橈骨トンネル症候群
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
橈骨トンネル症候群は、前腕(ぜんわん)にある「橈骨神経(とうこつしんけい)」という神経が、周りの組織に圧迫されて痛みやしびれが出る病気です。神経が通る道(トンネル)が狭くなり、圧迫されることで起こります。
重要な事実
- 肘から手にかけての痛みや、手の甲側のしびれが主な症状です。
- 腕をよく使う仕事やスポーツで起こりやすい傾向があります。
- 適切な治療で多くの場合、症状は改善します。
橈骨トンネル症候群は、肘などの神経が圧迫される病気の中では比較的まれで、特に「テニス肘」と間違われることもあります。
手首や腕を繰り返し使う仕事をしている人、スポーツをする人、20~60歳の成人に多く見られます。
症状
- 突然、手首や指がまったく動かせない、または力が入らない場合は、すぐに119番を呼んでください。
- ケガや事故の後、激しい痛み、腫れ、変形がある場合は、すぐに119番を呼んでください。
- 胸の痛みや息苦しさと一緒に腕の痛みがある場合は、すぐに119番を呼んでください。
- ⚠腕の力が急に落ちて物を持てなくなった場合は、その日のうちに受診してください。
- ⚠痛みとともに発熱や赤み、腫れが強まっている場合は、その日のうちに受診してください。
一般的な症状
- 肘の外側や前腕のあたりに痛みがある
- 手や指を動かすと痛みが強くなる
- 手の甲側にしびれやチクチクした感じがある
- 物を握る力が弱くなる感じがする
原因
主な原因
- 肘の外側にある筋肉が分厚くなり、神経を圧迫する
- 腕を長時間同じ姿勢で使い続けることによる負担
- 骨折やけがの後に神経の通り道が狭くなる
リスク要因
- 片腕に荷物をかける、手で床を押すなどの動作を繰り返す
- テニスやゴルフなど、腕をひねるスポーツ
- キーボードや工具を長時間使う仕事
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 手の力が急に弱くなり、日常生活に支障がある場合
- 症状が数日で急速に悪化する場合
定期受診を予約すべき場合:
- 腕の痛みやしびれが2週間以上続く場合
- 仕事やスポーツに支障がある場合
診断
医師が症状の話を聞き、腕の動きや力、しびれの範囲を診察します。他の病気(テニス肘や頸椎の問題)と区別するための検査も行われます。
行われる可能性のある検査
- 腕の力を入れたときの痛みの再現テスト(抵抗をかけて確認)
- 神経の伝わる速さを調べる神経伝導検査
- MRIや超音波検査で神経の圧迫を確認することもある
診察で予想されること
初診では、医師が日常生活や仕事での腕の使い方を詳しく聞きます。必要に応じて、整形外科や脳神経内科などを紹介されることもあります。
治療
治療の基本は、腕を休めて負担を減らすことです。多くの場合、保存療法(手術をしない治療)が行われます。
自宅でのセルフケア
- 痛みが出る動作を避け、腕を休める
- 痛む場所を冷やす(炎症が強いときは特に)
- 仕事やスポーツの前に軽いストレッチをする
- 机や椅子の高さを調整し、腕に負担がかからないようにする
医療治療
医師の指示のもと、物理療法(リハビリ)や装具(サポーター)を使うことがあります。炎症を抑える飲み薬や塗り薬が処方されることもあります。症状が続く場合は、医師が注射による治療を検討することもあります。治療法は必ず医師と相談して決めてください。
手術が検討される場合
数か月の保存療法で改善しない場合や、神経の圧迫が強い場合は、神経を解放する手術が検討されることがあります。手術は多くの場合、症状を大きく改善させます。
この病気と共に生きる
腕に負担をかけすぎないことが大切です。痛みが出る動きを避け、適度に休憩を取りましょう。
生活習慣のアドバイス
- パソコン作業のときは、肘を机にしっかりつけて腕の負担を減らす
- 重いものを持つときは、両手で持つなど負担を分散する
- 痛みが続くときは、無理をせず医師に相談する
食事と運動
神経や筋肉の健康のためには、バランスのよい食事と適度な運動が役立ちます。激しい運動は避け、医師や理学療法士の指導のもとでリハビリを行いましょう。
精神的健康と心の健康
長く続く痛みは、気分が落ち込んだり、イライラしたりすることがあります。そうした気持ちも、ひとりで抱え込まずに医師や周りの人に話しましょう。
予防
橈骨トンネル症候群は、腕に繰り返し負担がかかることで起こりやすいため、日頃から負担を減らす工夫である程度予防できます。
合併症
治療しない場合
- 痛みが慢性化して、腕を動かしにくくなる
- 筋力が低下し、物を握る力が弱くなる
- まれに手指の筋肉がやせてしまうことがある
長期的な見通し
多くの人は、保存療法で症状が改善します。手術が必要な場合でも、きちんと治療すれば回復が期待できます。あきらめずに、医師と一緒に治療を続けていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。