脂肪腫(リポーマ)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脂肪腫は、皮膚の下にできる脂肪の塊(しこり)のことです。触ると柔らかく、ゆっくり大きくなります。良性の腫瘍で、がんになることはまずありません。
重要な事実
- 脂肪細胞が増えてできる、柔らかくて動きやすいしこりです。
- 痛みがないことがほとんどで、健康に大きな問題を起こしません。
- 治療が必要でないことが多く、気になる場合に切除などの選択肢があります。
比較的多くみられ、100人に1人程度ができると言われています。
どの年齢でもできますが、特に30歳から60歳の成人に多く、家族に脂肪腫がある方にできやすい傾向があります。
症状
- しこりが急速に大きくなり、激しい痛みがある
- しこりの周りが赤く腫れて、熱を持っている
- 発熱や悪寒を伴う
- ⚠しこりが急に硬くなった、または動かなくなった
- ⚠しこりの色や形が変わった、表面がただれた
- ⚠しこりを押すと強い痛みがある
- ⚠同じようなしこりが一度にたくさん現れた
一般的な症状
- 腕や脚、首、背中などにできる、柔らかくて少し動くしこり
- 直径1〜3センチほどの大きさで、ゆっくり大きくなることがある
- 押しても痛くない(押すと少し違和感がある程度)
原因
主な原因
- 何らかの原因で脂肪細胞が増えすぎてしまい、固まったものが脂肪腫です。はっきりとした原因はわかっていません。
- 一部の家庭で遺伝的にできやすい傾向があります(家族性脂肪腫症)。
リスク要因
- 40歳以上である
- 家族に脂肪腫がある
- 体質(皮下脂肪のつき方)や遺伝的な要因が関係する
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「緊急」症状に該当する場合
- しこりが急に硬くなる、痛む、赤くなるなど変化が見られる場合
定期受診を予約すべき場合:
- 新しいしこりを見つけたが、痛みがなく柔らかい場合
- すでに脂肪腫と言われているが、大きくなってきた、見た目が気になる場合
診断
まず医師がしこりを触って確認します。脂肪腫は典型的な触り方(柔らかく、周囲と境目がはっきりしている)で診断できます。
行われる可能性のある検査
- 画像検査:超音波(エコー)検査を用いて、脂肪の塊であることを確認します。必要に応じてMRI検査が行われることもあります。
- 細胞診・生検:画像検査ではっきりしない場合、針を刺して組織の一部を取って顕微鏡で調べることがあります。
診察で予想されること
診察では、いつからあるか、大きさや痛みの有無、他の場所にもできないかなどを聞かれます。多くの場合はその場で「脂肪腫」と診断され、経過観察になります。
治療
基本的に治療が必要ありません。もし痛みや見た目の問題で気になる場合は、医師に相談し、体への負担が少ない方法を選びます。
自宅でのセルフケア
- 大きさや形の変化を記録する(写真を撮るのもよい)
- しこりを自分で押しつぶしたり、爪でつついたりしない
- 入浴時に触って、新しくできていないか気にかける
医療治療
治療法としては、切り取って小さな傷で取り除く方法、脂肪を細い管で吸い出す脂肪吸引術、薬を注射して縮小を目指す方法があります。どの方法も長所と短所があるため、医師と十分に相談して決めます。
手術が検討される場合
痛みがある、急に大きくなる、動きにくい場所にある、見た目にストレスがある、繰り返し炎症を起こす場合などに、切除が検討されます。
この病気と共に生きる
脂肪腫があっても、日常生活に制限はありません。仕事や運動も通常通り行ってかまいません。
生活習慣のアドバイス
- 定期的に自分の体をチェックする習慣をつけましょう。
- しこりが増えていないか、既存のしこりが大きくないかを見ておくだけで十分です。
- 気になることがあれば、その都度かかりつけ医や皮膚科に相談しましょう。
食事と運動
脂肪腫を予防・改善する特別な食事や運動はありません。バランスの良い食事と適度な運動を続けることは全身の健康に役立ちます。
精神的健康と心の健康
しこりの見た目を気にして「何か悪い病気では」と不安になることもありますが、脂肪腫は良性で、ほっておいても安全なことがほとんどです。不安を抱え込むより、医師に確認してもらい安心するのも大切です。
予防
脂肪腫は、脂肪細胞が増えることによってできるため、今のところ確実に予防する方法はありません。
合併症
治療しない場合
- 大きくならない限り、健康への影響はほとんどありません。
- ごくまれに、時間をかけて大きくなり、見た目や日常生活に支障をきたすことがあります。
- 脂肪腫と間違われる、まれな悪性腫瘍(脂肪肉腫)の可能性を完全に否定するために、診察は受けておきましょう。
長期的な見通し
脂肪腫は良性のできもので、命にかかわる病気ではありません。多くの場合は切除の必要もなく、このままで何年も経過します。気になる症状があれば、医師に相談し、適切な方法で対処すれば安心です。
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最終更新: 2026年7月31日
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