甲状腺炎(こうじょうせんえん)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
甲状腺炎とは、首の前側にある蝶の形をした甲状腺という臓器が炎症を起こす病気です。炎症によって甲状腺が腫れたり、痛んだり、甲状腺ホルモンの量が変わったりすることがあります。
重要な事実
- 甲状腺は体の新陳代謝を調整するホルモンを作っています。
- 炎症は一時的なことも慢性的なこともあります。
- 甲状腺の機能が高くなったり低くなったりすることがあります。
甲状腺炎は女性に多く見られる甲状腺の病気のひとつで、比較的よくある病気です。ただし、すべての甲状腺炎が同じわけではなく、種類によって頻度や重症度が異なります。
30代から50代の女性に多く見られます。また、特定の自己免疫性甲状腺炎は家族内で起こりやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。
症状
- 急に呼吸が苦しくなる
- 首の腫れが急激に大きくなり、飲み込みや息ができなくなる
- 意識がもうろうとする
- 39度以上の高熱が続く
- これらの症状がある場合は、すぐに119番(救急)に連絡してください。
- ⚠甲状腺が非常に痛くて食事ができなくなった
- ⚠強い動悸や脈の乱れがある
- ⚠急激な体重減少
- ⚠高熱が続く
- ⚠これらに該当する場合は、当日または翌日には医療機関に受診してください。
一般的な症状
- 首の前の腫れや圧迫感
- 首の痛み(特に飲み込むとき)
- 疲れやすさ
- 動悸(どうき)
- 体重の変化(増えたり減ったりする)
- 寒気や暑さに敏感になる
- 手の震え
- 気分の落ち込みやイライラ
子供の症状
- 成長や発達に影響することがあるため、注意力や集中力の低下
- 疲れやすさ
- 首の腫れ
- 思春期の遅れ(例:月経が始まるのが遅い)
高齢者の症状
- 疲労感や衰弱が目立つ
- 心不全の悪化
- 認知機能の低下やうつ状態が見られることがある
- 甲状腺機能低下による徐脈(脈が遅くなる)
原因
主な原因
- 最も多いのは自己免疫の異常です。免疫が自分の甲状腺を攻撃することで炎症が起こります。
- ウイルスや細菌感染がきっかけになることがあります。
- 出産後に一時的に起こることがあります。
- 甲状腺に直接影響を与える薬や放射線治療が原因となることもあります。
リスク要因
- 女性であること
- 家族に甲状腺疾患の人がいること
- 他の自己免疫疾患を持っていること
- 妊娠・出産
- 感染症にかかった後
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 首の腫れや痛みが強く、日常生活に支障がある
- 発熱や悪寒、のどの痛みが長引く
定期受診を予約すべき場合:
- 首の前が腫れている
- 疲れやすい、体重が変わった、動悸など気になる症状がある
- 家族に甲状腺の病気の人がいる場合、健康診断や定期検診で相談する
診断
医師が問診(お話を聞くこと)と触診(首を触る)を行い、血液検査や超音波検査によって診断します。必要に応じて甲状腺の画像検査や組織の検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの数値、炎症の程度を示す炎症マーカー)
- 超音波(エコー)検査(首の甲状腺の腫れや血流を調べる)
- 甲状腺アイソトープ検査(放射性ヨウ素の取り込みを調べる)
- 抗甲状腺抗体検査(自己免疫の反応を調べる)
診察で予想されること
診察室では、症状や経過、家族歴などを詳しく聞かれます。採血や超音波検査は日本語で案内されます。結果が出るまで数日かかることがありますが、必要に応じて専門医を紹介されます。
治療
治療は原因や症状によって異なります。甲状腺の炎症による痛みや腫れを和らげる治療や、甲状腺ホルモンの不足や過剰を補う治療が行われます。自己免疫による慢性の甲状腺炎の場合は、ホルモン値に合わせた治療を長く続けることがあります。
自宅でのセルフケア
- 安静をとり、十分に睡眠をとる
- のどを刺激しないように、柔らかい食べ物やぬるめの飲み物をとる
- 首を冷やす(炎症が強いときは冷却タオルなど)
- ストレスをためないようにリラックスする時間を作る
- 毎日同じ時間に体重や脈などの自分の変化を記録する
医療治療
治療には、甲状腺ホルモンの補充、炎症を抑えるお薬、痛みを和らげるお薬などが使われることがあります。ただし、これらは医師が症状や検査結果に合わせて処方しますので、自分で判断せずに必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
甲状腺炎自体が手術の適応になることはほとんどありません。ただし、甲状腺が大きくなって圧迫症状が強い場合や、がんが疑われる場合は、手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
症状が安定している間は、普段の生活はほぼ問題ありません。定期的に医師の診察を受け、血液検査でホルモンの状態をチェックしながら、自分の体調の変化に気をつけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 決まった時間に規則正しく食事をする
- 適度な運動を続ける(ウォーキングなど)
- 喫煙や過度の飲酒を避ける
- 漢方薬やサプリメントは医師に相談してから使う
食事と運動
基本的に特別な食事制限はありません。ヨウ素を多く含む食品(昆布、わかめなど)は、摂り過ぎに注意しましょう。激しい運動は控えめにして、ウォーキングやストレッチなど無理のない運動を心がけてください。
精神的健康と心の健康
甲状腺の病気は気分や感情に影響することがあり、不安やうつ状態を経験する方もいます。症状がつらいときは一人で抱え込まず、家族や友人、医療スタッフに相談してください。必要に応じて、心療内科や精神科のサポートも受けることができます。
予防
甲状腺炎の多くは自己免疫やウイルス感染によるものなので、完全に予防することは難しいといわれています。ただし、喫煙は甲状腺疾患のリスクを高めるため、禁煙は予防に役立つ可能性があります。
検診プログラム
症状がなくても、家族に甲状腺の病気の人がいる場合は、定期的な健康診断や血液検査でチェックすることをおすすめします。ただし、検査には費用がかかることもあるので、医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 甲状腺機能亢進症または低下症が続くと、心臓に負担がかかり、不整脈や心不全のリスクが高まります。
- 甲状腺の腫れが大きくなって、気道を圧迫し、呼吸困難を起こすことがあります。
- 妊娠中の甲状腺機能異常は、流産や早産、胎児の発達に影響を与えることがあります。
- 甲状腺クリーゼという、重篤な状態に進行することがあります。
長期的な見通し
大多数の甲状腺炎は、適切な治療とフォローアップによって症状をうまくコントロールできます。自己免疫によるものは完治が難しいこともありますが、治療を続けることで普通の生活を送ることができます。恐怖を感じる必要はありません。医師と一緒に長く付き合っていく病気だと考えましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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