マラリア
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
マラリアは、マラリア原虫という小さな寄生虫が体の中に入り込み、発熱や寒気などさまざまな症状を引き起こす感染症です。感染したメスのハマダラカという蚊に刺されることでうつります。
重要な事実
- マラリアは蚊に刺されることでうつる感染症です。
- 早く見つけて治療すれば、ほとんどは治ります。
- 放置すると重症化することがあるため、海外旅行後は注意が必要です。
- 日本では忘れられがちですが、世界では毎年多くの人が感染しています。
日本でかかる人は多くありませんが、アフリカや東南アジアなど熱帯・亜熱帯の地域ではよく見られる病気です。海外渡航者の間では重要な病気です。
マラリアのいる地域(流行地)を訪れた人がかかりやすい病気です。特に、予防薬を飲んでいない人や、防虫対策をしていない人が感染しやすくなります。妊婦さんや小さな子ども、お年寄りは重症化しやすいと言われています。
症状
- 意識がなくなる
- けいれんが止まらない
- 息が苦しくて呼吸ができていない
- おしっこの色が濃い赤褐色・コーラ色になる
- もうろうとして呼びかけに応じない
- ⚠マラリア流行地域から帰国・渡航後に熱が出た
- ⚠悪寒、けいれん、吐き気、強い頭痛などマラリアを疑う症状がある
- ⚠妊娠中で、流行地に行った後に発熱した
一般的な症状
- 熱が出る(特に38度以上の高熱)
- 寒気やふるえ
- 汗をたくさんかく
- 頭痛がする
- 筋肉や関節が痛む
- 疲れやすく、だるい
- 吐き気や嘔吐(おうと)
子供の症状
- 高熱・けいれん
- ぐったりして意識がぼんやりする
- 呼吸が速くなる、苦しそう
- 食べられない・眠り続ける
高齢者の症状
- 熱が出ないのに、意識がもうろうとする場合がある
- 強いだるさやふらつき
- 食欲が落ち、体力が急に衰える
- せきや息苦しさなど、ほかの病気と症状が似ていることもある
原因
主な原因
- マラリア原虫(プラスモディウム属)を持つメスのハマダラカに刺されることで感染します。
- ヒトからヒトへは直接うつりませんが、輸血や注射器の共用などで感染することがあります。
リスク要因
- マラリア流行地域(アフリカ、東南アジア、南アメリカ、オセアニアなど)を訪れる
- 蚊に刺されないための対策(虫よけ、長袖・長ズボンなど)をしない
- 旅行前にマラリアの予防薬を処方してもらっていない
- 妊娠中・乳幼児・高齢者など、免疫力が十分でない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 流行地から帰ってきた後、1週間以内から数か月以内に熱や寒気が出た
- 急な高熱、意識の変化、強い頭痛、嘔吐が続く
定期受診を予約すべき場合:
- マラリア流行地域への旅行を予定している場合、出発前の4〜6週間前に旅行外来や内科を受診する
- マラリアにかかったことがあり、再発が心配な場合
診断
血液を顕微鏡で調べて、マラリア原虫がいるかどうかを確認します。渡航歴や症状についても詳しく聞かれます。
行われる可能性のある検査
- 血液を薄く塗った標本を顕微鏡で見る検査
- 血液を濃くした標本を使う検査(薄い標本で見つからないとき)
- 抗原検査(マラリア原虫の一部を検出する迅速検査)
- PCR検査(遺伝子を増やして調べる詳しい検査)
診察で予想されること
血液を数回取る場合があります。最初の検査で陰性でも、症状が続く場合は24〜48時間後に再度検査することがあります。結果を待つ間、安静に過ごします。
治療
マラリアは、医師が処方する抗マラリア薬で治療します。薬の種類や治療期間は、感染したマラリアの種類や重症度、患者さんの状態によって異なります。
自宅でのセルフケア
- 十分に休息し、体を温かくして眠る
- 水分をこまめにとる(食欲がなければ少量ずつでも)
- 発熱や寒気がつらいときは、医師や薬剤師に相談して対処する
- 体がだるい間は、無理をせずに安静にする
医療治療
抗マラリア薬は病院で処方されるもので、必ず指示された期間と回数を守って飲みましょう。症状が重い場合は、入院して点滴などによる治療が必要になることもあります。薬の種類は、感染した原虫の種類と患者さんの状態で選ばれます。自己判断で市販薬を使ってはいけません。
手術が検討される場合
マラリアに対して手術は行いません。
この病気と共に生きる
マラリアの治療中は、寝る時間をしっかりとり、無理をしないことが大切です。薬は途中でやめず、指示どおりに飲み終えましょう。症状が良くなっても、疲れなどが続くことがあります。
生活習慣のアドバイス
- 調子が戻るまで、激しい運動や長時間の活動は控える
- 虫刺されを予防するため、蚊に刺されない環境づくりを続ける
- 日ごろから体調の変化をメモしておくと、受診時に役立つ
食事と運動
食欲があれば、バランスのよい食事を少しずつとりましょう。水分は特に大切です。体力が落ちている間は、激しい運動は避け、散歩から始めるなど、ゆっくり体を慣らしてください。
精神的健康と心の健康
感染の不安や、なかなか疲れが取れないことにストレスを感じる人もいます。気持ちのつらさや不安をひとりで抱えず、家族や友人、医療者に話してみましょう。
予防
マラリアは予防できます。最も大切なのは、蚊に刺されないことと、流行地へ行く前に医師から予防薬を処方してもらうことです。
ワクチン
マラリアのワクチンは一部の地域で子どものために使われていますが、一般的な旅行者が日本で接種できるものではありません。ワクチンに頼らず、蚊の対策と予防薬が中心です。
検診プログラム
日本ではマラリアの定期的な検診は行われていません。ただし、流行地から帰国後に症状がなくても、保健所などで相談できることがあります。妊娠を計画している人は、渡航前に医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 重症化して脳の血管にまで感染が広がる『脳性マラリア』(意識障害やけいれん)
- 赤血球が壊れて貧血が進む
- 腎臓や肝臓などの臓器が障害を受ける
- ひどくなると死に至ることがある
長期的な見通し
マラリアは、早期に診断して正しい治療を受ければ、ほとんどは完治し、元の生活を取り戻せます。治療が遅れても、病院で適切な治療を受けることで回復が期待できます。感染が分かったら、あわてずに医師の指示に従うことがいちばんです。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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