神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
神経そのものが傷ついたり、神経の働きが乱れたりすることで起こる痛みです。けがや病気が治った後も、神経から間違った信号が送られ続けるため、痛みやしびれが長引くことがあります。
重要な事実
- 痛みの原因は、神経の異常な信号です。
- 焼けるような痛み、電気が走るような痛み、しびれなどが特徴です。
- 原因の病気の治療と、痛みを和らげる治療を組み合わせることが大切です。
日本では、慢性的な痛みを持つ人の約10~20%に神経障害性疼痛が関係しているとされ、決して珍しいものではありません。
糖尿病、帯状疱疹の後、腰や首の神経の圧迫、手術やけがの後遺症など、さまざまな背景を持つ人に起こります。高齢者に多いですが、若い人や子どもにも見られます。
症状
- 突然、片方の手足に力が入らない、動かせない場合は、すぐに119番へ連絡してください。
- 激しい頭痛や意識がぼんやりする、言葉がうまく出ない場合は、すぐに119番へ連絡してください。
- 尿や便が出しにくい、または漏れてしまう場合、背中や腰の強い痛みを伴う場合は、すぐに119番へ連絡してください。
- 下半身の感覚が急になくなる場合も、すぐに119番へ連絡してください。
- ⚠痛みが急に強くなった、新しいしびれが広がった場合は、早めに受診してください。
- ⚠痛みとともに発熱や皮膚の水ぶくれがある場合は、なるべく早く医療機関を受診してください。
- ⚠市販の痛み止めが効かず、日常生活にかなり支障がある場合は、早めに受診してください。
一般的な症状
- 焼けるようにピリピリする痛み
- 針で刺されるような痛み
- 電気が走るような痛み
- 服がこすれる、触れるだけでも痛む感覚
- しびれや感覚が鈍くなる
- 夜眠れないほどの強い痛み
原因
主な原因
- 糖尿病による神経の障害
- 帯状疱疹の後の神経痛
- 腰や首の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などによる神経の圧迫
- 手術、交通事故、けがなどで神経が傷ついた場合
- 脳卒中や脊髄の病気の後遺症
リスク要因
- 糖尿病が長く続いている
- 高齢である
- 神経の近くで手術やけがの経験がある
- 帯状疱疹にかかったことがある
- アルコールの多飲、栄養不足(ビタミン不足など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に強くなった痛みや脱力がある場合
- 排尿・排便に問題が出た場合
- 意識がもうろうとする場合
定期受診を予約すべき場合:
- 痛みが1~2週間以上続く場合
- しびれや痛みで仕事、家事、睡眠に支障がある場合
- 糖尿病があり、足の感覚がおかしい場合
診断
医師があなたの痛みの性質や経過を丁寧に聞き取り、神経の診察(しびれの範囲、筋力、反射など)を行います。必要に応じて血液検査や画像検査を組み合わせ、原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 問診(痛みの場所、性質、強さ、いつから続くか)
- 知覚チェック(触れる、冷たさ、針などで感覚を確認)
- 筋力・腱反射の診察
- 血液検査(血糖値やビタミン不足の確認など)
- MRIやCTなどの画像検査(神経の圧迫の有無を確認)
- 神経伝導検査(神経の信号が伝わる速さを調べる)
診察で予想されること
最初に「この1週間で最も痛かった時の強さを0から10で表すと?」などと聞かれることがあります。答えに正解はないので、あなたの感覚で大丈夫です。診察はリラックスして受けましょう。
治療
治療の目標は、痛みを完全になくすことよりも、日常の生活を快適に過ごせるようにすることです。原因となる病気の管理、薬物療法、リハビリテーション、心理的サポートを組み合わせて、あなたに合った方法を探します。
自宅でのセルフケア
- 痛みの記録(いつ、どんな時に、どのくらい痛むか)をつける
- 温めると楽になる場合は温める、冷やした方が楽な場合は冷やす
- 無理のない範囲で体を動かし、筋肉をほぐす
- 規則正しい睡眠と休息を心がける
- 喫煙や飲みすぎは痛みを感じやすくすることがあるので控える
医療治療
医師は、神経の異常な興奮を抑える薬(抗うつ薬や抗てんかん薬など)、痛みを和らげる塗り薬・貼り薬、神経ブロック注射、リハビリテーション、認知行動療法などを組み合わせて治療します。薬の種類や使い方はあなたの症状や体質に合わせて医師が決めます。自己判断で止めたり増やしたりせず、必ず指示に従ってください。
手術が検討される場合
神経が骨や椎間板などに強く圧迫されている場合、それを取り除く手術が検討されることがあります。手術が必要かどうかは、原因や生活への影響をよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
痛みは波があるものなので、調子の良い日は無理をしすぎず、ゆったりと過ごす日も大切です。痛みが続いていることを周囲に伝え、手伝ってもらえることはお願いしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起き、朝日を浴びて生活リズムを整える
- 痛みに意識が向きすぎないよう、好きなことや趣味に時間を使う
- 入浴やストレッチで心身をリラックスさせる
- 禁煙と節酒を心がける
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、とくに糖尿病がある方は血糖値を安定させることが神経の健康につながります。散歩や水中運動など、負担の少ない運動を続けましょう。運動は「痛みが悪化しない程度」が目安です。
精神的健康と心の健康
長く続く痛みは、気分の落ち込みや不安、イライラを引き起こすことがあります。これはあなたの心が弱いからではなく、痛みの影響です。つらい気持ちを言葉にして誰かに話すだけでも楽になることがあります。必要に応じて、医師や心理の専門家のサポートを受けられます。
予防
すべての神経障害性疼痛を予防することはできませんが、糖尿病の血糖コントロールや健康的な生活習慣(バランスの良い食事、適度な運動、禁煙・節酒)によって、神経が傷つくリスクを減らすことはできます。
ワクチン
帯状疱疹の予防接種は、帯状疱疹そのものや、その後の神経痛を防ぐ助けになります。接種を受けるかどうかは、かかりつけ医と相談してください。
検診プログラム
糖尿病など、神経を傷めやすい病気がある方は、定期的に神経のチェック(足の感覚や反射、しびれの確認)を受けることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 痛みが続いて睡眠不足やうつ状態を引き起こす
- 痛みのために体を動かさなくなり、筋力低下や転倒のリスクが高まる
- 仕事や家事、趣味が制限され、生活の質が大きく低下する
長期的な見通し
神経障害性疼痛は、すぐには良くならないことがありますが、適切な治療を根気よく続けることで、多くの方は痛みが和らぎ、日常生活を取り戻せます。あなたに合った方法を一緒に見つけていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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