下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
下垂体腺腫は、脳の底にある下垂体(ホルモンの司令塔)にできる良性の腫瘍です。ほとんどはがんではなく、ゆっくり大きくなります。腫瘍がホルモンを過剰に作ったり、周りの神経を圧迫したりすることがあります。
重要な事実
- 下垂体は、体の成長・代謝・生殖などを調整するホルモンを作っています
- ほとんどは良性で、進行がゆっくりです
- 治療せずに経過観察となることもあります
- 適切な治療で多くの人が元の生活に戻れます
10,000人に1人くらいの割合で見られ、女性にやや多いとされています。比較的まれな病気ですが、小さな腫瘍を含めるともう少し多い可能性があります。
40代から50代に多く見られますが、子どもから高齢者までどの年齢でも起こりえます。
症状
- 突然の激しい頭痛
- 急に目が見えない
- 視力が急に落ちる
- 意識がもうろうとする
- けいれんが起こる
- ⚠持続する強い頭痛
- ⚠視野が急に狭くなる
- ⚠吐き気やおう吐
- ⚠異常な乳汁分泌
一般的な症状
- 視力の低下や視野が狭くなる
- 疲れやすい、だるい
- 女性の月経が止まる・不順になる
- 男性の性機能の低下
- 体重が増えやすい
- 手足や顔つきが大きくなる(先端巨大症)
- 血液検査でホルモン異常が見つかる
子供の症状
- 身長の伸びが遅い
- 思春期が遅れる
- 体重が増えやすい
高齢者の症状
- 視力障害が出やすい
- 意欲の低下や眠気
- 高血圧や糖尿病など生活習慣病と似た症状
原因
主な原因
- 原因ははっきりしていません
- ごくまれに遺伝性の病気が関係することがあります
リスク要因
- 家族性の内分泌腫瘍がある場合
- 特定の遺伝子変異がある場合(非常にまれ)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に視力が落ちた
- 激しい頭痛がある
- 意識がぼんやりする
定期受診を予約すべき場合:
- 長く続く頭痛や疲れがある
- 月経不順や性機能の低下が続く
- 定期健診でホルモン異常を指摘された
診断
診断は、血液検査でホルモンの値を調べ、MRI検査で下垂体の形を見て行います。必要に応じて視野検査も行います。
行われる可能性のある検査
- ホルモン血液検査
- 頭部MRI検査
- 視野検査・視力検査
診察で予想されること
まずは脳神経内科や脳神経外科、または内分泌内科を受診します。診断までに数週間かかることもありますが、痛みを伴う検査はほとんどありません。担当医と十分に話し合いながら進めていきましょう。
治療
治療は腫瘍の大きさや種類、症状によって異なります。小さくて症状がない場合は、健康診断のように定期的な検査で経過を見ることもあります。症状がある場合は、薬物療法、放射線療法、手術などが検討されます。
自宅でのセルフケア
- 医師から指示された通院を続ける
- ホルモン補充が必要な場合は指示を守る
- 視力や頭痛など変化を日記につける
- 体調の変化があれば早めに相談する
医療治療
治療の選択肢には、ホルモンの過剰分泌を抑える薬物療法、放射線療法、腫瘍を取り除く手術があります。それぞれの患者さんに合わせて、医師が効果と副作用を説明したうえで提案します。薬の名前や用量はここではお示ししません。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
腫瘍が大きく視神経を圧迫して視力に影響がある場合や、薬でコントロールできない場合に、内視鏡手術(鼻から行う手術)が検討されます。
この病気と共に生きる
多くの患者さんは、普段の生活をほとんど変えずに過ごせます。ただし、ホルモン補充療法を受けている場合は、薬を飲み忘れないことが大切です。また、定期的なMRIや血液検査を続ける必要があります。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをため込まない
- 目の異常に早く気づけるよう、生活の中で変化を意識する
- 主治医に相談せずに、サプリメントなどを自己判断で飲まない
食事と運動
特別な食事制限はありません。栄養バランスのよい食事と、無理のない範囲での運動を心がけましょう。高血圧や糖尿病がある場合は、それらの管理も治療の一環です。
精神的健康と心の健康
診断を受けると不安や戸惑いを感じるのは自然なことです。しかし、多くの人は適切な治療で症状が落ち着きます。気分の落ち込みが続くときは、一人で抱え込まず、医師や家族、周りの人に相談してください。つらい気持ちが強い場合は、厚生労働省が案内する相談窓口や、いのちの電話などの相談機関を利用する方法もあります。
予防
現在のところ、下垂体腺腫を予防する確実な方法はわかっていません。
ワクチン
この病気を防ぐための特別なワクチンはありません。
検診プログラム
遺伝性のリスクがある場合は、定期的な血液検査やMRI検査が役立つことがあります。自身の家族歴が気になる場合は、医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 視力の低下や視野の欠けが進む
- ホルモンの過剰分泌による高血圧や糖尿病などの全身の病気
- ホルモン不足による倦怠感や感染症への抵抗力の低下
- 腫瘍内出血(下垂体卒中)による急激な症状
長期的な見通し
下垂体腺腫は良性の腫瘍であり、適切な治療と定期的な経過観察により、多くの患者さんが健康で充実した生活を続けられます。治療法の進歩により、手術の安全性やホルモン管理の精度も向上しています。診断を受けた時は不安かもしれませんが、医療者と一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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