頭頸部がん(とうけいぶがん)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
頭頸部がんは、頭と首のあたりにできるがんの総称です。口の中、のど、声帯(声を出すところ)、鼻の奥、副鼻腔(顔の骨の中にあるすき間)、唾液腺(だえきせん、よだれを作る器官)などに発生します。脳や甲状腺(のどぼとけの下にある器官)のがんは、ここでは含まれないことが多いです。がんは、体の細胞が異常に増えてしまう病気です。
重要な事実
- 頭頸部がんは、口・のど・声帯・鼻など、頭と首のさまざまな場所に発生します。
- 早期に見つかれば、治療の選択肢が広がり、治る可能性が高くなります。
- たばこやお酒の習慣が大きく関わりますが、ウイルス感染が原因になることもあります。
日本では、がん全体の約3〜5%とされており、男性に多いがんです。ただし、決して珍しい病気ではありません。
50〜60代以降の男性に多い一方で、若い人や女性でも発症することがあります。特に、たばこを吸う人やお酒をたくさん飲む人はリスクが高くなります。
症状
- 呼吸が苦しくて息ができない。
- 口やのどから大量に出血する。
- 意識がもうろうとする。
- ⚠飲み込みが急に難しくなり、よだれが止まらない。
- ⚠血が混じったたんや唾液が出る。
- ⚠首のしこりが急に大きくなる。
一般的な症状
- のどが痛い、違和感がある。
- 声がかすれる、声が出しにくい。
- 首にしこり(はれもの)ができる。
- 口の中に治りにくい口内炎やできものがある。
- 食べ物や飲み物が飲み込みにくい。
子供の症状
- 子どもでは頭頸部がんはまれですが、首のしこりや原因不明の声がれ、鼻づまりなどが続く場合は、小児科で相談しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では、のどや口の違和感があっても、「年のせい」と見逃されがちです。症状が2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診してください。
原因
主な原因
- たばこを吸うこと(喫煙)
- お酒をたくさん飲むこと(多量のアルコール摂取)
- ヒトパピローマウイルス(HPV)やEBウイルスなどの感染
- 口腔内を清潔に保てていないこと(不衛生な状態)
リスク要因
- 喫煙や飲酒の習慣がある。
- 男性である。
- 50歳以上である。
- 栄養バランスの偏った食事
- 免疫力が低下している。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状が2週間以上続く場合
- 首のしこりが増えていく場合
- 飲み込みや呼吸に支障がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- のどの痛みや声がれがなかなか治らない場合
- 口の中の傷やできものが気になる場合
- 検診や人間ドックで異常を指摘された場合
診断
まず医師が口の中やのど、首を診察します。必要に応じて、鼻やのどに細いカメラを入れて観察します。異常が見つかった場合は、組織の一部を取って調べる検査(生検)を行います。
行われる可能性のある検査
- 視診・触診(ししん・しょくしん):医師が目で見て、手で触って確認します。
- 内視鏡検査(ないしきょうけんさ):細い管の先にカメラが付いた器具を使い、のどの奥まで観察します。
- 画像検査(CT・MRI・PET):がんの広がりを詳しく調べます。
- 生検(せいけん):気になる部分から組織を少し取り、顕微鏡で調べます。
診察で予想されること
診断が確定するまでに数日から2週間ほどかかることがあります。検査自体は痛みを伴うこともありますが、医師や看護師が説明しながら行います。診断結果は、医師とよく話し合ってください。
治療
治療は、がんの種類や場所、進行具合、年齢、全身状態などを考慮して、医師と相談しながら決めます。主な治療法は、手術、放射線治療、薬物療法の3つです。これらを組み合わせることもあります。
自宅でのセルフケア
- 禁煙をしましょう。
- 飲酒は控えめに、またはやめましょう。
- 口の中を清潔に保ち、歯磨きやうがいを丁寧に行いましょう。
- 栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
医療治療
医療での治療は、がんを取り除く手術、高エネルギーの放射線でがんを壊す放射線治療、抗がん剤などの薬を使う薬物療法があります。近年では、免疫の力を利用した治療や、がんの特徴を狙った治療も行われています。治療の内容や期間は個人差が大きく、必ず専門の医師が説明します。
手術が検討される場合
がんが限られた範囲にある場合や、放射線治療・薬物療法が合わない場合には、手術でがんを取り除くことがあります。ただし、声を出したり、食べたり飲んだりする機能への影響についても、術前に十分な説明があります。
この病気と共に生きる
治療後は、声の出しにくさや飲み込みの変化に慣れていくことがあります。リハビリテーションや言語聴覚士(げんごちょうかくし)のサポートを受けることで、生活の質を保つことができます。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙・節酒を続ける。
- 口の中を清潔にし、歯科の定期的なケアを受ける。
- 疲れをためないようにし、十分な休養をとる。
- 感染症予防のため、手洗い・うがいを徹底する。
食事と運動
食べ物を飲み込みやすいように、やわらかく調理したり、水分を加えたりして工夫しましょう。栄養状態を保つことが治療や回復に大切です。できる範囲で軽い運動(散歩など)を取り入れると体力維持に役立ちます。
精神的健康と心の健康
がんの診断や治療は、不安や落ち込みを引き起こすことがあります。感情は自然なものであり、恥ずかしいことではありません。つらい気持ちを抱え込まずに、家族や友人、医療者に話してください。
予防
すべての頭頸部がんを防ぐことはできませんが、たばこを吸わない、お酒を飲みすぎない、口の中を清潔に保つことで、多くのリスクを減らすことができます。
ワクチン
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、HPVが原因となる中咽頭がん(ちゅういんとうがん)の一部を防ぐ可能性があります。ワクチンについては、かかりつけ医や自治体の検診情報で確認してください。
検診プログラム
頭頸部がんには、がん検診として一般的な検査はありません。ただし、歯科検診や内科の診察で口の中やのどを診てもらうことは役立ちます。気になる症状があれば、早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- がんが周りの組織(のどや骨など)に広がる。
- 首のリンパ節に転移する。
- 呼吸や食事が困難になり、命に関わることがある。
長期的な見通し
頭頸部がんは、早期に見つければ治る可能性が高いがんの一つです。治療技術も進んでおり、見た目や機能を残しながら治療する方法も増えています。たとえ進行していても、張り切って治療に取り組むことで良い結果が得られることもあります。希望を持ち、医師とよく相談して治療を選びましょう。
サポートを探す
国際機関
- 日本頭頸部癌学会
地域の団体
- がん相談支援センター(各都道府県のがん診療連携拠点病院に設置) · 日本
- 厚生労働省 がん対策推進企業アクション · 日本
相談窓口
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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