。
- かゆみはあまりなく、自然に治ることが多いです。
高齢者の症状
- 高齢者では慢性的に続くことがあります。
- 皮膚の赤みやフケが強くなったり、体のしわの部分に広がることがあります。
原因
主な原因
- 皮膚に常在する「マラセチア」というカビ(真菌)が過剰に増えること
- 免疫反応の過剰反応
- 皮脂の分泌が多く、脂っぽい環境ができること
リスク要因
- 皮脂の分泌が多い体質
- 疲労やストレス
- 寒く乾燥した気候
- アルコールや脂っぽい食べ物
- パーキンソン病やHIVなどの基礎疾患
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 皮膚の感染を疑う症状(膿、強い痛み、発熱など)がある場合
- 症状が急速に広がる場合
定期受診を予約すべき場合:
- 市販のシャンプーや保湿剤を試してもよくならない場合
- かゆみやフケが続き、日常生活に支障がある場合
- 赤みやかさぶたが顔や胸など広い範囲に広がっている場合
診断
医師は、皮膚や頭皮の見た目、症状の場所、経過を確認して診断します。問診と視診だけで診断できることがほとんどです。
行われる可能性のある検査
- 特別な検査は通常必要ありません。
- 他の皮膚病(乾癬やアトピー性皮膚炎など)と区別するために、皮膚を軽くこすって顕微鏡で観察することがあります。
- まれに、皮膚の一部を取って調べることもあります。
診察で予想されること
診察は数分から10分程度です。特別な準備は必要ありません。持っている症状や使っている薬を医師に伝えましょう。
治療
治療の目的は、症状を抑えて再発を管理することです。市販の薬用シャンプーや保湿剤、医師が処方する外用薬などを組み合わせて行います。日本の厚生労働省も、基本的なスキンケア(洗浄と保湿)を推奨しています。
自宅でのセルフケア
- 頭皮を毎日やさしく洗い、皮脂やフケを取り除く
- かきむしらないように爪を短く切り、かゆみが強いときは冷やす
- 刺激の少ない保湿剤で肌を保護する
- 石鹸や洗浄料は低刺激のものを使う
- ストレスをためないようにする
- アルコールや刺激の強い食べ物を控えてみる
医療治療
医師は、抗真菌薬(カビの増殖を抑える薬)を含む外用薬や、炎症を抑える外用薬を処方することがあります。薬用シャンプーの成分も有効です。市販の薬を選ぶときは、薬剤師に相談しましょう。どの治療が合うかは、症状の場所や程度によって異なります。
手術が検討される場合
脂漏性皮膚炎に対して手術が行われることはありません。
この病気と共に生きる
毎日のスキンケアとシャンプーを規則正しく行うことが大切です。症状が落ち着いてもケアを続けると、再発を防ぎやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 自分の肌に合った頻度でシャンプーを行う(毎日から週2〜3回まで)
- 頭皮を強くこすらない
- 帽子やヘルメットで蒸れないようにする
- 入浴後は皮膚をしっかり乾かす
- ストレスを解消する時間を作る
食事と運動
特定の食事療法はありません。バランスの良い食事と適度な運動が免疫力を整え、肌の健康に役立ちます。アルコールや糖分の多い食べ物が症状を悪化させると感じる人は、控えてみてもよいでしょう。
精神的健康と心の健康
見た目に影響が出るため、恥ずかしい、不安、と感じることもあります。しかし、適切な治療で症状は改善しますので、一人で悩まずに医師や薬剤師に相談してください。気分の落ち込みが続く場合は、心の専門家に相談することも役立ちます。
予防
完全に予防することは難しいですが、定期的な洗浄と保湿、ストレス管理、健康的な生活習慣によって再発を減らせる可能性があります。
ワクチン
脂漏性皮膚炎を予防するワクチンはありません。
検診プログラム
定期的な検診は特にありません。気になる症状があれば早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- かゆみやかきむしりによる皮膚の傷が続き、細菌感染を起こすことがあります。
- 頭皮では一時的に抜け毛が増えることがあります。
- 肌の色が一時的に変わったり(色素沈着)、皮膚が厚くなったりすることがあります。
長期的な見通し
脂漏性皮膚炎は慢性の病気ですが、適切なケアと治療を行うことで症状は十分にコントロールできます。多くの人が生活に大きな支障なく過ごせます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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