毒素性ショック症候群(TSS)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
毒素性ショック症候群(TSS)は、ある種の細菌が作り出す毒素が全身に広がることで起こる、まれで深刻な病気です。毒素が血液に入ると、熱や発疹、激しい下痢や嘔吐などが突然現れ、血圧が下がって臓器がうまく働かなくなることがあります。早く治療を始めれば回復する可能性が高い病気ですが、すぐに医療的な対応が必要です。
重要な事実
- まれですが重い症状が急に出るため、疑ったらすぐに医療機関を受診することが大切です。
- タンポンの長時間使用や、皮膚や手術後の傷口から細菌が入ることがきっかけとされます。
- 初期はインフルエンザと同じような症状ですが、発疹や血圧低下があれば緊急対応が必要です。
とてもまれな病気です。毎年どれくらいの人が発症しているかは正確にはわかっていませんが、健康な人でもかかることがあります。
月経中の若い女性に多いといわれていますが、男性や子ども、高齢者でも発症することがあります。また、手術後や皮膚に傷がある人、出産直後の女性もリスクがあります。
症状
- 呼吸が苦しそう、息切れがする
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- けいれんが起きる
- 立っていられないほどのふらつき
- 高熱とともに全身に赤い発疹が現れる
- 嘔吐が止まらず、尿がほとんど出ない
- ⚠高熱が続いている
- ⚠発疹が広がってきた
- ⚠嘔吐や下痢が続いて水分がとれない
- ⚠めまいがする
- ⚠筋肉痛や頭痛が強い
一般的な症状
- 突然の高熱(38.9℃以上になることが多い)
- 全身に広がる赤い発疹(日焼けのような見た目)
- 嘔吐や下痢
- めまい、ふらつき、立ちくらみ
- 強い筋肉痛や頭痛
- のどの痛み、目の充血
- 意識がぼんやりする、混乱する
子供の症状
- 子どもでは大人と同じ症状が見られますが、進行が速いことがあります。
- ぐったりして反応がにぶい、おしっこの量が減る、けいれんを起こすなどの様子があれば、すぐに救急車を呼んでください。
高齢者の症状
- 高齢者は免疫の働きが弱くなっていることがあり、症状が重くなりやすい傾向があります。
- 熱が高くならず、体温が低いままでも、元気がない、ぼんやりするなどの変化が見られたら注意が必要です。
原因
主な原因
- 黄色ブドウ球菌や連鎖球菌という細菌が毒素を出し、その毒素が血液中に入ることで全身に症状が現れます。
- タンポンを長時間交換せずに使い続けると、細菌が増えやすくなることがあります。
- 切り傷、やけど、手術後の傷口、出産後の感染などからも菌が侵入します。
リスク要因
- タンポンの使用(月経中に長時間使用している)
- 皮膚の傷、やけど、手術の創部
- 最近の手術や出産
- 鼻やのどなどに繰り返し感染がある
- 免疫の働きが低下している状態
受診の目安
診断
医師はあなたの症状や経過を聞き、身体を診察したうえで、血液検査や尿検査を行います。必要に応じて、傷口のぬぐい液や血液の中の細菌を調べる検査をすることもあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(白血球の数や炎症の程度、臓器の働きを調べます)
- 尿検査(腎臓の機能を確認します)
- 細菌培養検査(傷口や血液などから原因となる細菌を探します)
- 心電図や胸部X線、CTなど(臓器の状態を確認します)
診察で予想されること
TSSは急に悪化することがあるため、検査と治療は同時に進められます。入院が必要になり、症状や経過に合わせて繰り返し検査が行われます。
治療
TSSは入院しての治療が基本です。治療の3つの柱は、(1) 原因となる細菌を取り除くこと、(2) 毒素を洗い流す・排泄を促すこと、(3) 血圧や臓器の働きを安定させることです。
自宅でのセルフケア
- 治療中は、医師から言われた範囲で安静にしましょう。
- 退院後は、体を慣らすために少しずつ日常の活動を再開してください。
- 傷がある場合は、清潔に保つことを心がけましょう。
- 毎日体温を測り、異常があればすぐに医療機関に連絡してください。
医療治療
治療は、点滴による水分補給と抗生物質(抗菌薬)の投与が中心になります。血圧が下がっている場合は血圧を維持する薬を使うこともあります。症状が重い場合には、人工呼吸器による呼吸の補助や、腎臓の働きを助ける透析が必要になることもあります。これはすべて医師が状態を見ながら判断します。
手術が検討される場合
感染している傷や膿のたまりがある場合は、それを切開して洗浄し、取り除く手術が行われることがあります。
この病気と共に生きる
退院後、からだが回復するまでには時間がかかることがあります。疲れや脱力感が続くこともありますが、それは無理のない範囲で少しずつ日常生活に戻っていくことで改善することが多いです。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休養をとる
- タンポンを使う場合は、説明書に従ってこまめに交換する
- 日常生活では手洗いをしっかり行い、清潔を心がける
- 定期的に医師のフォローアップを受ける
食事と運動
食欲がないうちは、うどんやお粥など消化のよいものを少しずつ食べましょう。体力が回復したら、散歩などの軽い運動から始め、様子を見ながら活動量を増やします。激しい運動は医師に相談してからにしてください。
精神的健康と心の健康
集中治療の経験や長い入院は、心に大きな影響を与えることがあります。不安、悲しみ、眠れないといった感情があるのは自然なことです。一人で悩まず、医師や看護師、心理の専門家に話してください。
予防
タンポンや生理用品は、添付の説明書に記載された交換の目安を守り、使用時間が長くなりすぎないようにしましょう。厚生労働省の資料でも、タンポンは説明書に従って交換することがすすめられています。また、肌に傷を作らないよう注意し、傷ややけど、手術後の創部を清潔に保つことも大切です。
ワクチン
現在のところ、TSSを直接予防するワクチンはありません。ただし、かかりつけ医と相談して、必要に応じてインフルエンザなどのワクチン接種を検討することは、免疫力を保つ一つの方法です。
合併症
治療しない場合
- 血圧が急激に下がるショック状態
- 腎臓、肝臓、肺などの臓器の障害
- 意識障害やけいれん
- 適切な治療を受けないと、命に関わる危険があります
長期的な見通し
TSSは進行の速い病気ですが、早期に適切な治療を受ければ多くの人は回復します。回復までには数週間かかることもありますが、若い人ほど体の回復力が高く、後遺症なく日常生活に戻ることも珍しくありません。医師の指示に従い、焦らず治療を続けることが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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