痔ろう(じろう)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
痔ろうは、肛門の内側とおしりの皮膚の間にできる細いトンネル(ろう孔)のことです。肛門の中にある小さな腺が感染しておこることが多く、おしりの皮膚に穴があいて、うみや血液がにじみ出ることがあります。
重要な事実
- 痔ろうは自然に治ることはほとんどなく、多くの場合、手術が必要です。
- 痔ろうを放置すると、トンネルが複雑になり、治療が難しくなることがあります。
- 痔ろうは、便通を整え、おしりを清潔に保つことで、再発を防ぎやすくなります。
痔ろうは、それほど珍しい病気ではありません。肛門の病気の中では、いぼ痔(痔核)の次に多いとされています。
痔ろうは、どの年代でも起こり得ますが、特に20〜50歳代の男性に多く見られます。女性より男性のほうがかかりやすいと言われています。
症状
- 肛門のまわりが急に激しく痛む
- 高熱(38度以上)や悪寒がする
- 出血が止まらない
- 意識がもうろうとする
- このような症状がある場合は、すぐに119番に電話してください
- ⚠おしりの痛みが強く、座っていられない
- ⚠うみや血液が多く出て、下着が汚れる
- ⚠発熱が続く
- ⚠腫れが急に大きくなる
一般的な症状
- おしりのまわりが痛む、はれる
- おしりの皮膚に小さな穴ができて、うみや血がにじみ出る
- おしりがかゆい、またはしみる
- 炎症がひどいときは、発熱することがある
原因
主な原因
- 肛門の内側にある小さな腺(肛門腺)に細菌が入り、感染しておこることが多いです。
- 感染がおこると、うみがたまり、膿瘍(のうよう)になります。その膿瘍が皮膚に向かって破れると、トンネル(ろう孔)ができます。
- クローン病などの炎症性腸疾患が原因となる場合もあります。
リスク要因
- 慢性的な下痢や便秘
- 過去に痔瘻になったことがある
- 免疫力が低下している状態(糖尿病など)
- 長時間座っている仕事
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急な強い痛みや高熱がある場合
- 出血が止まらない場合
定期受診を予約すべき場合:
- おしりの痛みや腫れ、うみのような分泌物が続く場合
- 痔瘻と診断されたことがあるが、再び症状が出た場合
診断
痔瘻の診断は、視診と触診が基本です。おしりの穴のまわりを診て、ろう孔の場所を確認します。また、指を入れて内部を触診することもあります。
行われる可能性のある検査
- 視診・触診(目で見て、触って確認する)
- 肛門鏡検査(肛門の中を直接見る検査)
- 超音波検査(エコー)やMRI(画像検査)で、ろう孔の深さや広がりを詳しく調べる場合があります。
診察で予想されること
肛門科や外科を受診すると、まず症状や経過について聞かれ、その後、診察や検査を行います。診察は少し緊張するかもしれませんが、医師が説明をしてくれます。不安なことは遠慮なく質問しましょう。
治療
痔瘻の治療は、ろう孔(トンネル)を完全に取り除くことが基本です。軽い場合は薬で炎症を抑えながら経過を見ることもありますが、根本的な治療には手術が必要となることがほとんどです。
自宅でのセルフケア
- おしりを清潔に保つ(入浴やシャワーで洗い流し、清潔なガーゼをあてる)
- 刺激の少ない下着(綿など)を身につける
- 便通を整えるために、水分をしっかりとり、食物繊維を意識して摂取する
- 痛みがあるときは、無理に座らず、クッションを使うなどして圧迫を避ける
医療治療
薬物治療としては、炎症や感染を抑えるための抗生物質や、痛みを和らげる薬が使われることがあります。また、ろう孔の洗浄や、たまったうみを出す処置(ドレナージ)が行われる場合もあります。ただし、薬だけでは痔瘻のトンネル自体を閉じることは難しく、多くの場合、手術治療が必要になります。
手術が検討される場合
痔瘻の根本的な治療は手術です。ろう孔の場所や広がりに応じて、さまざまな手術方法があります。肛門の機能をできるだけ保ちながら、痔瘻を根治することを目指します。手術が必要かどうかは、専門医が詳しい検査に基づいて判断します。
この病気と共に生きる
手術後は、傷口が完全に治るまで1か月から数か月かかることがあります。その間は、医師の指示に従って通院し、傷のケアを続けることが大切です。仕事や運動など、日常生活に戻れる時期は、手術の方法や仕事の内容によって異なりますので、医師に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- こまめに入浴して、おしりを清潔に保つ
- 排便後は、ぬるま湯で洗うか、刺激の少ないおしりふきを使う
- 長時間同じ姿勢で座り続けない
- 便秘や下痢をしないように、規則正しい生活を心がける
食事と運動
便通を整えることが重要です。水分を十分に取り、野菜や果物、全粒穀物など食物繊維の多い食品を積極的に摂りましょう。また、ウォーキングなどの軽い運動は血行を良くし、便通の改善にも役立ちます。ただし、手術後すぐの激しい運動は避け、医師の許可を受けてから始めましょう。
精神的健康と心の健康
痔瘻やその治療では、おしりの問題が長引くと、不安やストレスを感じることもあります。また、通院や手術による仕事や生活への影響を心配される方も多いです。つらい気持ちは無理に我慢せず、家族や友人、医療者に話すことも大切です。心の健康が気になる場合は、専門の相談窓口を利用することもできます。
予防
痔瘻を完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことはできます。特に、便秘や下痢を防ぎ、肛門の衛生を保つことが大切です。また、肛門の周りに痛みや腫れを感じたら、早めに医療機関を受診することで、痔瘻への進行を防ぐことができます。
合併症
治療しない場合
- うみがたまり続け、痛みや腫れが強くなることがあります。
- ろう孔が複雑に枝分かれし、治療が難しくなることがあります。
- まれに、感染が全身に広がり、命に関わることもあります。
長期的な見通し
痔瘻は、適切に治療すれば多くの場合、根治が可能な病気です。手術後の経過は個人差がありますが、医師の指示に従い、おしりのケアを続けることで、日常生活への影響を少なくすることができます。決して怖がりすぎず、医療者と一緒に治療を進めていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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