純赤血球無形成症(PRCA)を知る
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
純赤血球無形成症(PRCA)は、骨髄で赤血球だけがつくられなくなる病気です。白血球や血小板は通常どおりつくられるため、体が酸素を運ぶ赤血球が不足し、貧血(血液中の赤血球が減った状態)が起こります。
重要な事実
- 赤血球のもとになる細胞(赤芽球)だけを免疫が攻撃してしまうことが原因の一つです。
- とてもまれな病気で、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢で起こりえます。
- 原因を調べて適切に治療すれば、多くの場合、症状の改善や寛解(症状がおだやかになる状態)が期待できます。
とてもまれな病気です。国内での正確な患者数は少なく、一般的な健康診断の場で出会うことはほとんどないといわれています。
自己免疫疾患のある方、胸腺腫(胸の臓器にできる腫瘍)のある方、免疫に関連する治療を受けている方に起こりやすいとされますが、それまで健康な方にも発症することがあります。
症状
- 胸の痛み、締めつけられるような苦しさ
- 呼吸が止まるほど息苦しい
- 意識を失う、呼びかけに反応しない
- 突然の激しい動悸に冷や汗を伴う
- ⚠安静にしていても息切れが続く
- ⚠めまいや立ちくらみが頻繁に起こる
- ⚠顔色が著しく青白く、ぐったりしている
一般的な症状
- 疲れやすい、体がだるい
- 顔色が青白い、唇やまぶたの裏が白っぽい
- 階段や坂道で息切れする
- 動悸がする
- めまいやふらつきがある
子供の症状
- 顔色が悪い、遊びたがらない
- 母乳やミルクの飲みが悪い、ぐずりやすい
- 成長や体重増加がゆっくりになる場合がある
高齢者の症状
- 強い疲労感、集中力の低下
- 軽い動作でも息苦しくなる
- めまいで転びやすくなる
- 胸の痛みや動悸が目立つことがある
原因
主な原因
- 免疫システムの異常により、骨髄の赤血球のもととなる細胞が攻撃される
- パルボウイルスB19などの感染症
- 胸腺腫という腫瘍
- 特定のお薬(自己免疫疾患やがん治療で使われるもの)
- 血液のがんなど、別の基礎疾患
リスク要因
- 自己免疫疾患の合併
- 胸腺腫と診断されたことがある
- 免疫を抑える治療を受けたことがある
- まれに遺伝的な素因
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 日常生活に支障が出るほどの強い疲労感や息切れ
- 動悸や胸の痛みを伴う貧血症状
- めまいや失神を起こすことがある
定期受診を予約すべき場合:
- 1週間以上続く体のだるさや疲れ
- 顔色が悪い、または周りから顔色が悪いと指摘された
- 健康診断で貧血を指摘され、改善しない
診断
医師が問診と診察を行い、貧血の程度や原因を調べます。確定診断には骨髄の検査が必要です。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(赤血球数、ヘモグロビン値、網赤血球数などを確認)
- 網赤血球の測定(骨髄で新しい赤血球がつくられているかを調べる)
- 骨髄穿刺(骨の中の髄液を少し採取し、顕微鏡で調べる検査)
- 胸腺腫の有無を確認する画像検査(CTなど)
- ウイルス抗体検査や免疫関連の検査
診察で予想されること
外来で対応できることが多いですが、骨髄穿刺は局所麻酔で行われます。結果がそろうまで数日から数週間かかることがあります。診断や治療方針について医師から説明を受ける際は、わからないことを遠慮なく質問しましょう。
治療
治療は原因となっている病気や状態に対して行います。赤血球不足を補う輸血と、免疫の異常を整える治療が中心になります。原因となる薬剤がある場合は、その変更や中止も検討されます。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従って安静と休息をしっかりとる
- 感染症にかからないよう手洗い・うがいを心がける
- めまいやふらつきがあるときは急に立ち上がらない
- 治療や検査についての不安は一人で抱えず、担当医や看護師に相談する
医療治療
輸血、免疫抑制療法(免疫の働きを調整する治療)、造血を促す薬剤(成長因子)などが、患者さんの状態や原因に合わせて選択されます。治療薬の効果や副作用についても、必ず説明を受けて納得したうえで進められます。
手術が検討される場合
胸腺腫が見つかった場合、外科的に切除することがあります。手術の必要性は、腫瘍の大きさや症状、全身状態をもとに専門医がチームで判断します。
この病気と共に生きる
治療が続く間も、自分のペースで生活することが大切です。だるさが強い日は休息を優先し、体調のよい時間を利用して軽い活動を行いましょう。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい睡眠と十分な休養をとる
- 体を冷やさず、急な温度変化を避ける
- ストレスをため込まないよう、趣味やリラックス法を取り入れる
- 感染症の流行時期は人混みを避ける
食事と運動
鉄分やビタミンを多く含む食事は体調を整える助けになりますが、PRCAでは鉄剤をむやみに摂取する必要はありません。食欲に合わせてバランスよく食べましょう。運動は医師に相談のうえ、歩くなど負荷の少ないものから始めます。
精神的健康と心の健康
貧血による疲労感や治療への不安は、気分の落ち込みにつながることがあります。自己免疫疾患や難病の診断は大きな心の揺れをもたらすこともありますが、それは自然な反応です。自分を責めず、困ったときは医療チームや家族に話してください。
予防
PRCAの多くは自己免疫疾患やウイルス感染がきっかけとなるため、完全に予防する方法はありません。早期に診断して原因を取り除くことが、進行を防ぐ重要なポイントです。
ワクチン
感染症は症状を悪化させる可能性があるため、インフルエンザや肺炎などの予防接種は医師と相談したうえで受けることをおすすめします。生ワクチンは免疫状態によっては接種できない場合があります。
検診プログラム
一般的に健康診断で貧血を指摘されることが見つけられるきっかけになりますが、PRCAそのものを対象にした特別な検診はありません。
合併症
治療しない場合
- 重度の貧血による強い息切れや動悸
- 心不全(心臓が全身に血液を送り出せなくなる状態)
- 意識消失や転倒によるけが
- 免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる
長期的な見通し
最近の治療の進歩により、原因に応じた適切な治療を受けることで、多くの患者さんで症状の改善や寛解が期待できます。経過が長くかかる場合でも、輸血などの支持療法で日常生活を維持しながら治療を続けられます。希望をもって治療に取り組んでください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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