脂肪肝(しぼうかん) / 非アルコール性脂肪肝(NAFLD)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が過剰にたまる病気です。肝臓は食べ物の分解や解毒など、体にとって大切な働きをする臓器です。脂肪が5%以上たまると脂肪肝とされ、放っておくと肝臓に炎症が起こったり、硬くなったりする可能性があります。
重要な事実
- 脂肪肝は自覚症状がほとんどないことが多い
- 初期であれば、食事と運動などの生活改善で良くなることがある
- 放っておくと肝硬変や肝がんのリスクが高まることがある
はい、日本では成人の約3人に1人に脂肪肝が見られるといわれ、近年増えています。
男女どちらにも見られ、40代以上に多いですが、子どもや若い人にも見られます。お酒を飲まない人にも見られるのが非アルコール性脂肪肝(NAFLD)です。
症状
- 突然の強い腹痛
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- 吐血や黒い便が出る
- 皮膚や目が急に黄色くなる(黄疸)
- お腹が急に膨れて苦しい
- ⚠尿の色が濃くなった
- ⚠黄疸が続く、または悪化している
- ⚠ご飯がまったく食べられない
- ⚠強いだるさが続いて日常生活ができない
一般的な症状
- 多くの場合、症状はありません
- 疲れやすい、何となくだるい
- 右のわき腹やみぞおちの不快感、圧迫感
- 食欲がない、食後に胃がもたれる
子供の症状
- 子どもでは特別な症状が出ないことが多い
- 肥満のある子どもに脂肪肝が見られることがある
- 健康診断や学校検診で指摘されることが多い
高齢者の症状
- だるさや食欲低下などが目立つことがある
- 転びやすくなる、筋力が落ちるなど、加齢による影響と重なって気づかれにくい
原因
主な原因
- 食べ過ぎや飲み過ぎ(過剰なエネルギー摂取)
- 運動不足
- お酒の飲み過ぎ(アルコール性脂肪肝)
- お酒が原因ではない非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は、肥満や糖尿病、脂質異常症などの代謝の乱れが関係
リスク要因
- 肥満(特に内臓脂肪型肥満)
- 脂質異常症(高脂血症)
- 急激な体重減少や偏った食事
- 薬が原因となることもある(医師と相談が必要)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 強い腹痛や黄疸、意識の変化がある場合はすぐに救急相談・受診を
- 吐血や黒い便が見られたら、119番に救急車を要請する
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で「脂肪肝の疑い」や肝機能の異常を指摘された
- だるさや食欲不振などが続く
- 糖尿病や肥満などの生活習慣病と診断された
診断
医師が問診・診察を行い、血液検査や腹部超音波検査などの結果をあわせて診断します。健康診断で見つかることも多いです。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(AST、ALT、γ-GTPなどの肝機能マーカー)
- 腹部超音波(エコー)検査
- CT検査、MRI検査
- 必要に応じて肝生検(肝臓の組織の一部を針で採って調べる)
診察で予想されること
外来で検査を受けることができます。診断後は、生活習慣の改善について医師・看護師・管理栄養士から説明があります。食事や運動の記録を求められることもあります。
治療
治療の中心は、食事・運動などの生活習慣の見直しです。背景に糖尿病や脂質異常症などがある場合には、それらへの治療も同時に行います。
自宅でのセルフケア
- 1日3食、バランスのよい食事を心がける
- 野菜・きのこ・海藻・大豆製品を積極的に取る
- 糖分の多い飲み物やお菓子を控える
- お酒は休肝日を設ける、量を減らす
- 適度な有酸素運動を毎日20〜30分行う
- 体重を定期的に測り、適正体重を目指す
医療治療
脂肪肝そのものを改善するための特別な薬は確立されていません。糖尿病や高脂血症、高血圧などの背景疾患がある場合には、それぞれの病気に対して薬物治療が検討されます。処方薬は必ず医師の指示に従って服用してください。
手術が検討される場合
脂肪肝だけで外科手術が行われることはほとんどありません。極めて進行した肝硬変や肝がんに対して手術が検討されることがありますが、多くの場合は生活習慣の改善による治療が中心です。
この病気と共に生きる
脂肪肝は自覚症状がないことが多く、日々の生活の積み重ねがその後の経過に影響します。無理なく続けられる小さな目標を立てて、定期的に検査を受けながら経過をみましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日の食事内容を少しの間記録してみる
- 週に数回、早歩きや水泳など息が弾む程度の運動を取り入れる
- 体重を毎週決まった日に測る
- 禁煙を目指す(喫煙は肝機能に悪影響)
- 十分な睡眠とストレスケアを心がける
食事と運動
食事は、主食・主菜・副菜をそろえ、野菜を先に食べるなど食べる順番を工夫するのもおすすめです。夕食は寝る2〜3時間前までに済ませましょう。運動は、無理のない範囲で毎日続けることが重要です。医師に運動してもよいか確認してから始めてください。
精神的健康と心の健康
慢性の病気と聞くと不安になることもありますが、脂肪肝は生活の改善によって良くなる可能性が高い病気です。「できたこと」を小さく積み重ねることで、気持ちも前向きになりやすくなります。
予防
はい、脂肪肝は生活習慣の改善で予防・改善できる病気です。適正体重を維持し、バランスのよい食事と適度な運動、節酒を心がけましょう。
ワクチン
脂肪肝に特化したワクチンはありませんが、肝炎ウイルスが原因の肝障害を防ぐため、B型肝炎ワクチンなどの接種について医師に相談することができます。
検診プログラム
健康診断の血液検査や腹部超音波検査を定期的に受けることで、脂肪肝や肝機能の異常を早期に見つけやすくなります。
合併症
治療しない場合
- 脂肪性肝炎(脂肪肝に炎症を伴う状態)
- 肝線維化(肝臓が硬くなる)
長期的な見通し
脂肪肝の多くは、早期に気づいて生活習慣を改善すれば、肝臓の状態が改善する可能性が高いです。進行を防ぎ、合併症を避けるためには、今日からできることから始めることが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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