ジアルジア症
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ジアルジア症は、ジアルジアという小さな寄生虫が小腸に感染しておこる病気です。感染した人の便に含まれる寄生虫が口に入ることでうつり、下痢や腹痛、おなかの張りなどの症状が現れます。
重要な事実
- 主な感染経路は、汚染された水や食べ物を口にすることです。
- 下痢などの症状が続きますが、適切な治療でほとんどが治ります。
- 乳幼児や免疫力が低下している人は、脱水などに注意が必要です。
世界のさまざまな地域でみられる一般的な感染症です。特に、水道設備が十分でない地域や、保育施設などの集団生活の場で流行することがあります。
誰でもかかる可能性がありますが、子ども、海外旅行者、キャンプなどで川や湖の水をそのまま飲む人、免疫力が低下している人に多くみられます。
症状
- 激しい腹痛が続く
- 便に血が混じる
- ぐったりしている、意識がもうろうとする
- 水分を口にしても吐いてしまい、全くとれない
- おしっこがほとんど出ない
- これらの症状がある場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- ⚠下痢が続き、めまいや立ちくらみがある
- ⚠おう吐や下痢で食事がとれない
- ⚠38℃以上の発熱がある
- ⚠強い腹痛がある
- ⚠数時間おしっこがほとんど出ない
一般的な症状
- 水のような下痢(悪臭をともなうことがある)
- 腹部のけいれんや痛み
- おなかが張る、ガスがたまる
- 吐き気やおう吐
- 食欲の低下
- 微熱(ときにみられる)
子供の症状
- 下痢による脱水(ぐったりする、おしっこの量が減る)
- 体重が減る、または増えない
- おむつかぶれがひどくなる
- おう吐が強い
高齢者の症状
- 脱水が進みやすい(めまい、立ちくらみ)
- だるさや倦怠感が強い
- 食欲が落ちて体重が減る
- 下痢が長引くことがある
原因
主な原因
- ジアルジアに感染した人の便に含まれるシスト(虫卵のようなもの)を口から取り込むことで感染します。
- 汚染された飲み水や井戸水、川や湖の水を飲むことで感染します。
- 汚染された生野菜や果物、調理が不十分な食べ物を食べることで感染します。
- 感染者が触れたドアノブやおもちゃなどを介して手から口へうつることもあります。
リスク要因
- 衛生設備が整っていない地域への旅行
- キャンプやハイキングで川や湖の水をそのまま飲むこと
- 保育施設など集団生活の場で過ごす子どもやその家族
- 免疫力が低下している人
- オーラルセックスなど性的な経路による感染の報告もあります。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい下痢が続き、脱水の症状がある
- 血便や高熱がある
- 水分が口に入らない
- 症状が1週間以上続く
定期受診を予約すべき場合:
- 下痢が数日続くが、比較的軽い
- 海外旅行から帰った後に下痢が続く
- 周囲に感染した人がいる
診断
医療機関では、便の検査によって診断します。寄生虫のシスト(卵のようなもの)や寄生虫の成分を調べる検便検査が一般的です。
行われる可能性のある検査
- 便検査(顕微鏡でシストを調べる)
- 便中の抗原検査(寄生虫の成分を検出する)
- 必要に応じて血液検査(脱水や栄養状態を調べる)
診察で予想されること
検査は簡単で、自宅で便を採取して提出することもできます。結果が出るまでに数日かかることがあります。医師の指示に従ってください。
治療
治療は、下痢や脱水への対処といった症状をやわらげるケアと、寄生虫をやっつける薬(抗寄生虫薬)の服用が中心です。症状が軽い場合は薬を使わずに自然に治ることもありますが、医師と相談して方針を決めるのが安心です。
自宅でのセルフケア
- こまめな水分補給(経口補水液や薄い塩水、お茶など)
- 十分に休養をとる
- トイレの後や食事前には必ず手を洗う
- 回復するまで同居の人とタオルや食器を分ける
- アルコールやカフェインを避ける
医療治療
医師が処方する抗寄生虫薬が基本です。症状に合わせて、吐き気をしずめる薬や下痢止めなどが使われることもあります。薬は必ず医師の指示に従い、処方された期間は途中でやめずに飲み切ってください。
手術が検討される場合
この病気に対して手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
感染している間は、下痢や腹痛でつらい時期がありますが、多くの場合は数週間で回復します。焦らずに、水分補給と休養を中心に1日を過ごしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 清潔な水を飲む(特に海外ではペットボトルや煮沸した水を使う)
- 手洗いを徹底する(食事前とトイレの後)
- 症状が落ち着くまで、プールや温泉は控える
- タオルや食器を家族と共用しない
食事と運動
胃腸を休めるために、最初はおかゆやうどん、バナナなど消化の良いものを食べましょう。乳製品や油っこい食事、辛いものは一時的に避けてください。激しい運動は脱水を悪化させるため、回復するまで休みましょう。
精神的健康と心の健康
下痢が続くと外出や人付き合いをためらい、つらい思いをすることがあります。この感染症は適切に対処すれば治ります。困ったときは医療者や身近な人に相談してください。療養中に孤立感を感じる場合も、自治体や医療機関のサポートを受けられます。
予防
はい、予防可能です。手洗いの徹底と、安全な水・食べ物を選ぶことが大切です。特に海外では生水や氷を避け、飲み水はペットボトルか煮沸したものを使いましょう。厚生労働省も、基本的な衛生対策として手洗いや食品の十分な加熱をすすめています。
ワクチン
ジアルジアを予防するワクチンは現在ありません。
検診プログラム
一般的な集団検診はありませんが、集団発生時には保健所が調査を行います。症状がある場合は、検査を受けることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 脱水症や電解質異常(体のミネラルのバランスが崩れる)
- 体重減少や栄養不良
- 小腸での栄養の吸収障害による慢性の下痢
- 乳糖不耐症(乳製品をとると下痢が起こりやすくなる)
- 免疫力が低下している人での感染の慢性化
長期的な見通し
ジアルジア症は適切な治療を受ければ、ほとんどの場合数週間で改善し、後遺症が残ることはまれです。症状が長引いたり再発したりする場合もありますが、医師と相談しながら治療を続ければ、十分に回復が見込めます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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