子どもの短腸症候群(たんちょうしょうこうぐん)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
短腸症候群(たんちょうしょうこうぐん)は、小腸(しようちょう)の大部分が、生まれつき短かったり、病気や手術で失われたりすることで、食べ物から十分に栄養や水分を吸収できなくなる病気です。
重要な事実
- 小腸は食べ物の栄養を吸収する大切な器官です。
- 短腸症候群では、下痢や体重増加のしにくさが続くことがあります。
- 治療には、栄養を工夫しながら長い時間をかけて対応します。
まれな病気です。たくさんの子どもにみられるものではありません。
主に新生児や乳幼児にみられます。特に早産で生まれた子どもや、腸に重い病気があった子どもに多いです。
症状
- ぐったりして意識がもうろうとしている
- おしっこがほとんど出ない
- 便に血が混じる
- 激しい腹痛でずっと泣き叫ぶ
- 緑色や黄色の胆汁(たんじゅう)を嘔吐している
- ⚠発熱がある
- ⚠水分が取れず、下痢がさらにひどくなる
- ⚠おなかが張って痛がる
- ⚠いつもと違う機嫌の悪さが続く
一般的な症状
- 水のような下痢が続く
- 体重が増えにくい
- おなかが張って痛がる
- 疲れやすい
- 脱水のサイン(尿が少ない、泣いても涙が出ない、口や肌が乾く)
子供の症状
- 1日に何回も下痢をする
- ミルクや離乳食を食べたがらない
- おむつかぶれがひどい
- 成長曲線(せいちょうきょくせん)から外れてくる
- 熱中症のようにだるそうにする
原因
主な原因
- 腸の一部が生まれつき無い・細い
- 腸がねじれる(軸捻転・じくねんてん)
- 未熟児の腸に起こる壊死性腸炎(えしせいちょうえん)
- 事故やけがで腸を大きく失った
- 腸の病気の手術で大部分を切除した
リスク要因
- 早産・低出生体重
- 心臓や腸の先天性疾患がある
- 新生児期に腸の手術が必要だった
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 下痢や嘔吐が続き、水分が取れない
- おしっこの回数が半分以下に減った
- 血便や胆汁のような嘔吐がある
定期受診を予約すべき場合:
- 体重増加が悪い
- 1日8回以上の下痢が続く
- 3か月以上にわたって栄養状態が良くない
- フォローアップの予約がある
診断
問診と診察に加えて、血液検査や画像検査を行います。必要に応じて小児消化器科へ紹介されます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(栄養状態や脱水のチェック)
- 腹部エックス線・CT・超音波(腸の長さや形を確認)
- 便の検査(感染症や脂肪の吸収状態を調べる)
- 造影検査(腸の動きや残った長さを評価)
診察で予想されること
診断には日数がかかることがあります。専門チーム(医師・看護師・栄養士)が一緒に治療計画を立てます。
治療
治療の中心は、足りない栄養を補いながら、残った腸が働きを取り戻すよう支援することです。多くの場合、長期間の管理が必要で、親子への負担を減らす工夫も大切です。
自宅でのセルフケア
- 食事やミルクの量・回数は医師や栄養士の指示に従う
- 体重と尿の回数を記録する
- 下痢によるおむつかぶれをまめにケアする
- 嘔吐や腹痛の様子を観察する
医療治療
治療には、中心静脈栄養(じょうみゃくえいよう:血管から栄養を入れる方法)、成分栄養剤や特殊なミルク、下痢を和らげる薬、ビタミン・ミネラル補充などが使われます。薬の名前や量は必ず医師の指示に従い、自己判断で変えてはいけません。
手術が検討される場合
まれに、腸のつながりをよくする手術や、腸を長く機能させるための手術が必要になることがあります。実施するかどうかは、専門の小児外科医と十分に話し合いながら決めます。
この病気と共に生きる
毎日の食事・点滴・薬の管理が必要です。訪問看護や地元の医療機関と連携しながら、学校や家庭での生活リズムを整えましょう。
生活習慣のアドバイス
- 点滴や経管栄養がある場合は、訪問看護の利用を検討する
- 旅行や外出時には、予備の栄養剤や医療器具を準備する
- 保育園・学校の先生と情報を共有する
食事と運動
少量の食事を何回にも分けて食べる、エネルギーやたんぱく質をしっかり摂る、塩分や水分を適切に補うことが大切です。運動は医師が許可すれば通常の遊びを楽しんで構いませんが、脱水に注意してください。
精神的健康と心の健康
治療が長引くと、子どもも家族も疲れや不安を感じることがあります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、医療者や相談機関に話しましょう。
予防
この病気自体は予防できるものではありません。ただし、腸の手術後に合併症を早く見つけたり、感染症を防いだりすることで、悪化を防ぐことができます。
ワクチン
感染症にかかると下痢が悪化しやすいため、通常の予防接種はかかりつけ医と相談して受けましょう。
検診プログラム
生まれつき腸が短い場合でも、赤ちゃんの時期は一般的な健康診査では見つけにくいことがあります。体重増加や便の様子が気になったら早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 重度の栄養不良と脱水
- 肝臓の障害(中心静脈栄養が長引く場合)
- 尿路結石や胆石
- 腸内細菌の異常増殖(腸管出血や炎症)
- 発育の遅れ
長期的な見通し
医療が進歩した現在、短腸症候群の子どもたちの多くは、治療を続けながら健やかに成長しています。完全に治ることもありますが、たとえ治療が必要でも、適切な管理があれば充実した生活を送ることが可能です。希望を持って、医療チームと一緒に歩んでください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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