ぶどう膜炎
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ぶどう膜炎は、眼球の中の中間の膜(ぶどう膜)に炎症が起こる病気です。炎症は目の中で起こり、放置すると視力に影響することがあります。
重要な事実
- ぶどう膜は虹彩(こうさい)、毛様体(もうようたい)、脈絡膜(みゃくらくまく)からできています。
- 炎症は片目または両目に起こることがあり、急性・慢性のタイプがあります。
- 早期に診断して治療を始めることで、視力を守れる可能性が高まります。
そんなにまれな病気ではありません。日本では年間10万人あたり約10〜20人が発症するとの報告があります。ただし、正確な頻度は地域や報告によって異なります。
20〜50歳の働き盛りの世代に多く見られますが、子どもや高齢者にも起こります。特定の体質や持病があると発症しやすいことがあります。
症状
- 急に視力がなくなった
- 激しい目の痛みが急に出た
- 吐き気を伴う強い目の痛みがある
- ⚠数日続く目の赤みや痛み、まぶしさ、視力の低下がある場合は、当日中に眼科を受診してください。
一般的な症状
- 目の痛み、赤み、かすみ目
- 光がまぶしく感じる(羞明)
- 飛蚊症(目の中に浮遊物が見える)
- 視力の低下
子供の症状
- 子どもは症状をうまく言葉にできないことがあります。目の赤みやまぶしがり、目をこする、片目を細めるなどの変化に注意が必要です。
- 学校の健診で視力低下を指摘されることもあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、痛みが少ないぶどう膜炎もあり、視力低下がゆっくり進むことがあります。
- 白内障や緑内障など他の目の病気と間違われやすいため、注意深い診察が必要です。
原因
主な原因
- 感染症(ヘルペスウイルスや結核など)が原因となることがあります。
- 自己免疫疾患(サルコイドーシスやベーチェット病など)に伴って起こることがあります。
- 目へのけがや手術後、特定の薬の副作用で起こることもあります。
- 原因が特定できないこともあります(特発性ぶどう膜炎)。
リスク要因
- 特定の病気の持病(リウマチ性疾患、炎症性腸疾患など)
- 感染症への罹患
- ステロイドや免疫抑制剤などの薬を使用している方
- 喫煙(タバコがリスクを高める可能性があります)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 目の痛みや赤み、かすみ目、まぶしさが急に現れた場合、または視力が急に落ちた場合は、すぐに眼科を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 目の症状がなくても、定期健診や目の検査で異常を指摘された場合は、眼科を受診しましょう。
- ぶどう膜炎は再発することが多いため、経過を定期的にみてもらうことが大切です。
診断
眼科で問診と視力検査、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)という機械で目の内部を詳しく調べる検査、眼底検査などを行います。炎症の程度や場所を確認するために瞳孔を広げる目薬を使うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 視力検査
- 眼圧検査(目の硬さを調べる)
- 細隙灯顕微鏡検査(目の内部を拡大して観察)
- 眼底検査(瞳孔を広げて網膜まで観察)
- 血液検査や胸部レントゲン(原因となる病気を探すため)
診察で予想されること
診察は通常、数十分ほどです。痛みはほとんどありません。瞳孔を広げる目薬をさすと、しばらくの間まぶしく感じたり、近くが見えにくくなったりしますが、数時間〜1日で元に戻ります。車の運転は、検査後は避けるように言われることがありますので、公共交通機関で来院すると安心です。
治療
治療の目的は、炎症を抑えて視力を守り、合併症を防ぐことです。原因となる病気がある場合は、その治療も並行して行います。症状や重症度に合わせて、目薬や内服薬、場合によっては注射などの治療が選択されます。必ず医師の処方に従って使用しましょう。
自宅でのセルフケア
- 医師から指示された目薬は、回数とタイミングを守ってさす。
- 目をこすらない、目に力を入れない。
- サングラスや帽子でまぶしさを避ける。
- すすやほこりが多い場所ではメガネやゴーグルで保護する。
- テレビやスマートフォンの長時間使用は控えめにし、目を休める。
医療治療
炎症を抑えるためには、ステロイドの目薬や内服薬、炎症を抑える免疫を調整する薬などが使われることがあります。原因が感染症の場合は、抗菌薬や抗ウイルス薬が使われます。薬の種類や量は、症状や炎症の程度によって医師が判断します。市販の目薬を自己判断で使わないようにしてください。
手術が検討される場合
ぶどう膜炎が原因で白内障や緑内障、網膜剥離などの合併症が起きた場合は、手術が必要になることがあります。手術のタイミングは、炎症が落ち着いてから検討されるのが一般的です。眼科医とよく相談して決めましょう。
この病気と共に生きる
ぶどう膜炎は再発することがあるため、症状の変化に気をつけましょう。目の違和感や視力の変化を感じたら、早めに受診することが大切です。定期的な通院を欠かさないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない。
- ストレスを上手に発散する。
- 禁煙を心がける。
- 目を清潔に保つ。
- 処方された薬を正しく使用する。
食事と運動
特定の食品でぶどう膜炎を予防できるという確実なデータはありません。バランスのよい食事をとり、目の健康に良いとされる緑黄色野菜を意識して取り入れましょう。無理のない範囲で運動を続けることも全身の健康に役立ちます。
精神的健康と心の健康
視力が不安定になると、日常生活や仕事に影響が出て、心理的なストレスや不安を感じることがあります。そうした気持ちを一人で抱え込まず、医師や家族、友人に相談しましょう。眠れない、気分が落ち込むなどの症状が続く場合は、心の健康についても専門家に相談することが大切です。
予防
ぶどう膜炎のすべてを予防する方法はまだ確立されていません。しかし、感染症の予防や持病の管理、目のけがを避けることで、一部のぶどう膜炎は予防できる可能性があります。早期発見・早期治療につながるよう、目の症状を軽視しないことが大切です。
ワクチン
ワクチンはぶどう膜炎そのものを直接予防するものではありませんが、感染症を予防することは一部のぶどう膜炎の予防につながる可能性があります。予防接種の受け方については、かかりつけ医に相談しましょう。
検診プログラム
目の症状がなくても、定期的な眼科検診は大切です。特にぶどう膜炎になったことがある人や、原因となる病気を持っている人は、医師の指示に従って定期的に目の検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 視力の永続的な低下
- 白内障(水晶体が白く濁る)
- 緑内障(視神経が傷み、視野が狭くなる)
- 網膜剥離や黄斑浮腫などの網膜の障害
- 目の血管の炎症
長期的な見通し
ぶどう膜炎は、適切な治療を早く始めることで、多くの場合、炎症を落ち着かせ、視力を保つことができます。治療には時間がかかることもありますが、あきらめずに医師と一緒に治療を続けていきましょう。現在の医学では、以前よりも多くの選択肢があり、希望が持てます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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