サルモネラ感染症について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
サルモネラ感染症は、食べ物についたサルモネラ菌を口にすることで起こる食中毒の一種です。下痢や発熱、おなかの痛みといった症状が出ます。健康な人では、水分補給と休養で自然に治ることが多いですが、乳幼児や高齢者では重症化することがあります。
重要な事実
- サルモネラ菌は、食べ物をしっかり加熱すれば死滅します。
- 感染してから症状が出るまでに、6時間から6日かかることがあります。
- 下痢や吐き気のときは、まず水分補給を続けることが大切です。
日本では、毎年報告されるだけでも数千件の患者さんがいます。実際には、軽い症状で医療機関を受診しない人も多いため、もっと多くの感染があると考えられています。
子どもから大人まで、誰でも感染する可能性があります。特に、5歳以下の子ども、65歳以上の高齢者、妊娠中の方、病気や治療で免疫力が落ちている方は、症状が重くなりやすいです。
症状
- 意識がもうろうとする、または呼びかけに反応しない
- けいれんが起きる
- 便に血が混じる(血便)
- 水を飲んでも吐いてしまい、ほとんど水分を取れない
- ひどい脱水症状(立ちくらみ、おしっこがほとんど出ない、唇や口の中が乾ききる)
- これらの症状が1つでもあれば、ためらわずに119番で救急車を呼んでください。
- ⚠38度以上の発熱が続く
- ⚠下痢が3日以上続く
- ⚠おなかの痛みが強くなる、または痛みが続く
- ⚠高齢者・妊娠中・免疫力が低下している方で、下痢や発熱がある
- ⚠乳幼児で下痢や嘔吐が続く
一般的な症状
- 下痢(水のような便が多い)
- 発熱(38度前後のことが多い)
- おなかの痛み・けいれん
- 吐き気・おう吐
子供の症状
- 激しい下痢や吐き気で脱水が進みやすい
- ぐったりして元気がない
- おしっこが少なくなる、涙が出ない
- 高い熱が出ることがある
- 機嫌が悪くなる、ミルクや水分を飲みたがらない
高齢者の症状
- 下痢が長引くことがある
- 脱水によるめまい、ふらつき、口の渇きが起こりやすい
- 意識がぼんやりすることがある
- 持病(心臓病、糖尿病など)が悪化する可能性がある
- 食欲が落ちて、体力が低下しやすい
原因
主な原因
- 十分に加熱されていない肉や鶏肉を食べる
- 生または加熱不十分な卵を食べる
- 低温殺菌されていない牛乳や乳製品を飲む
- 果物や野菜を洗わずに食べる
- 調理器具やまな板から食品への細菌の付着(交差汚染)
- ヘビやカメ、トカゲなどのペットを触った後に手を洗わない
リスク要因
- 幼い子どもや高齢者
- 妊娠中であること
- がん治療や臓器移植などで免疫力が低下している
- 胃酸を抑える薬を服用している(胃酸が減ると菌に感染しやすい)
- 衛生施設が整っていない国や地域への旅行
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 下痢や嘔吐が続いて、水分が十分に取れない
- 38度以上の発熱が続く
- 強い腹痛がある
- 高齢者、妊娠中、小さなお子さん、持病がある方で症状がある
- 3日以上症状が続く
定期受診を予約すべき場合:
- 下痢や発熱があっても、水分を取れて元気な状態であれば、まずは自宅で様子を見てもよいでしょう。
- 症状が軽いものの心配な場合、または家族にうつしたくない場合も、医療機関に相談すると安心です。
診断
医師があなたの症状と最近食べたものの話を聞き、必要に応じて便(うんち)の検査を行って、サルモネラ菌がいるかどうかを調べます。せきや尿などで調べることはありません。
行われる可能性のある検査
- 便の培養検査(便の中のサルモネラ菌を調べる検査。結果は1~3日でわかります)
- 血液検査(重症化の心配がある場合に行う、炎症や脱水の程度を確認する検査)
診察で予想されること
検査は、便を少量専用の容器に入れて提出します。痛みはありません。結果が出るまでに数日かかるため、その間は医師の指示に従い、水分を補給しながら休養してください。
治療
サルモネラ感染症の治療の中心は、水分補給と安静です。下痢や吐き気で失われた水分と塩分を補うことが最も大切です。重症の場合や、リスクが高い方は医療機関での点滴や抗菌薬による治療が必要になることがあります。
自宅でのセルフケア
- こまめに水分補給をする:水のほか、経口補水液やスポーツ飲料で塩分と糖分を補いましょう
- 消化しやすいものを食べる:食欲があれば、おかゆ、うどん、スープ、バナナなどから始めましょう
- 体を十分に休める
- 下痢が治るまでは、食品を扱うことや料理をすることを控える
- トイレの後は石けんと流水でていねいに手を洗う
医療治療
症状が重い場合や、高齢者・子ども・妊娠中・免疫力が弱っている方では、点滴による水分補給や、細菌の増殖を抑える抗菌薬(抗生物質)が使われることがあります。抗菌薬の種類や量は、患者さんの状態を見て医師が決めます。自己判断で服用を中止せず、医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
サルモネラ感染症の治療に手術は必要ありません。まれに、腸に穴が開くなどの重い合併症が起きると手術を検討することがありますが、通常の患者さんには当てはまりません。
この病気と共に生きる
下痢や熱が続く間は、無理をせず横になって休息しましょう。少量でもいいので、こまめに口から水を取ることが大切です。症状が落ち着いてからもしばらくは体力が回復していないため、無理をしないでください。
生活習慣のアドバイス
- 下痢がおさまるまで、外食や人の集まる場所を避ける
- 家庭でも、タオルや食器は家族と分けるなどの配慮をする
- 症状が続くうちは、人に食事を作らない
- こまめに手洗いを行う
食事と運動
下痢の間は、普段の食事を休んで、おかゆやスープなど消化のよいものを少しずつ取ってください。牛乳や乳製品、脂っこいもの、香辛料の強いもの、アルコールは避けましょう。運動は体力が戻るまで控え、十分な睡眠をとりましょう。
精神的健康と心の健康
下痢や吐き気が長引くと、不安な気持ちや疲れを感じることもあります。また、周りの人に感染させてしまったのではないかと気に病む方もいます。こうした気持ちは自然です。気分がつらいときは、家族や友人に話したり、医療機関に相談することで安心につながります。
予防
はい。サルモネラ感染症は、手洗いや食品の十分な加熱など、日常の注意で予防できる感染症です。食事前とトイレ後の石けんを使った手洗い、肉や卵を中心部までしっかり加熱して食べる、生肉用のまな板と包丁を他の食品に使わない、ペットを触った後は手を洗うことなどが大切です。
ワクチン
サルモネラ感染症の予防接種はありません。
検診プログラム
サルモネラ感染症を健康診断などで調べることはありません。症状が出たときに検査します。
合併症
治療しない場合
- 重度の脱水状態になり、意識がもうろうとするなどの症状が現れる
- サルモネラ菌が血液や全身に広がる(菌血症・敗血症)
- 菌の感染後に、関節の痛みや腫れが続く反応性関節炎を起こすことがある
- まれに、重症化して命に関わることがある(特に高齢者や免疫力が弱い人)
長期的な見通し
サルモネラ感染症の多くは、水分補給と十分な休息を取れば、4~7日で自然に回復します。特別な後遺症が残ることはほとんどありません。高齢者や小さな子ども、基礎疾患がある方は重症化することがあるため、症状が強い場合は早めに医療機関を受診してください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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