回虫症(かいちゅうしょう)について知ろう
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
回虫は、人の小腸にすむ寄生虫です。回虫症とは、その回虫が体の中に入って感染し、腹痛や下痢などの症状が出る病気です。土の付いたものを口にすることで感染します。
重要な事実
- 回虫症は、世界中で最も多い寄生虫感染症の一つです。
- 日本では減っていますが、海外旅行や輸入食品などで感染することがあります。
- きちんと治療すれば治る病気です。検査と治療は医療機関で受けられます。
日本では近年あまり見られませんが、世界では約8億人が感染していると言われています。衛生環境が十分でない地域では、子どもを中心に今も多く見られます。
子ども(特に5〜15歳)に多く見られます。また、トイレや水道設備が整っていない地域に住む人や訪れる人も感染しやすいです。
症状
- 激しい腹痛が突然始まった、または絶え間なく続く
- 吐いたものに虫が混じっている
- お腹が張って、息が苦しい
- 水も飲めないくらい吐き続ける
- これらがある場合は、すぐに119番へ電話して救急車を呼んでください。
- ⚠便に虫が混じっているのを見つけた
- ⚠数日続く腹痛や下痢がある
- ⚠体重が急に減った、または顔色が悪い
- ⚠こういった症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
一般的な症状
- お腹が痛い(特にへその周り)
- お腹が張る、気持ちが悪い
- 便に白くて長い虫が混じる
- 食欲がない、体重が減る
子供の症状
- お腹の痛みを言葉にできず、不機嫌になることがあります
- 咳が続くことがあります(幼虫が肺を通るとき)
- 発育が遅れる、やせてくる
高齢者の症状
- 症状があまり出ないこともありますが、腹痛や吐き気が続くことがあります
- 腸閉塞など重い合併症を起こしやすいです
- 全身の衰弱や誤嚥性肺炎のリスクも高まります
原因
主な原因
- 回虫の卵が付いた手で食べ物を食べることで、卵が口から体内に入ります。
- 卵は土壌の中で成熟し、糞便で汚染された土や水、生の野菜などを通して感染します。
- 卵は口から入ってもすぐに成虫になるわけではなく、幼虫が肺を通って再び腸へ戻る過程で、咳やアレルギー症状を起こすことがあります。
リスク要因
- 海外の衛生環境があまり整っていない地域に長期間滞在する
- 幼い子どもがいる家庭で、砂場や土で遊んだ後によく手を洗わない
- 生野菜や果物をしっかり洗わずに食べる
- 井戸水や生水をそのまま飲む
- 農業や土いじりなどで土に触れることが多い
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状があるときは、ためらわずに救急車を呼んでください。
- 急に強い腹痛が始まった、黄疸(皮膚や目が黄色い)が出た、寄生虫を吐いたなどの症状は当日中に受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 感染が心配だが症状は軽い場合、かかりつけ医に相談して便検査を受けてください。
- 海外から帰国後、体調に不安がある場合も検査を受けるとよいでしょう。
- 家族や同居者に感染が疑われる人がいる場合も検査を検討してください。
診断
便の中に回虫の卵が出ていないか、顕微鏡で調べる便検査が基本です。回虫は毎日卵を産むわけではないので、1回の検査で見つからないこともあります。医師の指示に従って、日を変えて数回検査することもあります。
行われる可能性のある検査
- 便検査:専用の容器に少し便を入れて提出します。
- 血液検査:貧血やアレルギー反応、抗体の有無を調べます。
- 腹部エコー・CT:虫が胆管や腸に詰まっていないか、成虫の存在を確認します。
診察で予想されること
診察では、海外渡航や住んでいる地域の衛生状態、手洗いの習慣などを聞かれます。必要に応じて便検査キットが渡され、後日結果を確認します。感染が確認されたら治療について詳しく説明があります。
治療
治療は、寄生虫を体外に出す駆虫薬を飲むのが基本です。市販薬ではなく、医師が処方します。服用後、数日以内に便と一緒に虫が体の外へ出てきます。
自宅でのセルフケア
- 治療中は、トイレの後と食前に石けんでしっかり手を洗いましょう。
- 下痢が続くときは、スポーツドリンクやお茶などで水分補給をして休みましょう。
- 家族にうつさないように、タオルや下着を共用しないなどの注意も大切です。
医療治療
駆虫薬は、医師が症状や年齢、妊娠の有無などを考慮して、安全な方法で処方します。通常は数日間の服用で治りますが、まれに数週間後に追加の治療が必要になることがあります。
手術が検討される場合
回虫が腸や胆管を塞いでしまうと、閉塞を解除する処置や手術が必要になることがあります。ただし、これはまれなケースで、ほとんどの場合は薬で治ります。
この病気と共に生きる
治療を始めれば、数日で症状は落ち着いてきます。完治までしっかり通院し、医師の指示どおりに薬を飲みきってください。
生活習慣のアドバイス
- 手洗いを習慣にし、爪を短く保ちましょう。
- 野菜や果物は流水でよく洗ってから食べましょう。
- 土いじりやガーデニングの際は手袋をする、作業後は手を洗うようにしましょう。
- 下着やシーツはこまめに交換し、できれば熱湯で洗いましょう。
食事と運動
回虫症だからといって特別な食事制限はありません。普段通りバランスのよい食事を摂り、十分な休養をとってください。下痢がつらいときは、消化の良いものを少しずつ食べましょう。
精神的健康と心の健康
体内に虫がいるという知らせは驚きや不安を感じるかもしれません。しかし回虫症は確実に治療できる病気です。気になることや不安なことは、医師や看護師にどんどん質問してください。
予防
はい、回虫症は予防が可能です。一番の予防法は、手洗いと食品の衛生管理です。特に、土を触った後、トイレの後、食事前の手洗いを確実に行いましょう。
合併症
治療しない場合
- 腸閉塞:虫の塊が腸を詰まらせ、激しい腹痛や嘔吐を起こします。
- 虫が胆管や膵管(すいかん)に入り込み、炎症や黄疸を起こします。
- 重度の感染では栄養が吸収されず、栄養不良や成長の遅れの原因になります。
- 幼虫が肺に達したとき、肺炎のような症状やぜん鳴(ぜんめい)を起こすことがあります。
長期的な見通し
回虫症は、正しく治療すれば、ほとんどが問題なく治る病気です。症状が重くなっても、医療機関での処置で多くの場合改善します。心配なことがあれば、我慢せず医師に相談してください。心強いサポートがあります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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