凍傷(とうしょう)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
凍傷とは、皮膚やその下の組織が凍ってしまうことで起こるけがです。冷たい空気や冷たいものに長時間触れていると、血の流れが悪くなり、組織が傷つきます。軽くて後遺症のないこともありますが、ひどいと皮膚や筋肉、骨まで傷んでしまうこともあります。
重要な事実
- 耳・鼻・指・足の指など、体の先端に起こりやすい。
- しびれや感覚の低下が最初のサインです。
- すぐに適切に処置すれば、多くの場合は後遺症を残さず回復します。
日本では、厳しい寒さの地域や冬山、降雪地帯などで起こります。日常生活ではまれですが、防寒が不十分な場合や、外で働く人に起こりやすいです。
子ども、高齢者、屋外で働く人、寒さの中で過ごさざるをえない人(ホームレス状態の人など)に多くみられます。血流が悪い人や喫煙者もリスクが高くなります。
症状
- 皮膚が硬くて冷たく、真っ白または黒っぽい
- しびれや痛みが続く、または意識がぼんやりする
- 水ぶくれが大きく広がった、または血色の悪い状態が続く
- ⚠冷たい場所から移動しても、感覚が戻らない
- ⚠皮膚に赤みやはれ、水ぶくれが出た
- ⚠時間がたっても悪化する気配があり不安
一般的な症状
- 皮膚が冷たくて白っぽい、または青白い
- しびれや感覚の低下
- 触ると硬い、冷たい
- じんじんする、または痛む
- 後には赤くなったり、水ぶくれができる
- ひどい場合は皮膚が黒っぽくなる
原因
主な原因
- 寒さで体の末しょうの血管が強く縮まり、血流が悪くなることで組織が凍結する
- 極端に冷たい環境(気温が低い、風が強い、濡れた衣服)
- 冷たいものに直接触れる
リスク要因
- 防寒が不十分な服装
- 濡れた靴や服を長く着ている
- 冬山や屋外での長時間の活動
- 高齢・幼児・低栄養・疲労
- タバコを吸う、または血流に影響する病気
- お酒を飲んで体温が下がる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 凍傷のあと、しびれや痛み、色の変化がひどい場合
- 水ぶくれが広がった、または皮膚が黒っぽい
- 冷たい場所から離れても感覚が戻らない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い凍傷のあとの違和感や色の変化が続く場合
- 再発を予防するためのアドバイスが欲しい場合
診断
医師は問診でいつ、どのくらいの時間寒さに当たったかを尋ね、皮膚の状態を見ます。触って硬さや感覚を確認します。
行われる可能性のある検査
- 必要に応じて、傷んだ部分の範囲を調べるために、骨や血流の画像検査(超音波など)を行うことがあります。
診察で予想されること
診察では、寒さに当たったときの詳しい状況を尋ねられます。皮膚の色、温度、感覚を丁寧に確かめられます。症状がひどい場合は、入院して治療することもあります。
治療
凍傷の治療は、まず体を温めて血流を戻すことから始まります。その後は傷んだ組織を保護し、回復を助けます。重症では感染や組織の壊死を防ぐための治療が必要です。
自宅でのセルフケア
- 暖かい場所(室温以上)に移動する
- 濡れた服や靴、靴下を脱ぐ
- 凍傷になった部分をぬるめの温水(体温くらい)に浸す
- こすったり、マッサージしたりしない
- 火の熱や湯たんぽなどを直接当てない
- 水ぶくれを自分でつぶさない
- 乾いた清潔なガーゼで包んで、体を温める
- 医師や薬剤師の指示なく市販の軟膏を塗らない
医療治療
医療機関では、痛み止めや炎症を抑える薬、感染予防のための薬などが使われることがあります。具体的な薬は、症状に合わせて医師が選びます。また、傷の手当てや、血流を改善するための治療が行われます。
手術が検討される場合
重症で組織が壊死した場合は、壊死した部分を取り除く手術が必要になることがあります。当初は脚や指を切断しなくてはいけないように見えても、時間をかけて治すことで切断を免れることもあります。治療の決定は慎重に行われます。
この病気と共に生きる
治った後も、その部分は寒さや感覚に過敏になることがあります。再び凍傷にならないよう、十分な防寒を心がけてください。傷んだ皮膚はしばらく弱いので、清潔に保ちましょう。
生活習慣のアドバイス
- タバコをやめる
- 寒い季節は重ね着をして、帽子・手袋・マフラーを着用する
- 長時間同じ姿勢を避け、体を動かして血行を保つ
- 濡れた服や靴を着替える
- お酒を飲み過ぎて寒い中で寝てしまわない
- 高齢の家族や幼い子どもには、外での様子に気を配る
食事と運動
バランスのよい食事と適度な運動で血流を整えましょう。体が冷えると症状が出やすくなるため、温かい食べ物や飲み物をとることも役立ちます。
精神的健康と心の健康
凍傷のあとは、見た目や感覚の変化に不安を感じることがあります。特に、指や爪に後遺症が残る場合、つらい気持ちになることがあります。無理をせず、一人で抱え込まずに、かかりつけ医や心理的サポートへ相談することも大切です。
予防
凍傷は正しい防寒と工夫でほぼ予防できます。寒い日は外出を控える、帽子や手袋、厚手の靴下などで体を覆う、そしよう部を締め付けない、少しずつ動いて血流を保つことが大切です。また、天気予報の気温と風を確認して、服を選びましょう。
ワクチン
この病気に対する特別なワクチンはありません。
検診プログラム
定期健診や問診で、血流の病気や感覚の低下を早期に気づくことはできますが、凍傷そのものの検診はありません。
合併症
治療しない場合
- 感覚のまひやしびれが続く
- 感染症(細菌が入って化膿する)
- 組織が壊死して、指や足の大きな部分を失うことがある
- 冷え痛みが続く
長期的な見通し
早い段階で正しい手当てをすれば、凍傷はほとんど後遺症を残さずに治ります。たとえ重症でも、現代の医療で手足を温存できる可能性があります。焦らず、医師の指示に従って治療を続けることが希望につながります。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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