アッシャー症候群(難聴と視力障害をともなう遺伝性の病気)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アッシャー症候群は、生まれつきの遺伝子の変化によって起こる病気です。聴こえにくさ(難聴)と、夜見えにくい・視野が狭くなるなどの視力の問題(網膜色素変性症)がゆっくり進みます。平衡感覚に影響が出ることもあります。
重要な事実
- 難聴は子ども時代に気づかれることが多く、視力の問題はその後ゆっくり進むことが多いです。
- この病気は感染するものではなく、相手にうつることはありません。
- 症状の進み方は人によって違うため、一人ひとりに合わせた支援と定期的な検査が大切です。
アッシャー症候群は、まれな病気です。およそ2万人から3万人に1人くらいの割合で見られると言われています。
男女を問わず、世界中のどの地域でも見られます。視覚と聴覚の両方に症状が出るため、早期に気づき、学校や日常生活で支援を受けることが大切です。
症状
- 急に片方または両方の耳がまったく聞こえなくなった場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 急に視野が極端に狭くなったり、視力が急激に落ちたりした場合は、すぐに医師の診察が必要です。
- ⚠転んでけがをしやすいほどのふらつきやめまいが続く場合は、早めに受診してください。
- ⚠視野や聴力の変化が日常生活に影響してきた場合は、なるべく早くかかりつけ医や専門医に相談してください。
一般的な症状
- 生まれつきまたは幼い頃からの聴こえにくさ(難聴)
- 夜間や暗い場所で見えにくくなる(夜盲症)
- 視野が次第に狭くなる(トンネル視野)
子供の症状
- 言葉の発達が遅れているように見える
- 呼んでも振り返らないなど音に反応しにくい
- 目をこする、暗いところを怖がるなどの行動の変化
高齢者の症状
- 視力低下が進み、読書や移動が難しくなる
- 物につまずいたり、転んだりすることが増える
- 聴力がさらに低下し、会話が聞き取りにくくなる
原因
主な原因
- 親から受け継ぐ遺伝子の変化が原因で起こります(遺伝性の病気)。
- 特定の遺伝子に変化があると、耳と目の感覚細胞がうまく働かなくなると考えられています。
- 家族に同じ病気の人がいなくても、珍しい型の遺伝子変化で起こることがあります。
リスク要因
- 両親や近い親族にアッシャー症候群の人がいる
- 難聴と視覚障害を同時に持つ家族歴がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然、耳が聞こえにくくなったり、視力や視野に急な変化があったりした場合
- けがを伴うほどの転倒や、強いめまいが続く場合
定期受診を予約すべき場合:
- 子どもが言葉の遅れや音への反応の悪さなどが気になるとき
- 夜間の視力低下や視野が狭くなっていると感じたとき
- 難聴の進行や補聴器の調整について相談したいとき
診断
アッシャー症候群は、耳鼻咽喉科と眼科の両方で詳しい検査を行います。聴力の程度、視力や視野、そして平衡感覚の状態を確認し、必要に応じて遺伝子検査を行います。複数の専門医が一緒に診ることが一般的です。
行われる可能性のある検査
- 聴力検査(オージオグラム)
- 視野検査(周辺の見え方を調べる検査)
- 眼底検査(網膜の状態を調べる検査)
- 平衡機能検査(バランスの状態を調べる検査)
- 遺伝子検査(確定診断のために行うことがある)
診察で予想されること
診断には数週間から数か月かかることがあります。結果をもとに、難聴への対応、視覚の補助具、生活での支援、将来の見通しなどについて、具体的なアドバイスを受けることができます。
治療
現在のところ、アッシャー症候群そのものを治す薬はありません。大切なのは、残っている聴力と視力を生かし、生活しやすくするための支援を受けることです。補聴器や人工内耳、視覚補助具、歩行訓練などを組み合わせて、その人に合った方法を選びます。
自宅でのセルフケア
- 定期的に聴力と視力の検査を受ける
- 暗い所での転倒を防ぐため、家の照明を明るくする
- メガネやコンタクトを正しく使い、視力を最大限に保つ
- 家族や周囲に自分の症状を伝え、必要なサポートをお願いする
医療治療
薬による治療は症状を止めるものではなく、現在のところ広く使えるものはありません。ただし、聴力には補聴器や人工内耳などの機器、視力には弱視用のルーペや遮光眼鏡などが使われることがあります。専門医が状況に合わせて選択肢を説明します。特定の薬の名前や用法を自己判断で使わないでください。
手術が検討される場合
高度の難聴がある場合、人工内耳の手術が検討されることがあります。手術が適しているかどうかは、聴力の程度や年齢、生活の状況を専門医が詳しく評価して決めます。
この病気と共に生きる
アッシャー症候群があっても、多くの人は学校や仕事を続け、社会参加しています。聴力と視力を補う道具や環境の工夫を組み合わせることで、生活の質を保てます。困ったことは早めに相談し、支援を活用しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 視力が低下することを見据えて、早い段階から歩行訓練や点字の学習などの準備をする
- 社会資源(障害者手帳や福祉サービスなど)を活用する
- 定期的に眼科と耳鼻咽喉科を受診し、変化を記録する
食事と運動
特別に禁止される食べ物はありません。バランスのよい食事を心がけ、転倒を防ぐために安全な範囲で体を動かすことが大切です。目や耳の症状が進行している場合は、運動の方法について医師や理学療法士に相談してください。
精神的健康と心の健康
見え方と聞こえ方の両方に不安があると、ストレスや落ち込みを感じることがあります。そのような気持ちは自然なことです。一人で抱え込まず、家族や友人、カウンセラーに話すことが役立ちます。つらい気持ちが続くときは、医療機関や支援団体に相談してください。
予防
アッシャー症候群は遺伝子の変化による病気のため、現時点では予防することはできません。ただし、家族に同じ病気の人がいる場合は、遺伝カウンセリングを受けて、将来のことを専門家と一緒に考えることができます。
ワクチン
この病気を予防するワクチンはありません。
検診プログラム
新生児聴覚スクリーニングなどで難聴が早期に見つかることがあります。視覚の問題については、原因がはっきりしない視力低下がある場合に眼科で検査を受けることができます。
合併症
治療しない場合
- 聴力の低下が進むと、会話や日常生活の情報を得ることが難しくなることがあります。
- 視野が狭くなったり、夜間の見えにくさが進むと、転倒や交通事故のリスクが高まります。
- 症状を伝えられないことで、学校や職場でストレスを感じることもあります。
長期的な見通し
アッシャー症候群の経過は人によって大きく異なります。たとえ視力や聴力が低下しても、補聴器や視覚補助具、福祉サービス、周囲の理解などの支援を受けることで、多くの人が仕事や趣味を続けています。医学的な支援に加えて、生活環境を整えることで前向きに暮らせます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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