子どもの双極性障害(そううつ病)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
双極性障害(そううつ病とも呼ばれます)は、気分が大きく波打つ脳の病気です。気分が非常に高まって活発になる「そう」の時期と、気分が深く落ち込む「うつ」の時期を繰り返します。この波は本人の意思でコントロールできないことが多く、家庭や学校生活に大きな影響を与えることがあります。
重要な事実
- 子どもでも発症することがありますが、症状は大人と異なることがあります。
- 適切な治療により、気分の波を和らげ、日常生活を送ることができます。
- 早期に気づいて支援を受けることが大切です。
子どもでは比較的まれで、100人に1人くらいの割合と言われています。思春期に入ると診断されることが増えます。
おもに思春期(10代)に症状が現れやすくなりますが、それより小さい子どもでも発症することがあります。家族に同じ病気の人がいると、かかりやすくなるといわれています。
症状
- 「死にたい」「消えたい」と強い口調で言う
- 自分を傷つける行為や、他人を傷つける恐れがある行動をした
- 突然、危険な行動に走る(飛び降り、車道に飛び出すなど)
- ⚠眠れない日が何日も続き、疲れているのに休めない
- ⚠学校に行けなくなった、または生活が成り立たないほど混乱している
- ⚠食欲が極端に落ちた、または急に食べ過ぎる
- ⚠周囲の人との関係が壊れるほど激しい言動が続く
一般的な症状
- 気分の高まりと落ち込みを繰り返す
- 睡眠時間が大きく変わる(寝ない、または寝すぎる)
- エネルギーの増減が激しい
子供の症状
- かんしゃくを起こしやすい
- 多動(じっとしていられない)に見える
- 強いイライラや怒りを表す
- 夜更かしして寝ない、また、朝起きられない
- 「すごいアイデアがある」と次々に計画を話す
高齢者の症状
- 気分の波が穏やかになることがある
- 物忘れや混乱など、認知症と間違えられる症状が出ることがある
原因
主な原因
- 原因はまだはっきりしていませんが、脳の働きのバランスが乱れること
- 遺伝的な要素(家族に同じ病気の人がいる)
- 環境からのストレス(家庭や学校での出来事など)
リスク要因
- 家族に双極性障害の人がいる
- 大きなストレスを経験した(引っ越し、いじめ、家族の変化など)
- 思春期のホルモンバランスの変化
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 自分や他人を傷つけるような言葉や行動があるとき
- 「死にたい」といった話を何度もするとき
- 急に危険な行動をとるとき
定期受診を予約すべき場合:
- 気分の浮き沈みが強く、学校生活や家庭生活に支障があるとき
- 睡眠や食欲の変化が長く続くとき
- 学校の先生から「様子がおかしい」と指摘されたとき
診断
医師がお子さんと保護者から話を聞き、症状の経過を詳しく確認します。また、ほかの病気が隠れていないかを調べるために、診察を行います。
行われる可能性のある検査
- 心理テスト(質問への回答をもとに状態を評価する)
- 血液検査(ほかの身体の病気が原因でないかを確認する)
- 睡眠や行動の記録(日記やアプリをつけて経過を観察する)
診察で予想されること
診断には時間がかかることがあります。しばらく経過を記録し、医師と一緒にお子さんの状態を追っていくことが大切です。
治療
治療の中心は、薬物療法と心理療法(カウンセリング)を組み合わせることです。お子さんの生活リズムを整えることも重要です。
自宅でのセルフケア
- 規則正しい睡眠を心がける(毎日同じ時間に起きる)
- ストレスをためないための工夫(好きなことをする時間、休憩時間を持つ)
- 家族がお子さんの話をよく聞き、気持ちを否定せずに受け止める
医療治療
気分の波を整える薬や、気分が高まったとき・落ち込んだときに使う薬を、医師が状態に合わせて調整します。薬の効果や副作用を観察しながら、時間をかけて進めます。必ず医師の指示に従ってください。薬以外にも、思考や行動のパターンを整える心理療法があります。
手術が検討される場合
省略
この病気と共に生きる
気分の波が大きくても、規則正しい生活を続けることが役立ちます。薬は医師の指示通りに飲み、通院を続けましょう。家族は無理に「頑張れ」と言わず、お子さんのペースを尊重しながら見守ることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きる
- 朝日を浴びる
- 睡眠時間を十分に確保する
- 休憩時間を決めて、気分の切り替えをする
食事と運動
偏りのない食事と、無理のない運動を心がけましょう。カフェインの多い飲み物(コーヒー、エナジードリンクなど)は控えめにすると睡眠が安定しやすくなります。
精神的健康と心の健康
双極性障害は、お子さんの自信や学校生活に影響を与えることがあります。もし「死にたい」などの言葉が出た場合は、すぐに救急(119番)や精神科の緊急相談に連絡してください。心理的な支援も治療の一部です。
予防
双極性障害を完全に予防する方法はまだありません。ただし、早期に気づき、適切な治療と生活の工夫を続けることで、気分の波を和らげ、重症化を防ぐことはできます。
合併症
治療しない場合
- 学校生活や人間関係がうまくいかなくなる
- 自傷行為や自殺企図(じさつきと)のリスクが高まる
- 飲酒や薬物使用などの問題を起こしやすくなる
長期的な見通し
双極性障害は適切な治療を続けることで、多くの子どもが落ち着いた生活を取り戻せます。長い目で見て、家族と医療者が協力しながら支えていくことが大切です。希望を持って、一歩ずつ進んでいきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。