鼻茸(はなたけ)とは?症状・治療・生活の工夫
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
鼻茸は、鼻の奥の粘膜が炎症によって腫れ、ぶどうの房のようにふくらんでできた良性のできものです。アレルギーや慢性の副鼻腔炎(鼻の周りの骨にある空洞の炎症)が関係していることが多く、呼吸を妨げたり、においを感じにくくしたりすることがあります。
重要な事実
- 鼻茸はがんではありませんが、放っておくと症状が続くことがあります。
- 治療で小さくしたり取り除いたりできますが、再発することもあります。
- 薬や手術は耳鼻咽喉科(じびいんこうか)の医師が相談のうえ決めます。
鼻茸は成人に比較的多く見られる病気で、特に30~60歳代に多いとされています。重症の喘息やアスピリン過敏症(アスピリンなどの解熱鎮痛薬で症状が悪化する体質)のある人では、より多く見られます。
主に成人、特に20歳以上の方に多く見られます。子どもにはまれですが、もし子どもに鼻茸ができた場合は、別の病気(のう胞性線維症など)が隠れていることもあるため、専門医の診察が大切です。
症状
- 急に視力が低下した、またはものが二重に見える
- 目の周りや額が急激に腫れて激しい痛みがある
- 意識がぼんやりする、呼吸が苦しい
- ⚠高熱とともに顔の強い痛みや腫れがある
- ⚠鼻から血が止まらない(多量の出血)
- ⚠すでに診断されている鼻茸が急に大きくなり、息苦しさがある
一般的な症状
- 鼻づまり(鼻が詰まる)
- 鼻水が出る(特に粘り気のある透明~黄色い鼻水)
- においがわからない、感じにくい
- 頭や顔が重く感じる、痛む
- いびきをかきやすくなる
- 声がこもる、鼻声になる
原因
主な原因
- 慢性の副鼻腔炎(鼻の奥の骨にある空洞が長く炎症している状態)
- アレルギー性鼻炎(ダニや花粉などのアレルギーで鼻の粘膜が炎症する病気)
- 気管支喘息など、気道の炎症を伴う病気
- アスピリン過敏症(解熱鎮痛薬に対する体質反応で症状が悪化する状態)
リスク要因
- 喘息やアレルギー性鼻炎をお持ちの方
- 副鼻腔炎を繰り返す方
- アスピリンを含む薬で鼻症状が悪化する方
- タバコを吸う環境にいる方(受動喫煙を含む)
- 免疫の働きに関わる疾患がある方(まれですが)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 目や額の強い痛み、視力の変化、顔の腫れを伴う場合
- 鼻血が止まらない場合
- 呼吸が苦しい場合
定期受診を予約すべき場合:
- 鼻づまりや鼻水が2週間以上続く場合
- においが感じにくい状態が続く場合
- いびきや鼻声で睡眠に支障がある場合
診断
耳鼻咽喉科の医師が、鼻の内側を観察する内視鏡(細いカメラ)で確認するのが一般的です。必要に応じて、CT検査(レントゲンの一種で、体の断面を詳しく撮影する検査)やアレルギー検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 鼻内視鏡検査(細いカメラを鼻に入れて中を見る検査)
- CT検査(副鼻腔の状態を詳しく調べる画像検査)
- アレルギー検査(血液検査でアレルギーの原因を調べる)
- におい検査(嗅覚の状態を評価する)
診察で予想されること
診察では、鼻の中をカメラで見られます。少しむずむずする感じはありますが、痛みはほとんどありません。CT検査は行う場合でも数分で終わります。検査後に、鼻茸の大きさや場所、炎症の程度に合わせた治療方針を医師が説明してくれます。
治療
治療の目的は、鼻づまりや嗅覚障害などの症状を改善し、再発を防ぐことです。最初は薬による治療が一般的で、効果が不十分な場合や大きい鼻茸の場合は手術が検討されます。治療は耳鼻咽喉科の医師の指導のもとで行います。
自宅でのセルフケア
- 生理食塩水で鼻をやさしく洗う(鼻うがい)
- 部屋の加湿を心がけ、乾燥した空気を避ける
- タバコの煙やほこりなどの刺激物を避ける
- 鼻を強くかみすぎず、やさしくケアする
- 睡眠時は頭を少し高くすると鼻づまりが楽になることがある
医療治療
薬物治療では、炎症を抑えるステロイドの点鼻薬(鼻に直接噴霧するタイプの薬)を使うことが一般的です。必要に応じて、内服薬や、鼻茸を縮めるための薬を使用する場合もありますが、必ず医師の処方に従って使用してください。自己判断で市販薬を長期使用することは避けてください。
手術が検討される場合
薬で効果が不十分な場合や、鼻茸が大きくて呼吸や嗅覚を著しく妨げる場合は、内視鏡手術が検討されます。鼻の穴から細い器具を入れて、鼻茸を取り除き、副鼻腔の通り道を広げる手術です。手術後も再発を防ぐために、薬を継続するなど定期的なフォローアップが大切です。
この病気と共に生きる
鼻茸は慢性的に経過することが多く、完治と再発を繰り返すこともあります。症状が落ち着いている時も、鼻のケアと通院を続けることが再発予防につながります。自分の状態に合わせて、無理のない生活リズムを維持しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙し、タバコの煙を避ける
- アレルギーの原因となるダニや花粉を減らす工夫をする
- 風邪やインフルエンザなど感染症を予防する(手洗い、うがい)
- ストレスをためすぎず、十分な休養をとる
食事と運動
特に鼻茸のための特別な食事療法はありませんが、バランスの良い食事と適度な運動で免疫力を高めることが大切です。油っぽい食事やアルコールのとりすぎは炎症を悪化させることがあるため、控えめにするとよいと言われています。
精神的健康と心の健康
においがわからない、鼻が詰まって眠れないといった症状が続くと、食事が味気なく感じたり、疲れが取れなかったりして気分が落ち込むこともあります。症状がつらい時は、一人で抱え込まず、医師や家族、友人に相談しましょう。
予防
鼻茸を完全に予防する方法はありませんが、根本にあるアレルギーや副鼻腔炎をきちんと治療し、鼻の粘膜を健康な状態に保つことで、発生や再発のリスクを減らすことができます。
ワクチン
肺炎球菌やインフルエンザなどのワクチンは、気道の感染症を防ぎ、副鼻腔炎の悪化を抑える間接的な効果が期待できます。接種については、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
鼻茸を対象にした特別な検診はありません。鼻づまりやにおいの異常など気になる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科で相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 嗅覚(においを感じる力)の低下が続く
- 鼻づまりによる睡眠時無呼吸(睡眠中に呼吸が止まること)が悪化する
- 副鼻腔炎が悪化して、目の周りや頭蓋骨の中に炎症が広がる(まれですが重い合併症)
長期的な見通し
鼻茸は多くの場合、適切な治療で症状が改善し、日常生活に大きな問題がなくなる方がほとんどです。再発する可能性はありますが、医師の指導を守って継続的にケアすることで、長く良好な状態を保てます。希望を持って、一緒に治療に取り組んでいきましょう。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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