膿精子症(のうせいししょう)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
膿精子症(のうせいししょう)とは、精液の中に白血球(免疫細胞)が普段より多く含まれる状態のことです。白血球は体を守る細胞ですが、精液中に増えすぎると精子の動きや質に悪影響をおよぼすことがあります。
重要な事実
- 精液検査で見つかることが多いです
- 自覚症状がないこともあります
- 感染症や生活習慣が原因になることがあります
男性不妊の検査を受ける人の数%から10%程度で見つかることがあるとされています。正確な頻度ははっきりしませんが、決して珍しい状態ではありません。
思春期以降の男性、特に生殖年齢の男性に多く見られます。前立腺炎や性感染症の既往がある人に起こりやすいです。
症状
- 突然の高熱と悪寒
- 重度の下腹部痛や陰嚢の激痛
- 尿がまったく出ない
- 意識がもうろうとする
- ⚠血尿が出る
- ⚠39度以上の発熱がある
- ⚠陰嚢が腫れて強い痛みがある
- ⚠精液に血が混じっている
- ⚠排尿痛が強く我慢できない
一般的な症状
- 多くの場合は自覚症状がありません
- 精液の色が黄色っぽくなる、または血が混じる
- 射精するときの痛み
- 陰嚢(いんのう)の不快感
- 排尿時の痛み
- トイレが近い、尿が出にくい
子供の症状
- 小児ではほとんど見られない状態です。もし疑われる症状がある場合は、小児泌尿器科の受診をおすすめします。
高齢者の症状
- 前立腺の炎症や尿路感染症に伴って見られることがあります。頻尿、排尿痛、残尿感などの排尿トラブルを伴うことが多いです。
原因
主な原因
- 前立腺炎、精巣上体炎、尿道炎などの炎症や感染症
- 性感染症(クラミジア、淋菌など)
- 尿路感染症
- 精索静脈瘤(精巣の周りの静脈の血流が悪くなる状態)
- 喫煙、過度の飲酒、ストレスなどの生活習慣
- まれに薬やサプリメントの影響
リスク要因
- コンドームを使わない性行為(性感染症のリスクが高まる)
- 過去に泌尿器の感染症にかかったことがある
- 長時間座りっぱなしの仕事や自転車利用が多い
- 免疫力が低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼ぶか、救急外来を受診してください。
- 高熱、強い痛み、血尿がある場合は、当日中に泌尿器科を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 精液検査で白血球が多いと言われた場合
- 不妊で気になっており、精液検査を受けてみたい場合
- 排尿時や射精時の痛みが続いている場合
- 尿の回数が多い、残尿感があるなどの排尿トラブルがある場合
診断
診断は主に精液検査(精液分析)で行います。精液中の白血球数が一定以上(WHOの基準では1ミリリットルあたり100万個以上)の場合、膿精子症と診断されます。また、詳しく原因を調べるために問診や身体診察、その他の検査も行われます。
行われる可能性のある検査
- 精液検査
- 血液検査
- 性感染症の検査(尿やおりものなど)
- 超音波検査(陰嚢や前立腺をみる)
診察で予想されること
受診してから検査、結果の説明まで数週間かかることがあります。精液検査は2〜5日の禁欲期間を設けてから行うのが一般的です。痛みをともなう検査はほとんどありません。
治療
治療は、原因となっている感染症や炎症を改善することが基本です。原因を特定して、それに合わせた治療を行います。多くの場合、抗菌薬や抗炎症薬が使われますが、薬の種類や飲み方は医師が処方します。
自宅でのセルフケア
- 十分な水分をとる
- バランスの良い食事を心がける
- 禁煙する、お酒は控えめにする
- 適度な運動を行う
- ストレスをためないようにする
- 性感染症を防ぐためコンドームを正しく使う
医療治療
感染症が原因の場合は抗菌薬、炎症が原因の場合は抗炎症薬などが処方されます。また、前立腺の炎症が続いている場合は、前立腺マッサージなどの理学療法が行われることもあります。医師の指示に従い、勝手に薬をやめたり、副作用を自己判断せずに必ず相談してください。
手術が検討される場合
まれに精索静脈瘤(静脈の血流が悪くなる状態)などが原因で手術が必要な場合があります。手術が必要かどうかは、泌尿器科専門医が検査結果をもとに判断します。
この病気と共に生きる
膿精子症そのもので日常生活が大きく変わることはほとんどありません。ただし、原因となる炎症や感染がないか、定期的に通院して経過をみることが大切です。治療中は医師の指示を守りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日入浴・シャワーで清潔を保つ
- 通気性の良い下着を選ぶ
- 長時間の座位を避け、こまめに立ち上がる
- ウォーキングや水泳など軽い運動を習慣にする
- 性感染症の予防を心がける
食事と運動
抗酸化作用のある食べ物(野菜、果物、魚など)を意識し、偏りのない食事をとりましょう。過度な運動は逆に体に負担をかけることがあるので、ほどほどに。
精神的健康と心の健康
不妊や性の健康に関する問題は、心の負担になることもあります。一人で悩まず、パートナーや医師に話しましょう。必要に応じてカウンセリングを利用するのも一つの方法です。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、性感染症を予防すること、生活習慣を整えることでリスクを下げられます。また、症状がなくても健康診断や不妊相談で早めにチェックすることが大切です。
ワクチン
性感染症の中にはワクチンで予防できるものもあります(例:HPVワクチン)。自分に合うワクチンがあるか、医師に相談してみましょう。
検診プログラム
症状がなくても、精液検査や尿検査を受けることができます。不妊を気にしている場合や、尿のトラブルが続いている場合は、早めに泌尿器科を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 原因の感染症が悪化し、前立腺や精巣などに炎症が広がる
- 精子の質が低下して不妊につながる可能性がある
- まれに精膿瘍(精巣周囲に膿がたまる)などの合併症を起こす
長期的な見通し
多くの場合、原因を治療すれば改善します。不妊の原因として見つかった場合でも、適切な治療と生活改善により精子の状態は良くなることが期待できます。希望を持って、医師と一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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