リンパ脈管筋腫症(LAM)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
リンパ脈管筋腫症(LAMと略します)は、主に女性に起こるまれな肺の病気です。肺の組織にリンパ管や筋肉に似た細胞が異常に増え、肺の中に小さな穴(のう胞)がたくさんできてしまいます。その結果、肺の働きが徐々に低下し、息切れやせきなどの症状が現れることがあります。
重要な事実
- LAMは肺にのう胞ができるまれな病気です
- 主に妊娠可能年齢の女性に発症します
- 進行はゆっくりで、適切な管理により生活の質を保つことができます
- 突然の肺のつぶれ(気胸)を起こすことがあります
- 完全に治す治療法はまだありませんが、進行を遅らせる方法があります
LAMは非常にまれな病気で、女性10万人あたり数人程度とされています。そのため、一般の人が知ることは少なく、診断にも時間がかかることがあります。
ほとんどが女性で、特に20〜40代の妊娠可能な年齢の方に多く見られます。男性では非常にまれですが、報告はあります。また、結節性硬化症という別の病気を持つ人では、LAMを合併することがあります。
症状
- 突然の激しい息苦しさ
- 急に襲われる強い胸の痛み
- 血を吐く
- 意識がぼんやりする
- ⚠息切れがだんだんひどくなっている
- ⚠胸の痛みが続く、または悪化する
- ⚠発熱がある
- ⚠呼吸状態がここ数日で明らかに悪化している
一般的な症状
- 動いたときに息苦しくなる(労作時呼吸困難)
- 乾いたせきが続く
- 胸の痛み
- 疲れやすさ
- 肺がつぶれる(気胸)。急に胸が痛くなり、息ができなくなることがあります
原因
主な原因
- LAMは、血管やリンパ管の周りにある平滑筋に似た細胞が肺の中で異常に増えてしまう病気です。
- TSC1またはTSC2と呼ばれる遺伝子の異常が関係していることが分かっていますが、多くの場合は親から受け継いだものではなく、細胞の中で突然起こる変化です。
- 女性ホルモンが病気の進行に関わっていると考えられていますが、詳しい仕組みはまだ研究が進められています。
リスク要因
- 女性であること
- 妊娠可能年齢であること
- 結節性硬化症という病気を持っていること(この場合、若い女性でも発症しやすい)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 息切れや胸の痛みが急に現れたり、悪化した場合は、すぐに医療機関を受診してください。夜間や休日で重症の場合は、119番に電話して救急車を呼んでください。
- 肺がつぶれる気胸を起こしたことがある場合は、再発の可能性もあるため、その際には必ず医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 動いたときに息苦しさを感じる
- 長く続くせきがある
- 気胸を起こしたことがある
- 家族や健康診断で肺の異常を指摘された
診断
診断は、画像検査や呼吸機能検査、血液検査などの結果を組み合わせて行います。肺に特徴的なのう胞が見られるかどうかを確認し、他の肺の病気を除外したうえで診断されます。
行われる可能性のある検査
- 胸部CT検査:肺の中ののう胞の状態を詳しく調べます
- 呼吸機能検査:息を吸ったり吐いたりする力を測り、肺の働きを確認します
- 血液検査:VEGF-Dという物質の量を調べることで診断の手がかりにします
- 肺生検:必要に応じて肺の組織の一部を採取し、顕微鏡で細胞を見て確認します
診察で予想されること
診断の進め方は医療機関によって異なりますが、まずは呼吸器内科の専門医の診察を受けます。いくつかの検査に時間がかかることもありますが、担当医が説明しながら進めてくれます。不安なことは遠慮なく質問しましょう。
治療
LAMを完全に治す治療法はまだありませんが、病気の進行を抑えたり、症状をやわらげたりするための方法があります。診断された後は、専門医による長期的な診療と自己管理が大切です。
自宅でのセルフケア
- たばこを吸わない(吸っている場合は禁煙を目指しましょう)
- 呼吸リハビリテーションや呼吸法を学び、日常の息切れを減らす工夫をする
- 体調の変化を記録し、無理をしすぎない
- インフルエンザや肺炎などの予防接種について、主治医と相談する
- 旅行や飛行機での移動をする前に、医師に相談する
医療治療
現在の治療では、病気の進行を遅らせる可能性のある薬剤(医師が判断して処方されます)や、酸素吸入、気胸への対処(胸にたまった空気を抜く、胸膜を癒着させる)などが行われます。また、妊娠や出産が病気に与える影響についても、専門医とよく相談することが大切です。具体的な治療法は、あなたの症状や病状に合わせて選択されます。
手術が検討される場合
病気が進行し、肺の機能が著しく低下した場合は、肺移植が検討されることがあります。これは専門の医療チームが、呼吸機能や全身の状態を詳しく評価したうえで決めることです。移植は可能な限り生活の質を改善するための選択肢の一つです。
この病気と共に生きる
LAMと診断されても、適切な管理とサポートがあれば、多くの方は仕事や家庭生活を続けながら過ごしています。息切れを起こしにくいように、自分のペースで活動することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 息切れを感じたら、無理をせず立ち止まって休む
- エネルギーを温存する工夫をする(家事や外出の計画を立てる)
- 毎日の体調を記録し、変化に気づくようにする
- フライトや高地への旅行を計画する前に、医師に相談する
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、健康的な体重を維持しましょう。肺に負担をかけるような極端な食事・運動は避けてください。運動は医師や理学療法士の指導のもと、無理のない範囲で呼吸リハビリテーションを取り入れることが勧められます。
精神的健康と心の健康
まれな病気と向き合うことは、不安や孤独、将来の見通しへの不安など、さまざまな感情をもたらすことがあります。それは自然なことです。一人で抱え込まず、医師や看護師、カウンセラーに話したり、信頼できる人と気持ちを共有したりすることが助けになります。
予防
現時点では、LAMそのものを予防する方法は見つかっていません。ただし、禁煙や感染症対策によって、肺へのさらなる負担を避け、症状の悪化を防ぐことは可能です。
ワクチン
インフルエンザや肺炎などの予防接種は、呼吸器感染症を予防するうえで大切です。どの予防接種を受けるべきか、主治医に相談しましょう。
検診プログラム
LAMの一般向け検診は行われていません。ただし、結節性硬化症の患者さんや、LAMを起こしやすい遺伝子変化が分かっている方では、定期的な画像検査が行われることがあります。
合併症
治療しない場合
- 気胸(肺がつぶれる状態)を繰り返すことがある
- 肺の機能が徐々に低下し、呼吸不全に至る可能性がある
- 進行すると日常生活での息切れが強くなり、酸素吸入や補助が必要になることがある
長期的な見通し
LAMはゆっくりと進行する病気ですが、近年は治療や管理方法が進歩しています。適切な診療を受けながら、症状とうまく付き合い、多くの方が日常生活を続けています。希望を持って、担当医とともに長期的な計画を立てていきましょう。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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