新生児の敗血症(はいけつしょう)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
新生児の敗血症(はいけつしょう)は、生後28日までのおなかの赤ちゃんが、細菌やウイルスなどの感染症にかかり、その病原体が血液の中に入り込んで全身に広がる重い病気です。赤ちゃんの体の防御機能(免疫力)は未熟なため、感染症が重症化することがあります。早期に発見し、治療を始めることがとても大切です。
重要な事実
- 新生児の敗血症はまれな病気ではない
- 症状はかぜと似ていて分かりにくい
- 早く治療を始めればほとんどの赤ちゃんは回復する
新生児の敗血症は、決して珍しい病気ではありません。日本では、出生した赤ちゃんの約1000人に1人から5人の割合で起こると言われています。とくに早産や低出生体重の赤ちゃんではリスクが高まります。
生後28日までの新生児がかかる病気です。早産児(早く生まれた赤ちゃん)、低出生体重児(小さく生まれた赤ちゃん)、お母さんの破水から出産までに時間がかかった場合、お母さんに感染症がある場合などにかかりやすいと言われています。
症状
- 呼びかけに反応しない
- 呼吸が止まる、またはあえぐような呼吸
- けいれんを起こしている
- 皮膚がまだらになっている
- ひどくぐったりして、動かない
- ⚠発熱(38度以上)または低体温(36度未満)
- ⚠ミルクを飲まない、水分が取れない
- ⚠呼吸が速い、息苦しそう
- ⚠機嫌が悪く、いつもと様子が違う
一般的な症状
- 発熱(さわると熱い)または低体温(体が冷たい)
- 呼吸が速い、または息づかいが苦しそう
- 母乳やミルクを飲む力が弱い、飲まない
- ぐったりして元気がない、反応が乏しい
- 皮膚の色が悪い(青白い、灰色っぽい)
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が急に強くなる
子供の症状
- ぐったりして元気がない
- 呼吸が速い
- 脈が速い
- 意識がもうろうとする
高齢者の症状
- 急に元気がなくなる
- 意識が混乱する
- 体温が高すぎる、または低すぎる
- 呼吸が速くなる
- 脈が速くなる
原因
主な原因
- 細菌やウイルスなどの病原体による感染症
- お母さんの産道で感染する(例:B群溶血性連鎖球菌)
- 出生後の環境からの感染(保育器やカテーテル、病院、家庭環境など)
リスク要因
- 早産・低出生体重
- 前期破水(破水してから出産まで時間がかかる)
- お母さんの感染症(尿路感染症など)
- 長時間の分娩
- カテーテルなどの医療処置
- 免疫力の低下
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合は、ためらわずに救急車を呼んでください(119番)。
- 赤ちゃんの反応が弱い、ぐったりしている場合もすぐに受診が必要です。
- 初めてけいれんを起こした場合は、すぐに救急車を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 発熱や低体温、食欲低下などが続く場合
- 呼吸が速い、またはゼーゼーする場合
- 皮膚の色が悪い、黄色い場合
- 機嫌が悪く、いつもより泣く、または元気がない場合
診断
赤ちゃんの症状や診察に加えて、血液検査や尿検査などの結果をあわせて、総合的に診断します。敗血症が疑われるときは、入院して詳しい検査を行うことが一般的です。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症の程度や白血球の数を調べる)
- 血液培養(血液の中に細菌がいるかどうかを調べる)
- 髄液検査(背中の針で脊髄液を調べ、髄膜炎の有無を確認する)
- 胸部X線検査(肺炎などがないか確認する)
診察で予想されること
検査結果がそろうまでに数日かかることがあります。また、敗血症が強く疑われる場合は、検査結果を待たずに治療を開始することがあります。赤ちゃんは新生児集中治療室(NICU)などで、専門の医療チームが対応することが多いです。
治療
新生児の敗血症は、入院して治療を行います。細菌をやっつける抗生物質(こうせいぶっしつ)というお薬を、点滴で使うことが基本です。赤ちゃんの状態に合わせて、酸素投与や呼吸を助ける医療機器を使うこともあります。
自宅でのセルフケア
- 家庭での自己ケアは行わず、すぐに医療機関を受診することが最優先です。
- 医療機関では医師の指示に従い、安静や哺乳などのケアを行います。
- 赤ちゃんの状態をこまめに記録し、医療者に伝えましょう。
医療治療
入院して抗生物質の点滴が行われます。薬の種類や量は、赤ちゃんの体重や感染の原因に合わせて医師が決めます。呼吸状態や血圧を安定させるための治療も行われます。治療は数日から数週間続くことがあります。
この病気と共に生きる
退院後も、赤ちゃんの発育や機嫌をよく観察し、少しでもいつもと違う様子があれば、かかりつけの小児科医に相談しましょう。感染を防ぐため、赤ちゃんを触るときは手を清潔にし、家族や周囲の人が風邪などの感染症にかかっている場合は、接触をさけるなどの配慮が必要です。
生活習慣のアドバイス
- 赤ちゃんのいる環境を清潔に保つ
- 手洗い・うがいを徹底する
- 家族や訪問者はマスクを着用して接触を控えめにする
- タバコの煙を吸わせない
食事と運動
赤ちゃんの栄養は母乳またはミルクが基本です。飲みが弱い場合は、少量でも頻回に与え、脱水にならないように注意が必要です。医師や助産師の指導に従ってください。
精神的健康と心の健康
赤ちゃんが入院している間は、親御さんにも強い不安やストレスがあります。ひとりで抱え込まず、パートナーや家族、医療者に気持ちを話してください。眠れない、食欲がない、気分が落ち込むなどが続くときは、心の健康の専門家に相談してもよいでしょう。
予防
すべての新生児の敗血症を防ぐことはできませんが、リスクを減らすことはできます。妊娠中のお母さんの感染症の治療、出産時の清潔な環境、出生後の手洗いなどが大切です。厚生労働省も、妊婦さんと赤ちゃんの感染症対策について情報を提供しています。
ワクチン
新生児は多くの予防接種をまだ受けられませんが、妊娠中のお母さんがワクチンで免疫を高めておくと、赤ちゃんを感染症から守る効果が期待できます。インフルエンザや百日咳など、妊娠中に接種可能なワクチンについては、産婦人科医に相談してください。
検診プログラム
新生児の敗血症を早期に見つけるための特別な検診はありません。出生後の状態を医師や助産師が観察し、必要に応じて検査を行います。普段から赤ちゃんの様子をよく観察し、気になる症状があればすぐに受診することが早期発見につながります。
合併症
治療しない場合
- 敗血症性ショック(血圧が下がり、臓器が機能しなくなる状態)
- 髄膜炎(脳や脊髄を包む膜に炎症が広がる)
- 後遺症(難聴や発達の遅れなど)
- 最悪の場合、死亡することもある
長期的な見通し
新生児の敗血症は重い病気ですが、多くの赤ちゃんは早期に治療を開始すれば後遺症なく回復します。近年は日本でも新生児の医療が進歩し、治療成績は良くなっています。お子さんの状態については医療者とよく話し合い、希望を持って治療に専念してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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