周期性嘔吐症(サイクリック・ボミティング・シンドローム)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
周期性嘔吐症は、数時間から数日続く激しい嘔吐の発作をくり返し起こす病気です。発作のない時期には、体調が良く元気に見えるのが特徴です。脳と胃腸の連携がうまくいかないことが関係していると考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。
重要な事実
- 吐き気と嘔吐の発作が、同じようなパターンでくり返し起こります。
- 発作は突然始まり、数時間から数日続くことがあります。
- 発作のない間隔は人によってさまざまで、数週間から数か月あくこともあります。
- 子どもに多いものの、大人にも起こりえます。
まれな病気ではありますが、子どもの繰り返す嘔吐の原因としては、もっとも一般的なもののひとつとされています。
特に3歳から7歳の子どもに多いとされますが、大人になってから始まることもあります。女性にやや多いという報告もあります。
症状
- 呼吸が苦しそう、または息が荒い
- 意識がぼんやりしている、呼びかけに反応が悪い
- 吐いたものに血が混じっている(コーヒーのような黒っぽいものも含む)
- 激しい腹痛が続く、またはおなかが張って硬い
- けいれんが起きる
- ⚠水分がまったく取れず、尿が極端に少ない(おむつがいつまでも濡れない)
- ⚠立ちくらみがする、目がくらむ
- ⚠体重が急に減っている
- ⚠吐き気が数日続き、普通の生活ができない
一般的な症状
- 突然始まる激しい吐き気
- 何度も繰り返す嘔吐
- 吐いた後も続く強い吐き気
- 顔色が青ざめる
- ぐったりする(強い疲労感)
- 腹痛や頭痛
- よだれが増える
- 少しの発熱
子供の症状
- 泣き続けたり、ぐったりして動けなくなったりすることがあります。
- 普段より水を飲みたがらない、または吐いてしまうため水分が取れなくなります。
- おなかの痛みを強く訴えることがあります。
高齢者の症状
- 胸やけやめまいを伴うことがあります。
- 精神的なストレスが引き金になることが多いと感じる人がいます。
- 症状が頭痛や肩こりと一緒に現れることもあります。
原因
主な原因
- 脳の吐き気や嘔吐をコントロールする仕組みが過剰に反応する可能性があります。
- 胃や腸の動きが乱れることが関係していると考えられています。
- 遺伝的な要因がある可能性があります。
リスク要因
- 片頭痛を持っている、または家族に片頭痛の人がいる
- 不安や緊張が強い
- 睡眠不足や不規則な生活
- 特定の食べ物(チョコレート、チーズ、カフェイン飲料など)がきっかけになることがある
- 感染症(かぜなど)が引き金になることがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 水分を取れず、ぐったりして意識がもうろうとしている
- 尿がほとんど出ない(6時間以上おしっこがない)
- 激しい痛みに耐えられない
- 上記の緊急症状がある場合は、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 嘔吐の発作をくり返し、生活や学校・仕事に支障が出ている
- 発作のたびに脱水になりやすい
- 診断や治療方針について医師に相談したい
診断
医師は、嘔吐の発作がくり返していること、その間は症状がないこと、ほかの病気の可能性を除外することを確認します。具体的には、これまでの症状の経過や発作のきっかけ、家族歴などを詳しく聞きます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(脱水や電解質の状態を調べます)
- 腹部エコー(おなかの超音波検査)
- 必要に応じて胃カメラ(内視鏡)や脳の画像検査を行うこともあります。
- 症状の記録(吐いた時間、きっかけ、期間など)が診断に役立ちます。
診察で予想されること
特別な確定検査はなく、特徴的な症状のパターンから診断されます。ほかの胃腸の病気を見逃さないために、検査を受けることがあります。診察では、症状の日記を持っていくとスムーズです。
治療
治療は、発作を予防する生活習慣と、発作が起きたときの症状を和らげる対症療法が中心になります。発作が起きたときは、安静にして十分な睡眠を取ることが重要です。薬は医師が症状に合わせて適切なものを選びます。
自宅でのセルフケア
- 発作の引き金になるものを避ける(睡眠不足、ストレス、特定の食べ物など)
- 規則正しい睡眠と食事を心がける
- 発作中は、水や経口補水液を少量ずつ何回にも分けて飲む
- 吐いた後は、一度にたくさん飲まず、少しずつ口を湿らせてから様子を見る
- 静かな暗い部屋で横になって休む
- 吐いた後の刺激を減らすため、歯を磨く代わりに口をすすぐ
医療治療
吐き気や頭痛を和らげる薬、胃の動きを整える薬などが使われることがあります。また、発作が頻繁な場合は、予防的に薬を使用することもあります。どの薬を使うかは、年齢や症状、持病によって医師が判断します。処方された薬は指示通りに使い、気になることがあれば必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
この病気に対して手術が行われることはほとんどありません。また、診断のために手術が必要になることもありません。
この病気と共に生きる
発作のパターンが見えてくると、予防や対処がしやすくなります。日記をつけて、どんなときに発作が起きやすいかを知っておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝る
- 睡眠不足や寝すぎを避ける
- 食事は決まった時間に、ゆっくりとる
- ストレスをためないように、リラックスする時間を作る
- 無理な運動は避け、軽い散歩やストレッチを習慣にする
食事と運動
一度にたくさん食べるのではなく、少量を何回かに分けて食べるほうが胃に負担がかかりにくいです。特に発作のリスクが高いときは、脂っこいものや強い香りの食べ物を避けましょう。運動は無理のない範囲で行い、気分転換にするとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
予期できない嘔吐の発作は、不安や抑うつ感につながることがあります。まわりの人に病気のことを伝えて、理解と協力を求めましょう。つらい気持ちが続く場合は、医師や学校・職場の相談窓口に話すことも大切です。
予防
完全に予防する方法はありませんが、突然発症する前に見られるお知らせ症状(サイン)に気づくことができれば、発作を軽くしたり、起こる前に避けられる可能性があります。規則正しい生活と引き金を避けることで、発作の頻度を減らすことができます。
ワクチン
特別なワクチンはありません。ただし、かぜなどの感染症が引き金になることがあるため、普段からの予防接種をきちんと受けておくことが大切です。
検診プログラム
特別な検診はありません。繰り返す吐き気や嘔吐で困っている場合は、早めに医療機関に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 脱水(体の水分が不足する)
- 血液中の塩分(電解質)のバランスが崩れる
- 吐き過ぎによる食道の傷(むねやけ、出血)
- 栄養不足や体重減少
- 学校や仕事を休まざるを得ないことによる生活の質の低下
長期的な見通し
適切な対処と治療によって、多くの人は普段どおりの生活を送れるようになります。特に小児では、成長とともに発作が減ったり、なくなったりすることもあります。この病気とうまく付き合う方法を見つけて、医師と一緒に続けていくことが大切です。明るい見通しを持って大丈夫です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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