膣萎縮(ちついしゅく)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
膣萎縮とは、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって、膣の壁が薄くなり、乾燥したり炎症を起こしたりする状態です。「萎縮(いしゅく)」は「縮んで小さくなる」という意味で、膣の組織が変化します。症状はとても不快ですが、正しい知識とケアで改善できる場合が多いです。
重要な事実
- 膣萎縮は、閉経後の女性によく見られる状態です。
- 原因はおもに女性ホルモン(エストロゲン)の低下です。
- 保湿や潤滑といったセルフケアと医療的な治療で、症状を和らげられます。
はい、とても一般的な状態です。閉経後の女性のおよそ半数が、何らかの症状を経験すると言われています。ただ、人に相談しにくい話題のため、実際にはもっと多くの方が経験していると考えられています。
主に閉経を迎えた女性に多く見られますが、出産後の授乳中や、卵巣を摘出する手術を受けた方、がん治療でホルモンを抑える薬を使っている方にも起こることがあります。まれに、年齢は若くてもホルモンのバランスが崩れた場合に起こることがあります。
症状
- 突然、大量の出血がある
- 激しい下腹部の痛みがある
- 高熱(38度以上)とともに、強い悪臭のあるおりものがある
- ⚠排尿が全くできない、または我慢できないほどの痛みがある
- ⚠症状が急に悪くなり、立っていられない
- ⚠発熱や寒気がある
一般的な症状
- 膣の乾燥
- かゆみやヒリヒリする感じ
- 性交時の痛み
- おりものの増加(水っぽい、または黄色っぽいことがある)
- 排尿時のしみるような痛み
- 頻尿(トイレが近い)
原因
主な原因
- 閉経に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少
- 出産後の授乳(ホルモンの変化)
- 卵巣の摘出によるホルモン分泌の停止
- がん治療(ホルモン療法や放射線治療)によるホルモン低下
リスク要因
- 閉経(特に閉経後の数年)
- 出産経験
- 性行為の頻度が低い
- 卵巣や子宮の手術を受けたことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 排尿ができない
- 突然の強い痛みや大量の出血がある
- 発熱や悪臭を伴うおりものがある
定期受診を予約すべき場合:
- 性交痛や乾燥が気になり始めたとき
- おりものの変化やかゆみが続くとき
- 年に一度の婦人科検診のときに相談するのもおすすめです
診断
医師はまず、あなたの症状やこれまでの経過、月経や閉経の状態について丁寧に質問します。そのあと、内診(膣の中を指や器具で診る検査)を行い、膣の状態を確認します。必要に応じて、ホルモンの値を調べる血液検査や、感染症を調べる尿検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状や経過を伝える)
- 内診(膣の中とまわりの状態を診る)
- 血液検査(ホルモンの値を確認)
- 尿検査(尿路感染症がないか確認)
診察で予想されること
診察は緊張するかもしれませんが、リラックスして受けてください。医師や看護師はあなたの気持ちを尊重します。わからないことは、その場で質問して構いません。診察室で伝えにくい場合は、事前にメモを用意しておくと安心です。
治療
治療の目的は、症状をやわらげ、膣の健康を助けることです。症状の程度に合わせて、自分でできるケアと医療的な取り組みを組み合わせます。必ず医師の診断とアドバイスを受けたうえで行ってください。
自宅でのセルフケア
- 膣の保湿剤や、性交時の潤滑剤(ゼリーのようなもの)を日常的に使う
- 石けんは刺激の少ないものを選び、やさしく洗う(膣の中を洗うのは避ける)
- 通気性の良い綿の下着を選ぶ
- 水分をよく取る
- 性交時は無理をせず、潤滑剤をたっぷり使う
医療治療
医療機関では、女性ホルモン(エストロゲン)を補う治療が検討されることがあります。塗り薬やクリーム、膣内に入れる錠剤やリングなどがあり、医師があなたの状態に合わせて提案します。飲み薬や漢方薬などを使う場合もあります。いずれの場合も、治療を始める前に医師からメリットとデメリットの説明があります。自己判断で市販の薬に頼るのではなく、必ず医師に相談してください。
手術が検討される場合
膣萎縮そのものに対して手術を行うことは、ほとんどありません。他の病気(子宮脱など)が関係している場合に、手術が検討されることがあります。手術が必要かどうかは、専門医とよく話し合って決めることが大切です。
この病気と共に生きる
毎日の小さな工夫で、症状はずいぶん楽になります。パートナーと一緒にケアについて話し合うことも、気持ちの支えになります。
生活習慣のアドバイス
- 毎日の膣の保湿を習慣にする
- 入浴時はぬるめのお湯で、体を洗うときはやさしく
- 喫煙をしている場合は、禁煙に挑戦してみる
- 骨盤底筋体操(こつばんていきんたいそう)で、骨盤のまわりの筋肉をきたえる
- ストレスをため込まず、自分をいたわる時間を作る
食事と運動
バランスの良い食事と、ウォーキングなどの軽い運動は、体全体の血行を良くし、膣の健康にも良い影響があります。大豆に含まれる成分を意識して取ると良いという情報もありますが、効果は人によって違います。無理のない範囲で続けることが大切です。
精神的健康と心の健康
症状が続くと、気分が落ち込んだり、パートナーとの関係に悩んだりすることがあります。それは決して珍しいことではありません。あなたは一人で抱え込む必要はありません。医師や看護師、カウンセラーなど、信頼できる人に気持ちを聞いてもらいましょう。
予防
閉経そのものを防ぐことはできませんが、日頃からセルフケアや検診を続けることで、膣萎縮の症状がひどくなるのを防いだり、早めに見つけて対処したりすることができます。
検診プログラム
定期的な婦人科検診(子宮がん検診など)は、膣萎縮だけでなく、他の病気の早期発見にも役立ちます。症状がなくても、年に一度は検診を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 尿道や膀胱の感染症(尿路感染症)が起こりやすくなる
- 症状が続くことで、性交痛や不快感からパートナーとの関係に影響が出ることがある
- 膣の炎症が悪化し、ただれや出血が続くことがある
長期的な見通し
膣萎縮は、適切なケアと治療によって多くの場合、症状をしっかり改善することができます。「仕方ない」と我慢せず、早めに相談することが何より大切です。あなたの生活の質は、必ず良くすることができます。希望を持ってください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。