膵臓がん(すいぞうがん)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
膵臓(すいぞう)は、おなかの中の深いところにある臓器で、食べ物を消化する消化液や、血糖を調整するインスリンなどのホルモンを作っています。膵臓がんは、この膵臓にできる悪性の腫瘍(がん)です。初期には症状が出にくく、気づいたときには進行していることもあります。
重要な事実
- 膵臓がんは初期のうちはほとんど症状が出ないがんです。
- タバコや過度の飲酒、肥満はリスクを高めることがあります。
- 治療は手術、薬物療法、放射線療法などを組み合わせて行います。
日本では年間約4万人が膵臓がんと診断されています。がん全体の中では多くはありませんが、近年増えています。
60歳以上の人に多く、男性にやや多い傾向があります。家族に膵臓がんの人がいる場合や、糖尿病、慢性膵炎のある人などではリスクが高くなることがあります。
症状
- 突然の激しいおなかの痛み
- 血を吐く
- 黒い便が出る
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が苦しい
- ⚠皮膚や白目が黄色い
- ⚠おなかや背中の痛みが続く
- ⚠体重が急に減った
- ⚠食事がまったくできない
一般的な症状
- おなかや背中の痛み
- 食欲がない
- 体重が減る
- 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
- 血糖値が上昇する
原因
リスク要因
- タバコを吸う
- 過度の飲酒
- 慢性膵炎
- 血縁者に膵臓がんの人がいる
- 60歳以上
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 皮膚や白目が黄色い
- おなかや背中の強い痛みが続く
- 原因がわからない体重減少
- 黒い便や血を吐く
定期受診を予約すべき場合:
- 長く続く軽いおなかの不快感
- 食欲がない
- 体がだるい
- 血糖コントロールが悪くなった
診断
問診、血液検査、画像検査(CT・MRI・超音波など)を行い、必要に応じて内視鏡検査や組織を取る検査(生検)を組み合わせて診断します。専門の医師が総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(腫瘍マーカーを含む)
- CT検査
- MRI検査
- 超音波検査
- 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
- 生検(組織の一部を取って調べる検査)
診察で予想されること
検査は日帰りや入院で行われることがあります。担当医から検査の目的や流れ、結果について説明があります。不安なことは遠慮なく質問してください。
治療
治療はがんの進行度や場所、全身の状態によって異なります。手術、放射線療法、薬物療法(抗がん剤など)を組み合わせて方針を決めます。医師と十分に話し合い、納得した上で治療を進めることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 治療中の体調管理(休息と活動のバランス)
- 痛みやつらい症状は我慢せず医療者に伝える
- 栄養状態を保つための工夫(食事のアドバイスを受ける)
- 禁煙や節酒を心がける
医療治療
薬物療法には、抗がん剤のほか、がんの増殖に関わる特定の分子を標的とする薬や、免疫の力を高める薬などがあります。これらを単独または組み合わせて使います。放射線療法は、がんを縮小させたり、症状を和らげたりする目的で行われることがあります。
手術が検討される場合
がんが膵臓の中だけにとどまっている場合は、手術でがんを取り除ける可能性があります。手術の方法やリスクについては、専門の医師から詳しい説明を受けることができます。
この病気と共に生きる
治療中はだるさや食欲低下を感じることがあります。無理をせず、自分のペースで生活することが大切です。痛みや不快な症状は、医療者と相談しながら軽減方法を見つけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な休息をとる
- 禁煙する
- 節酒する
- 医師の許可があれば軽い運動をする
- 規則正しい生活を心がける
食事と運動
体調に合わせて、食べやすいものを少しずつ食べる工夫をしましょう。栄養士や医師に相談すると、自分に合ったアドバイスが受けられます。運動は、無理のない範囲で軽い散歩などを取り入れると良いですが、負担にならないようにしてください。
精神的健康と心の健康
がんと診断されると、不安や悲しみ、怒りなどさまざまな気持ちが湧くのは自然なことです。無理に明るく振る舞う必要はありません。気持ちを話せる相手や場所を見つけることが支えになります。つらい気持ちが続く場合は、医療者に相談しましょう。
予防
膵臓がんを完全に予防する方法はまだありません。ただし、禁煙、節酒、健康的な体重を保つこと、バランスの良い食事などはリスクを下げる可能性があります。
ワクチン
膵臓がんを予防するためのワクチンは、現在ありません。
検診プログラム
一般的な人を対象にした膵臓がんの定期検診は、現時点では推奨されていません。ただし、強い家族歴や遺伝性の病気がある人は、医師に相談して検査を受けることがあります。
合併症
治療しない場合
- がんが周囲の臓器に広がる
- 黄疸や胆管のつまりによる症状
- 激しい痛み
- 栄養不良や体重減少
- 血栓(血のかたまり)ができやすくなる
長期的な見通し
膵臓がんの治療成績は、進行度や治療法によって大きく異なります。早期に発見できれば手術で治る可能性もあります。最近では新しい薬や治療法も増えてきており、希望を持って治療に取り組むことが大切です。主治医としっかり話し合いながら、最善の治療を選んでください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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