良性肺腫瘍(肺にできる良性のしこり)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
良性肺腫瘍(りょうせいはいしゅよう)とは、肺の中にできるしこりのうち、がんではないものをいいます。正常な細胞がかたまってできたもので、まわりの組織に広がったり、ほかの臓器に飛んだりすることはありません。
重要な事実
- がんではありません。
- 多くは症状がありません。
- 定期的な経過観察だけで済むことが多いです。
- 健康診断や別の病気の検査で偶然見つかることが多いです。
肺にできるしこりのうち、良性であることは少なくありません。ただし、良性肺腫瘍自体はあまり多い病気ではなく、健康診断で見つかる肺の影の一部がこの病気にあたります。
どの年齢でも見つかる可能性がありますが、特に中高年の方で、健康診断や人間ドックでCT検査を受ける機会の多い人に見つかりやすいです。たばこを吸う人にも吸わない人にも起こります。
症状
- 突然、息ができなくなるほど苦しくなったら、すぐに119番に連絡してください。
- 大量の血(鮮やかな赤い血)を吐いたら、すぐに119番に連絡してください。
- 突然、胸に激しい痛みが走ったら、すぐに119番に連絡してください。
- ⚠たんに血が混じる
- ⚠2週間以上続くせき
- ⚠発熱を伴うせきや胸の痛み
- ⚠急に息苦しくなる(ただし、我慢できる程度)
一般的な症状
- 症状がないことがほとんどです。
- 腫瘍が大きくなると、せきが続くことがあります。
- たんに血が混じることがあります。
- 胸の痛みや圧迫感を感じることがあります。
- 息苦しさを感じることがあります。
原因
主な原因
- はっきりした原因はわかっていません。
- 過去の肺の感染症や炎症のあとにできることがあります。
- 肺の組織が何らかの理由で異常に増えてしこりになることがあります。
リスク要因
- 喫煙(たばこを吸うこと)は、肺の病気全体のリスクを高めます。
- 過去に肺の炎症や感染症を繰り返したことがある。
- 加齢(年をとること)によって、しこりが見つかりやすくなります。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- たんに血が混じる
- 息苦しさが続く
- 胸の痛みが強くなる
- せきが長く続いて眠れない
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で肺に影やしこりを指摘された
- せきが2週間以上続く
- 長引くたんや胸の違和感がある
診断
まず画像検査を行い、しこりの形や大きさを確認します。必要に応じて、しこりの一部を採取して顕微鏡で調べる組織検査を行います。この組織検査が、良性か悪性かを判断する最も確実な方法です。
行われる可能性のある検査
- 胸部X線(レントゲン)検査
- CT検査(体の断面を詳しく撮る検査)
- 気管支鏡検査(カメラつきの細い管を鼻や口から入れて肺の中を調べる検査)
- 生検(しこりの一部を針や管で採取して顕微鏡で調べる検査)
診察で予想されること
まずかかりつけ医の診察を受けます。画像検査でしこりの特徴を確認し、良性が強く疑われる場合は、定期的に同じ検査を繰り返して経過を見ます。判断が難しい場合は、呼吸器の専門の病院を紹介されます。
治療
良性肺腫瘍の多くは、治療の必要がなく、定期的に画像検査で変化を確認する経過観察を行います。もし症状がある、大きくなる、良性か悪性か区別がつかない場合は、手術で取り除くことが検討されます。
自宅でのセルフケア
- かかりつけ医の指示どおりに定期検査を受ける
- 禁煙をする(吸っている人)
- たばこの煙を避ける
- 呼吸の状態の変化を記録する
- 不安なことは早めに医師に相談する
医療治療
良性肺腫瘍は、通常、薬で小さくする治療は行いません。せきなどの症状を和らげるための薬が使われることはありますが、腫瘍そのものをなくす目的ではありません。治療方針は、医師があなたの状態に合わせて説明したうえで決められます。
手術が検討される場合
以下の場合には手術が検討されます。①腫瘍が大きくて周りの組織を圧迫している、②せきや息苦しさなどの症状がある、③良性か悪性かの区別がつかない、④腫瘍がだんだん大きくなっている。手術の方法は、胸を開く方法と、胸の小さな穴から行う方法(胸腔鏡手術)があります。腫瘍の場所や大きさ、体の状態によって選ばれます。
この病気と共に生きる
良性肺腫瘍と診断されたら、多くの人は普通の日常生活を送ることができます。ただし、腫瘍の状態を見るために、定期的な画像検査を続けることが大切です。急に症状が変わったときは、早めに医師に相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する
- たばこの煙を避ける
- バランスの良い食事をとる
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスをためないようにする
食事と運動
特別な食事制限はありません。肺の健康のため、野菜や果物を多くとり、適度な運動を続けることがすすめられます。ただし、運動中に息苦しさを感じる場合は、無理をせず医師に相談しましょう。
精神的健康と心の健康
肺にしこりがあると知ると、多くの人が不安になります。『がんではないか』という心配は自然なことです。ひとりで抱え込まず、医師や看護師、家族に気持ちを話してください。つらい気持ちが続くときは、心の健康の専門家(精神科医や臨床心理士)、地域の相談窓口を利用できます。誰かに話すことが安心につながります。
予防
良性肺腫瘍そのものを予防する方法はまだわかっていません。しかし、肺の健康を保つために、禁煙、受動喫煙の回避、バランスの良い食事、適度な運動が大切です。
ワクチン
肺炎やインフルエンザのワクチンは、肺の感染症を防ぐ助けになります。特に高齢者や持病のある人は、かかりつけ医に相談して接種を検討しましょう。
検診プログラム
日本では、厚生労働省の指導のもと、多くの健康診断や人間ドックに胸部X線検査が含まれています。肺のしこりが早期に見つかるきっかけになります。喫煙する人は、かかりつけ医と相談のうえ、定期的なCT検査を受けることもあります。
合併症
治療しない場合
- 腫瘍が大きくなって気道を圧迫し、せきや息苦しさが続くことがあります。
- 腫瘍の内部で出血することがまれにあります。
- 良性と診断されていても、悪性の変化がないか経過観察が必要です。
- 良性か悪性か判断できないまま放置すると、適切な治療の機会を逃すことがあります。
長期的な見通し
良性肺腫瘍は、原則として命に関わる病気ではなく、予後は良好です。経過観察が必要な場合も、多くはそのまま安定しています。治療が必要になっても、手術後の経過は良好なことがほとんどです。安心してかかりつけ医と相談しながら過ごしてください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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