骨肉腫(こつにくしゅ)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨肉腫(こつにくしゅ)は、骨にできる悪性(あくせい)の腫瘍(がん)です。骨をつくる細胞が異常に増えてしまうことで起こります。肘や膝の近くにできることが多く、骨の痛みや腫れ、動かしにくさなどの症状が現れます。
重要な事実
- 骨肉腫は骨にできるがんの中で、最も多い種類のひとつです。主に腕や脚の長い骨(太ももの骨やすねの骨など)にできます。
- 10代から20代前半の若い世代に多く見られますが、乳児から高齢者まで、どの年齢でも起こりうる病気です。
- 治療は専門の医療機関で行われます。手術と薬による治療(化学療法)を組み合わせることで、多くの患者さんが治る可能性があります。
骨肉腫はとてもまれながんです。すべてのがんの中で、骨肉腫が占める割合は1%未満と言われています。日本では年間に約200~300人が診断されるとされています。
最も多いのは10代の成長期で、男の子にやや多く見られます。また、50~60代以降の高齢者でも起こることがあります。特に骨の病気(ペジェット病)がある方はリスクが高くなります。
症状
- 突然の激しい痛みで動けない
- 骨が折れたような感覚がある
- 意識がぼんやりする
- 息が苦しい
- ⚠痛みが数週間続いている
- ⚠腫れがどんどん大きくなる
- ⚠足に力が入らず立つことができない
一般的な症状
- 骨の痛み(特に夜間や運動したときに強くなることが多い)
- 骨の一部が腫れて触ると熱っぽい
- 痛みのために足を引きずる(跛行(はこう))
- 強い痛みやきっかけがなく骨が折れる
子供の症状
- 子どもの場合、スポーツやケガによる痛みと間違えられることがあります。痛みが数週間続いたり、腫れが引かなかったりする場合は、医療機関を受診しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者の場合、関節炎や加齢による痛みと似ているため、発見が遅れることがあります。新しい痛みが続くときは、腰や手足のX線検査を受けることが大切です。
原因
主な原因
- 骨肉腫の原因はまだ十分に解明されていません。細胞の遺伝子に変化が起こり、骨をつくる細胞が異常に増えてしまうことが関係していると考えられています。
リスク要因
- 過去に別のがんに対して放射線治療を受けたことのある人
- Li-Fraumeni症候群など、遺伝性の病気を持つ人
- 高齢者でペジェット病という骨の代謝の病気を持つ人
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 痛みが強くなり、夜も眠れないほど痛い、または腫れが急速に大きくなっている場合は、早急に整形外科を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 骨や関節の痛み、違和感が2週間以上続いている場合。特に10代の子どもや若い人に脚や腕の骨の痛みが続く場合は、骨肉腫の可能性もあるため、一度医師に相談しましょう。
診断
まずは問診と診察を行い、X線検査などで骨の状態を確認します。がんの疑いがある場合には、造影(ぞうえい)MRIやCT検査で詳しく調べ、さらに組織を採取して顕微鏡で調べる生検(せいけん)という検査をして確定診断を行います。
行われる可能性のある検査
- X線検査(レントゲン):最初に行う基本的な画像検査
- MRI検査:骨や周りの筋肉、神経への広がりを詳しく確認する
- CT検査:胸や肺への転移がないか調べる
- 骨シンチグラフィ(骨スキャン):全身の骨に病巣がないか調べる
- 生検(せいけん):局所麻酔をして針などで組織の一部を採り、顕微鏡でがん細胞を確認する
診察で予想されること
検査には数日から数週間かかります。確定診断のあと、治療方針を決めるために、患者さんやご家族と医師が十分に話し合うことが重要です。
治療
骨肉腫の治療は、がんの大きさ、場所、転移の有無、年齢や全身状態に合わせて決定されます。一般的には、手術と薬による治療(化学療法)を組み合わせた集学的治療が行われます。多くの場合、治療は長期になりますが、一定のペースで進みます。
自宅でのセルフケア
- 治療中は無理をせず、十分な休養をとる
- 栄養バランスのよい食事を心がける(骨を回復させるために十分なカロリーとたんぱく質をとる)
- 痛みや副作用がある場合は、我慢せずに医師や看護師に相談する
医療治療
薬による治療(化学療法)は、がん細胞を攻撃する薬をいくつか組み合わせて用いる方法で、手術の前後に行われることが多いです。また、放射線を使う治療を併用する場合もあります。治療を受ける際は、副作用について医師と相談しながら進めます。使用する抗がん剤には複数の種類がありますが、医師が患者さんの状態に合わせて選択します。
手術が検討される場合
手術では、がんを含む骨の部分を切除します。手足の骨であれば、人工の関節や金属(インプラント)で再建して、できるだけ自分の脚や腕を残せるようにする方法が選ばれます。がんが広範囲にわたる場合などには、切断が必要になることもありますが、最近の医学では手足を温存できる手術が増えています。
この病気と共に生きる
治療が終わった後も、再発や転移がないかを見守るための定期的な通院が必要です。最初は数か月に一度、その後は一年に一度など、医師の指示に従って画像検査を受けます。
生活習慣のアドバイス
- 定期的に通院し、指示された画像検査を受ける
- 激しい運動は避け、医療チームの許可があるまで骨に負担をかけすぎない
- 日常生活では、転倒やけがに注意する
食事と運動
骨の健康を保つために、カルシウムやビタミンDを含む食品(牛乳、小魚、豆腐、きのこなど)を適度に摂りましょう。運動は、治療後の状態に合わせて理学療法士などの指導のもとで少しずつ行うのが安全です。
精神的健康と心の健康
がんという診断は、本人だけでなく家族にも大きな影響を与えます。不安や悲しみ、怒りなど、さまざまな気持ちが湧いてくるのは自然なことです。無理に明るく振る舞う必要はありません。心理的なサポートを提供してくれる相談窓口や医療チームを活用しましょう。
予防
骨肉腫は正常な細胞の変化によって起こるため、現時点では予防する方法はわかっていません。しかし、早期発見・早期治療が重要です。特に小児や思春期の子どもに長引く骨の痛みがあれば、早めに受診してください。
合併症
治療しない場合
- そのまま放置すると、がんが骨の中や周りの組織に広がる
- 肺や他の骨などに転移する
- 転移が起きると治療がより困難になる
長期的な見通し
骨肉腫は治療が進歩し、手足の温存と治癒を両立できる患者さんが増えています。診断を受けた当初は不安が大きいかもしれませんが、専門の医療チームとともに治療に取り組むことで、良好な経過を目指すことができます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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